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テーマ:韓国!(16968)
カテゴリ:映画
ハングル/한글を発明した名君世宗大王(セジョンデワン)の若かりし頃は
ヘタレだった!? 忠寧/チュンニョン(チュ・ジフン)、後の世宗大王は三男にも関わらず突如 父王・太宗(パク・ヨンギュ)から世子(後継ぎ)に指名されおろおろ。 宮廷ではシン・イク(ピョン・ヒボン)とファンヒ(ペク・ユンシク)の権力争い、 派閥争いにまで発展してしまう。 本の虫のチュンニョンは横暴な長兄ヤンニョン(ペク・トビン)と高圧的な父、 3か月後に控えた即位式を逃れるため 護衛のヘグ=オットセイ(イム・ウォニ)、ファング=黄色い犬(キム・スロ)にもナイショで 宮廷の外に出ようとするが... 一方、チュンニョンと瓜二つの奴婢トクチル(チュ・ジフン二役)は お嬢様(イ・ハ二)の行方を追って宮廷近くまでやって来ていた... 『ぼくらの落第先生/先生キム・ボンドゥ』などのチャン・ギュソン監督作品。 ![]() 韓国公開時も 『王になった男』と同じころ公開され 似たようなテーマを持っていて... 王が王らしくなること、 王になるとは、そして真の王とは為政者とは... 同じようにビルドゥングスロマン/Bildungsromanである両作品を 比較してしまうかもしれないが... 宮廷内が主要舞台の『王になった男』は 暴君と呼ばれた光海君の葛藤も描いて重くシリアスなトーンの一方、 児童文学「王子と少年」の要素も織り込まれた 『私は王である!』は軽みが感じられる。 偉大すぎる世宗大王の弱さを等身大に描き、 その弱気な姿に親近感をおぼえる軽妙さ。 また、過去の史劇(時代劇)映画やドラマと異なって (やや)暴力的、暴力ありでコミカルなのが特徴。 映画『マイ・ボス マイ・ヒーロー/頭師父一体/두사부일체』をちょっと想起させる。 この親にしてこの子あり、とも言うけれど 口より先に手、ならぬ足が出る太宗、長兄(そしてチュンニョンも)ら登場人物たち。 血は水よりも濃いのか、 映画の緩急に合わせて登場する必殺技・飛び蹴りが モチーフとなって作品にリズムを作り、 王室物でありながらどこか『ゴッド・ファーザー』的な、 血の気も多くヤクザな匂いもさせてユニークな演出。 (この場合のモチーフは交響曲などに登場するモチーフの意味) キャッチコピーを作ってみると... 四代目はヘタレ 暴力教室ならぬ暴力「王」室 運命は飛び蹴りから!?(テコンドーの国らしい!?) 飛び蹴りは『殺人の追憶』でも印象的、韓国らしい動作ではあるけれど 王を描いた作品中こんなにたくさんの飛び蹴りが登場するのは...異色かも。 名君世宗大王が主人公の映画で。 その分、作品のトーンは軽くなるが 破格で個性的ではある。 また、『王になった男』よりは、 キャラクターのくっきりした男たちが多く登場し群像劇の性格も色濃い。 そのあたりも『ゴッド・ファーザー』的、 もしくは『マイ・ボス マイ・ヒーロー』な雰囲気も。 パク・ヨンギュがどうも(ちょっと上品めな)ヤクザの親分、組長っぽく見えてしまう。 そんな軽さ、軽みもある一方で 韓国時代劇の永遠のテーマのひとつである (映画やドラマの中でもよく言及される) 大国中国(この時代は明国)との関係、 小国が選択する道、選択を迫られる立場の苦渋と決断を描写してもいる。 潔く決断する王は 現代社会から見ても理想的な為政者として描かれ ちいさなカタルシスをもたらすかもしれない (韓国人の観客には特に)。 当時の国際関係が現代の世界情勢にオーヴァーラップし、隠喩にもなり、 願わくば小国でも大国に容易に屈しない王を... との庶民の希い、今も昔も変わらぬ庶民の思いも秘かに込められているよう。 現代も 大国に囲まれた小国として出来る範囲内での決断があるだけだが、 もっと大国を撥ね退ける気概があれば、などと... また、宮廷外に出たチュンニョンの出会いのひとつ、 少女ソルビ(キム・ソヒョン)が文字を読むことも書くこともできないと知るシーンは 後にハングルを発明する世宗大王の動機のひとつとなり得る伏線のようで 軽妙な中にも歴史が秘められている趣。 『王になった男』と比べると宮廷外の描写が約半分を占めるだけあって 煌びやかで原色や華やかな色が多い宮廷の絹の衣装だけでなく、 飢えに苦しむ庶民の土気色の綿や麻の織物をはじめ 苦役に苦しむ人夫たちの土と泥にまみれた衣、と 画面の色は土の色茶色も多い。 その中で春の訪れを告げるような山に 紫がかったうすピンク色のチンダルレ/진달래(カラムラサキツツジ)が 点在しアクセントを添える。 最後のシーンでドクチルたちが着る韓服も 絹の鮮やかさ華やかさとは対照的な チンダルレのような色合いと草木染のような淡さが美しく、 やさしい色遣いにほっこりしたりも。 チュンニョンとトクチル、王子と少年(奴婢)の対比 シン・イクとファンヒ、権力かネズミ小僧的市井に寄り添うか、 コネ入社(宮廷入り)だが世間の荒波に揉まれるヘグと 剣の実力は抜群のファングも対比... 主役をはじめ、対照的なペアが複数行き交う群像劇と役者たちの演技も見どころ。 ペク・ユンシク先生が子息のペク・トビンと父子共演。 発明好きなチャン・ヨンシル(イム・ヒョンジュン)はちょっと不思議キャラクター。 東莱県サトゥ(地方長官)イ・チョリの演技は佐藤二朗っぽいなぁと思いながら観ていた。 東莱/トンネは今の釜山の東莱区かしら、 チュンニョンはヘタレなのに結局そんなところまで南下し逃げて行ったのかぁ (当時の足で首都から海岸の村までは ちょっと飛躍している気もするけれど... チュンニョンが諸国を視察し民の実際の苦しみに触れた、という設定だから) 世子嬪を演じたイ・ミドは ソン・イェジン、イ・ミンギ主演『恋は命がけ』でも さばさばした、いい女っぷりだったけれど 本作でも気取らず堂々とした姿が良かった。 時代劇史上まれに見る!?開けっぴろげ、かつ少々凶暴!?な王妃で 女性の描き方もちょっと異色。 ちなみに世子嬪までが飛び蹴りを(≧∀≦*) 飛び蹴りモチーフに彩られたエンターテインメント。 to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察、解説 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、 写真・画像等も コピー・利用・流用・ 盗用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、 リライト、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 4, 2024 06:01:54 PM
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