本当に強い人間
光一:本当に強い人間って、どういう人間だと思う?影夫:ボクサーとかKー1の格闘家みたいな人間か?光一:俺は、危ない所に近づかない人間、危なくなったら逃げる人間、そして逃げ足の速い人間、追いつめられたら「ごめんなさい」と謝れる人間かな。影夫:それまた、ひねくれた答えだな。光一:外面的に強そうな人間って、内面は弱いものなんだよ。影夫:なるほど、そういうものかもしれないな。光一:世界を支配しようとしている連中だって、内面はとても弱い人間だと思うよ。影夫:どういうこと?光一:弱いから、すべてを自分の手のおよぶ所に置きたがるんだよ。影夫:・・・。光一:世界中の人や物をまるで玩具(おもちゃ)のように動かし、すべてを自分の計り事の中に納めたつもりになって、それでやっと安心しているんだ。影夫:なるほどね。光一:でも、そういう「病的な者」でないと、世界を動かすことはできないんだけどね。