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日曜日の茨城県会議員選挙では民主党が大敗しました。ただ残念だったのは、かろうじて現状維持させてしまったこと。これは自民党や他の政党がまだ無党派の受け皿になっていない、ということでしょうか。
それにしてもこれでますます民主党は選挙が出来なくなりましたね。100議席くらいに落ちるのではないですか。 ここでもう一回、大きなちょんぼをやれば(いくら民主党を交代させたいと思っても、大きな失敗はだめか?難しいけど)お終いです。 それにしても一年前、民主党に投票した人は何だったのでしょうか。 まあ、日本がずっこけない程度に民主党に失敗してもらうしかないか。 とりあえず、幸田さんを始めます。 今週のゲストは日本総研国際戦略研究所理事長の田中均さん、というより小泉首相時代、北朝鮮外交で名を馳せた田中均さんと言った方が分かりやすいですね。一時は北朝鮮の代弁者のように言われ散々叩かれたのに、今では外交のプロとしてマスコミも意見を拝聴する立場、これも月日の移り変わりでしょうか。 幸田さんはまず最近の外交問題について、誰がやっても大変なものだったと思うが、民主党政権の外交はどうか、と聞きます。 それに対して田中さんは、外交には一貫性が大切、基本的な座標軸があって行動していかないと駄目。それさえきちんとしていれば普天間にしろ、尖閣にしろ、また今回の北朝鮮の砲撃など個々の問題には対処できる。 ところが、民主党政権にはそれが見えない、だからその場しのぎの対応になっており、非常に残念、と厳しい評価。 もちろん、座標軸も不変ではなく国際情勢に応じて修正していかないといけない。これまではアメリカの一強体制が続いたので、日本も同盟を結んでいるアメリカと共同歩調を歩んできてよかった、間違いではなかった。 しかしこの5年で情勢ががらりと変わり、経済情勢を見ても富が西から東に移る、アメリカの国力が低下して中国やインドが台頭するという状況になったので、アメリカ一辺倒から重層的な東アジアとの関係を構築していかなければならなかった。 それが自民党に出来なかったのは事実であるが、民主党も次々と起こる事件の処置に追われてできていない。さらに民主党は政治主導といいながら官僚を切り離すようなことをしているが、官僚の経験、知識を使うべきであり、それが出来ていない影響が今現れている。 グローバリゼーションによって新興国が力をつけてきたが、この時代において、かつてのような自由経済、多党制民主主義が最も優れた政治体制といえるかどうかがあやふやになってきた。リーマンショックなどをみて新興国は、もう少し規制をすべきではないか、本当にいいシステムとは何なのかを考え始めた。 新興国の制度はいわゆるステートキャピタリズム、このおかげでリーマンショック後も中国やインドは発展してきたので、このシステムについても自信をつけてきた。 ここまでのことを一気に喋り、さすがの幸田さんも時々合いの手を入れるくらい。田中さんの言葉は柔らかいが的を射ているのでしょう。あっという間に中間です。 外交の本質、外交の力とはどこにあるのか、の問いに田中さんは「ウィンウィンの関係をつくることに尽きる」と答えます。 外交は戦争によらないで国益を達成することだが、現在はどの国も内向き、いわゆるナショナリズムの高まりがあって自分の国益だけを述べていては外交が成り立たない。相手にもよかったと思わせる必要がある。 その際、日本とアメリカのような民主主義国同士ではお互いを考えて妥協することが出来るが、北朝鮮となると政治体制が違って交渉することが難しい。 現時点だけをみて、拉致被害者を返せば援助をしてやる、というのは悪事に対してお金を渡すことになり民主主義国にはできない。その際、時間軸を広げて、今、拉致を認めて被害者を返す、核開発を中止して国際管理体制の中に復帰すれば将来、経済援助をしてもらえるというウィンウィンの種ができる。こういう方向に進むべき。ここまで田中さん。 田中さんのこの言葉、聴いたときは何となく納得しましたが、よく考えてみるとこれこそ中国の「日中友好」外交に嵌ったのと同じことになるではないでしょうか。 ウィンウィンの関係が目標化してしまうと、外交関係を続けるために相手にメリットを出さねばならぬというのが必然になり、自国の国益を譲らない相手には、一方的に譲ってしまうことになりかねません。 北朝鮮は何とかアメリカを交渉のテーブルにつかせようとして核開発を明らかにしたり、韓国を砲撃したりしているが、民主主義国には原理原則があり、このままでは交渉のテーブルにはつけない。しかし北朝鮮はほとんどの国と関係断絶状態にあり、軍事行動による力の誇示以外に自分たちに関心を向けさせるすべを持たない。 これらを分からせて北朝鮮に一連の行動を反省させたり、謝罪させることができるのは唯一中国だけ。今、援助をしているのは中国だけだから。 ところが中国も最近はきわめて稚拙な外交をやっている。傲慢で強権的な外交、恫喝外交ともいえるようなことをして周辺の国やアメリカにも警戒されている。 中国は国内に問題を多く抱えており、体外的に強い立場を誇示するしかないのでしょうか。 中国が国内をまとめる唯一の手段は経済成長だけです。だからこれまで西側に対して低姿勢外交を続け、資本を引き寄せるなど努力してきたのが、リーマンショック以降自信を持って傲慢になってきた。 これは70年代、日本が経済発展をしたときと同じである。その当時、日本は世界から非難され、結果として日本も変わったがこれと同じ状態に中国も直面しているということ。だから中国も変わらなければいけない。 結局、田中さんは北朝鮮の体制の異質さは認めながら、中国を異質とは言わない。日本と同じ段階を踏んでいる、といって中国を普通の国と考えているようで同意できません。 やはり田中さんについては完全に信頼するわけにはいかない、そんな感覚が残りました。 来週も田中さんの話が続きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.12.13 22:15:19
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