新車ローン
新車ローン 財布に優しく ◆下取り価格を先引き 通常のローンより当初の支払い負担を抑えながら新車に乗れる「残価設定型ローン」の扱いが広がっている。満期時の下取り価格(残価)をあらかじめ差し引いて分割払いするもので、短期間で車を乗り換えたいという人に向いている。ただ、満期後も乗り続けるなら通常のローンより高くつくなど注意点もある。◆追加支出の条件確認を 残価設定型ローンには契約時に残価を固定する方式と、契約時に暫定的な残価を決め、満期時に中古車価格相場から残価を見直す方式がある。満期は3年と5年が多い。満期時には〈1〉車を返却する〈2〉車を返却し新車に乗り換える〈3〉残価を支払い買い取る――の三つから選ぶ。保険や税金などの費用は新車購入と同じ。 独フォルクスワーゲン(VW)系金融会社のVWファイナンシャル・サービス・ジャパンは事前に残価を決める方式だ。小型車「ゴルフGT TSI」(税別価格約290万円)の場合、3年後の残価は45%の130万円。残価は契約時の中古車価格相場から決まる。 この車で満期3年の残価設定型ローン(実質年利2・5%、頭金105万円、ボーナス月加算額9万円)を組むと、月々の支払額は初回8630円、2回目~35回目は8100円。満期時に車を返す場合、原則、最終月の支払いは不要だ。 これに対し金利、頭金、ボーナス付き加算など同じ条件で36回払いのローンを組み新車を買う場合、毎月の支払額は初回4万3500円、2回目以降4万2700円となる。 ただ、残価設定型ローンでは、満期時に規定の走行距離を超えたり車体に大きな傷があったりすると清算金を求められる。 車を買い取るなら最終月に残価の130万円を払う必要がある。一括で払っても総支払額は317万4030円。通常ローンの312万8000円より高い。残価のローンを組むと支払額はさらに増える。 このほか、トヨタファイナンスなど国産車メーカーの系列金融会社の残価設定型ローンも、残価を事前に決める方式だ。一方、独立系販売会社「オニキス」などは、暫定的な残価を満期時に見直す。満期時の査定価格が残価を下回れば、車を返す場合も追加支出が必要だ。査定が残価を上回れば返金も受けられる。 残価設定型ローンと同じ使い方が出来るリース商品もある。オリックス自動車の「いまのりくん2年コース」は5年契約だが、2年後以降は解約料なしで車を返却できる。当初の支払額は、残価設定型ローンと同水準になる。 ファイナンシャルプランナーの大山潤さんは「どの商品も契約期間中に事故で全損になれば金で返すことになり、車両保険が必要になる。満期になった時、どういう条件で追加支出が生じるか、契約書を確認することも忘れないで欲しい」とアドバイスしている。○残価設定型ローン 新車の購入時に数年後の下取り価格(残価)を設定し、新車代金から残価を引いた額を分割で支払う仕組み。通常のローンに比べ、あらかじめ残価が引かれている分、ローン対象額が減り、月々の返済額は少なくなる。 残価は満期3年で車両本体価格の45~50%、5年ローンで20~30%が一般的だ。人気車種ほど残価が高く、月々の返済額は少ない。高級車を扱う輸入車販売会社を中心に広がり、国産車メーカーの系列でも増えている。 (2007年5月15日 読売新聞) [PR] 未来予知線FXトレードの実践