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テーマ:韓国!(16968)
カテゴリ:映画
休暇を過ごすため
車いすの妻チェヒ(チョン・ジユン)と保険会社員のサンホ(チェ・ダニエル)は 中国ウェイハイ/威海行きの旅客船に乗った。 おなじ船には臓器密売のために乗り込んだヨンギュ(イム・チャンジョン)に 臓器摘出を担当する外科医キョンジェ(オ・ダルス)ら、 そして移植手術が必要な父(チェ・イルファ)を連れた親孝行な娘ユリ(チョ・ユニ) も乗っていた。 船が韓国を離れ公海上に進むと携帯電話はつながらなくなり、 臓器密売のターゲットをめぐって闇が動き出す... キム・ホンソン監督第一作『共謀者/공모자들/Traffickers』。 韓国人夫婦が中国旅行した際に臓器を摘出され死亡したという 実際の事件に着想を得てキム・ホンソン監督がオリジナル脚本を書き上げ映画化した (キム・サンミョン共同脚本)。 船をつかった運び屋の実態もバックグラウンドとして描かれ 同時期公開されている運び屋映画、マーク・ウォルバーグ主演『ハード・ラャッシュ』 (アイスランド映画がオリジナルのハリウッド・リメイク) と見比べても興味深いかも。 ただし、『ハード・ラッシュ』は一種の冒険譚になっているが 今作は国際的な社会問題となっている臓器密売の実態を抉り出し 人間の欲望の闇、業の深さを抉り出している。 衝撃的だったのは 臓器密売の黒幕のセリフ、 「ひとり死ねば 3、4人の命を救える」。 人ひとりの命は唯一無二、かけがえのないもので なにかに換算などできないはず... 医学の進歩 人的往来がより自由な世界、 そして遺伝子操作等 生物における倫理的な価値観が さまざまな場面で、あらゆる意味で大きく揺らいでいる現代社会の問題を 突きつける作品。骨太サスペンス。 ちなみにウェイハイ/威海は 1992年の中韓国交樹立以前の1990年には 仁川直轄市との直通フェリー「金橋」号が就航し韓国との関係を深めていたそう。 仁川港までは船で約14時間。 (中国以外の国による)映画製作にはあまり登場していなそうな都市で 監督第一作を撮影しおおせたのもなかなか素晴らしい。 社会、経済、政治、医療等が持つ構造的な問題や世界の格差にも思い至った、 梁石日原作、阪本順治監督の 『闇の子供たち』も想起して。 韓国映画で臓器密売が描かれたのは... シン・ハギュン、ソン・ガンホ、ペ・ドゥナ主演、パク・チャヌク監督『復讐者に憐みを』が最初だったかしら... 2007年釜山国際映画祭で観た日韓コラボ映画『Spare』でも動機として登場。 以下、2007年の拙Reviewから。 日本のやくざと韓国のチンピラがあることをきっかけに邂逅し、 言葉が通じないながらもいっしょに走り回るアクション映画。 グァンテ(イム・ジョンイル)はヤクザのミョンスに借金を返せずに 旧友のギルド(ジョンウ)に相談したところ、臓器売買を持ちかけられる。 買い主は日本のヤクザ佐藤(虎牙光揮)。 グァンテを迎えに来た佐藤は、借金をまだ返していないグァンテと一緒にミョンスに追われてしまう。 映画ではふたりの狂言回しが最初から最後まで姿は見せず、 天の声のように声だけで映画のあちこちで茶々を入れる。 逃亡シーンやアクション・シーンではケンガリ(朝鮮半島の農楽に使われる鉦)と農楽(サムルノリという名でも呼ばれる)の チャング(長鼓)がバックに流れて、監督が中学高校生時代に夢中になったという 香港のアクション映画とは異なった雰囲気、韓国らしさを演出している。 言葉が通じない、そのもどかしさを日本語で話し続ける佐藤と 韓国語で話し続けるグァンテの頭上にそれぞれの言語のセリフを吹き出しで入れ、 コミュニケーション・ギャップをユーモアたっぷりに表現する。 イ・ソンハン監督第1作。 キム・ホンソン監督は クォン・サンウ、コ・ヒョンジョン主演ドラマ「レディ・プレジデント 大物」の助監督(演出補?)を務めていたそう。 ドラマ界から出て来た監督もめずらしいかも。 2012年の第33回青龍映画賞新人監督賞を今作で受賞。 なお、英題Traffickersの動詞形trafficは最近欧米メディアでよく聞く。 human trafficは人身売買の意味で 国境を越えた人身売買が問題になっているから。 俳優ユ・ジテはhuman traffic撲滅のため 東南アジア等を訪問して活動しているそう。 to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察、解説 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、 写真・画像等も コピー・利用・流用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、 リライト、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 15, 2024 06:07:14 PM
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