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テーマ:韓国!(16968)
カテゴリ:映画
あらすじ
同じ病院で働く同僚ミンス(キム・ドンユン)はゲイ、 ヒョジン(リュ・ヒョンギョン)はレズビアン。 ミンスの両親の目を欺くため偽装結婚したふたり。 やがてミンスはソク(ソン・ヨンジン)と運命的な出会いを果たし 新しい恋を育みはじめる一方、 鍾路のゲイバーに夜な夜な集まるメンバーで結成した合唱グループ G-Voice公演に出演するかどうか悩み続けていた... それはカミングアウトすることにほかならないから。 キムジョ・グァンス監督『2度の結婚式と1度の葬式/두 번의 결혼식과 한 번의 장례식 /Two Weddings And A Funeral』 ![]() オムニバス・ドキュメンタリー『鍾路の奇跡』の エピソードのひとつ、G-Voiceヨンスへのオマージュも感じられる。 ティナ(パク・チョンピョ)の姿はヨンスにオーヴァーラップする。 「いなかゲイ」と愛情をこめて呼ばれていたヨンス。 田舎ではカミングアウトできなかった 仲間に会うこともなかった地方のゲイが 鍾路で仲間に出会って幸せな思いに満たされる。 ドキュメンタリーの中でヨンスが 「今が人生最高の時」 と吐露していたように 映画の中でもティナは 「今が人生最高の時と思うの」と ミンスに微笑む。 (以下核心に触れる部分もございます) 葬式の場面で 赤裸々にエロス(愛)について語られた時は 2008年に釜山国際映画祭で観た『葬式のメンバー』をすこしだけ想起したりも。 死(タナトス)と生を最も感じさせる愛(エロス)は本来隣り合わせ。 タナトスの場でエロスが語られる、 それはヘテロにもある光景かもしれないけれど ゲイの場合もっと生々しく その性と生を照射するから。 死がエロスを 死者のエロスも生者のエロスも炙り出す感触も。 通夜の葬式場という舞台装置が 効果的だった。 そして 死者がゲイと知ってしまっていた肉親が 通夜話ならぬ艶話すべてを聞いているその場面は 喜劇と悲劇がないまぜになっている。 悲劇の中の喜劇、 喜劇の中の悲劇。 それが人生、それが結婚式と葬式で 人生の裏表を映し出す秀逸な舞台装置だった。 韓国映画は甘くて辛いコチュジャンのように 悲劇の中の喜劇を描くのが巧い気もする。 『浮気な家族』とか 『豊山犬』とか。 (ちなみに ペク・スンビン監督『葬式のメンバー』は... 両親と娘ひとりの一家が ヒジュンという男子学生の葬式でそれぞれ彼との関わりに思いをめぐらせる。 家族に向けた内の顔ではなく、家族の外に向けた顔、ヒジュンにだけ見せた、 それぞれの秘められたエピソードが枝葉のようにつながっていく。 ゲイ・ピープルもその中にいる。 枝葉は末節に、ミニマムに広がりながらそれぞれのエピソードが塗り重ねられ 最後には家族の肖像がまとめられ、描き上げられる。 葬式に集まったメンバーという、一つの閉じられた場所を舞台にした法廷劇のようでもある設定が ヒジュンを中心に拡散し やがて収束するスタイルに ヒジュンの書く小説が虚実を追って家族像を立体化している。2007年記) ミュージカル『シャーロック・ホームズ』 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』演劇『チルスとマンス』などに出演するソン・ヨンジンはじめ、 ティナ役パク・チョンピョ、 「ワン=王オン二」パク・スヨンと ミュージカル俳優が何人か出演しているので クライマックスのステージ・シーンが際立つし ミュージカル俳優の面目躍如といった趣も。 もちろん、 キムジョ・グァンス監督作品は 『少年、少年に会う』も 『友だちなの?』も ミュージカル仕立てで、 作風は変わらないのだけれど。 ミュージカルで、音楽でカタルシスを生む。 (以下核心に触れる部分もございます) クライマックスで カミングアウトしたミンスが同性結婚をし 舞台でかわいらしいピンクの衣装で歌う姿を 当惑したような複雑な表情で見つめる父親の顔が何度かクローズアップされるが... このクローズアップは もしかしたら父親も実は... と深読み。 もしそうなら二世代にわたる、 そして世代によって時代が環境が変わったということも内包されている気も。 ともあれ キムジョ・グァンス監督作品も 人生のステージ、 10代思春期のゲイ『少年、少年に会う』から 20代兵役にぶつかるゲイ『友だちなの?』 今回30代結婚適齢期のゲイ... と徐々に階段を 人生のステージをのぼって来ている。 次は老壮期がテーマになるかも。 アン・リーの1993年の『喜宴/The Wedding Banquet』は未見ですが ゲイであるとカミングアウトできない息子が ビザが必要な女性と偽装結婚する、というストーリーで 機会があったら観てみたい。 to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2024 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、写真・画像等も コピー・利用・流用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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Jan 22, 2023 03:23:29 PM
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