|
カテゴリ:奥村 武
奥村
この夏は福永騎手や川田騎手が海外の競馬場へ武者修行に出ていました。 以前から武豊騎手や蛯名騎手、後藤騎手や一昔前では岡部騎手などが度々海外へある程度の期間をさいて遠征していました。 彼らの遠征は地方競馬のジョッキーが地方競馬よりも賞金の良い韓国やマカオなどに出向く、いわゆる「出稼ぎ」とはちょっと趣が異なります。 間違いなく彼らは日本の競馬に参加していればはるかに稼げます。 しかしそんな好待遇をさておき彼の地へ出向くわけです。 そしてそこでは騎乗馬の確保もままならず、一つ勝つことの難しさを実感して帰ってきます。 そこは日本の内厩制とは違い誰もが簡単に参加できる世界。 しかし逆に力があるものしか生き残ることができず、新陳代謝もひどく激しい世界です。 アメリカ西海岸・東海岸地区やイギリス・アイルランド、フランスなどは特にその競争の激しい地域。 そんな中に身を置き、自らの存在価値を知り、世界のトップレベルの技術を盗む。 そんな目的で彼らは海を渡っているのでしょう。 しかし目を転じるとここに名前の出てきたジョッキーはみんな日本では知らぬもののいないトップジョッキーです。 そんな彼らが世界に出て自らの腕を磨くわけですから、若手は敵うわけがありません。 ジョッキーという職業はアスリートでありながら、ある程度の熟練が必要な仕事です。 若さと体力だけでは全く勝負になりません。 馬術の法華津選手を見てもわかることですが、馬の力を引き出すのが仕事。 馬の動きを邪魔さえしなければ年齢なんて関係ないのかも知れません。 ただ、やはりある程度の年齢になると種々の体の条件から馬の動きを妨げるようになってくるのでしょうが。 話はそれましたが、つまり腕を磨くためには経験が必要。 そして教育の吸引効果と同様に、高いレベルの中でもまれれば上達も早いわけです。 そこで若手に目を向ければ、その様な行動を取っているのは三浦皇成騎手、田中博康騎手くらいかな。 大事なのは自ら望んでその環境に身を投じるということ。 誰かに行けと言われて行くのでは意味がありません。 このような行動に出る事が、やがて周囲の評価となりさらにその人間を一つ上のステップへと引き上げる要因になると思うのです。 一定期間日本のお手馬を手放すことになる不安があるのでしょうが、自分の力でそれを引き戻してやるくらいの気持ちがないとできません。 そんな若手が美浦から多く出てくることに期待しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年08月27日 11時25分07秒
[奥村 武] カテゴリの最新記事
|