第三の視点

光一：「悪魔」と「鬼」の違いを考えたときにな。

影夫：お前はいつも「変なこと」考えるよな。

光一：悪魔って概念は、もともと日本には無かったわけじゃない。

影夫：無かったの？

光一：俺が考えるには、一人の人間の中に「聖なるもの」も「邪なるもの」も両方あるものじゃない。

影夫：両面あるよな。

光一：だから、人間には「神や仏」と「鬼」の両方が居るものなんだよ。

影夫：ほう。

光一：どんな聖人君子であっても、殴られれば鬼の顔で怒るだろ。

影夫：それが「鬼」か。

光一：悪魔というのは、「聖なる者」と「邪なる者」を二つの部屋に分類し、閉じ込めたんじゃないかと思ってな。

影夫：なるほど。

光一：西洋人は、「天使と悪魔」だけじゃなく、「勝ち組」と「負け組」のように二つに分類して、物事を考える傾向があるんだよ。

影夫：お前に言わせりゃ、それも陰と陽の現象なわけね。