あの日のオリオン・・・
本日1月29日は、父が御浄土に旅立った日・・・命日です。以前にも書いたのですが、長い闘病の末、ちょうど60歳で亡くなりました。あれから16年・・・当時にした仕事や出来事を振り返ると「ずいぶん昔の話だなぁ」なんて思うのですが、父が亡くなったことを振り返ると「もう16年かぁ・・・つい先日のことのようだ」と思ってしまいます。亡くなった人の年月を振り返ると本当に早く感じます。あと数年もすれば、私も父が病魔に襲われた年になってしまいます。16年前のあの日・・・外は雲一つない「快晴」。数か月にわたる最後の入院だったのですが、すでに余命僅か。2日程前から昏睡状態となってました。亡くなる前の晩に「・・・会わせられる方は会わせてあげて」と親しくなった看護師の方々に言われていたので、私は親族や弟が来るのを病室の父の容体を気にしつつロビーで待っていました。そして夕刻・・・みんなが見守る中、父は静かに旅立っていきました。以前このブログにも書いたと思うのですが、父の闘病生活はとても長かったのです。何度も繰り返した手術と入院。退院しても薬の副作用や体を蝕む病魔の再発で、何度も何度も苦しんでいた父・・・それを毎日毎日、文句も言わずに励まし看病していたオカン。ただオカンも一人になると、必ずと言っていい程、父の辛さを思い・・・泣いてました。父に知られないように・・・私も「何とかして親父の痛みと苦しみから救ってあげたい。家族みんなで笑っていたい。」と考えるのですが、どうにもできない「現実」に成す術がありませんでした。そんな時・・・私はいつもひとり夜の裏庭に行き、満天の星々を見て泣いてました(ちょっと恥ずかしいですね)「あの星の光は何年・・・何十年何百年も前の光。きっと今悲しくてつらいこの瞬間に光った星が地球に届くときは、何もかもが解決している。時間は流れているんだ!!」と自分に言い聞かせてました。父が先生や看護師の方々に見送られ病院を後にし、我が家に着いたとき、我が家では親族の方々や近所の方々など多くの方々が涙ながらに父を迎えてくれました。そして私も車を降り、振り返ると・・・そこにはオリオン posted by (C)こりりんオリオンが輝いてました。いつもと変わらない冬の星座「オリオン」。なのに、この日のオリオンは違って見えました。そして今でも忘れることはできません。笑われるかもしれませんが、私には「親父さんが家に帰ってこれてよかったな。お帰り。」と優しく微笑んで見えたのです。家に入り、布団の上に横たわる父を見ると・・・少しだけ目を開けて笑っているようでした。うん。やっと帰って来れたね。本当に良かったな親父・・・我が家におかえり。父が死んでいるにも関わらず心の底からホッとしたあの安堵感を今でも覚えています。弟も同じことを考えてたようで、キッチンからお酒を持ってきて「親父にお酒注いであげよう」と脱脂綿に含ませて父の口を拭いてあげたっけ・・・気が付いたら周りには親戚のみんなが集まってて「次は俺が」って感じでみんなで父の帰宅を喜ぶように父にお酒を注いであげてました。あれから16年・・・先日もちょっと書いたのですが今年は父の17回忌を勤めさせていただきます。あの時のように親戚が集まって父の事をワイワイと笑いながら話したいですね・・・今日、仏前にお酒を注いでお供えしています。ちょっと強いお酒だけど美味いんだよコレ・・・でも親父、酔っ払わないでくれよ(笑)