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カテゴリ:古谷 剛彦
金曜日は古谷が担当します。
日本海側を中心に、雪の影響は相変わらず受ける形で、12日の小倉競馬が中止となり、13日に代替開催になりました。中央競馬のスケジュールで動く関係者の方々にとって、ただでさえ3日間開催後は苦労するでしょうから、今週はバタバタしたと思います。 週刊誌を出す方々にとっても、G1ウィークだけに大変だったと思います。種牡馬展示会の時に、マスコミの方々とも話しましたが、冬の小倉は雪の影響を受けやすい地区であることは、これまでのことを考えてもわかること。祝日の3日間開催が悪い方向に出た(売上的には良かったようですが)上に、地方競馬にとっても、こうなると少なからず影響を受けます。 IPAT発売日に充てていた「ユングフラウ賞」が、1日ずれたことでIPAT発売がなくなります。楽天競馬など、他のインターネット投票があるとはいえ、地方競馬の売上が飛躍的に伸びている要因は、明らかにIPAT発売であり、昨年の「かしわ記念」が、IPAT発売に頼らない金曜日に行いましたが、思ったほど売上が伸びなかったことからも、やはりIPAT発売日は、地方競馬にとって大切な日となります。小倉競馬が13日になったことで、13日に行われた地方競馬は良かったと言えますが、大きなレースを行う予定ではなく、それほどPRしていない日に行われても、思うような数字は期待できないでしょう。 しかし、「ユングフラウ賞」は素晴らしいレースでした。スタートを決めたエターナルモールの吉原騎手の強気なレース振りが、ホッカイドウ競馬から転入し、「東京2歳優駿牝馬」でワンツーを決めたグラヴィオーラとストロングハートの追撃を退けました。浦和コースは、得意不得意が明暗を分けるケースもありますが、前走で浦和コースを経験したエターナルモールは、その経験が生きたレースだったと思います。本番では、JRA2戦2勝のプロミストリープが登場します。 JRAからクラシックを目指して移籍するケースはこれまでも多々ありましたが、無敗の馬が移籍するのは初めてのこと。JRAでの3歳ダート馬は、春のダート番組がオープンだとかなり少なく、オープンの層が厚くなるとともに、牡牝関係なく出なければならないので、牝馬は不利になります。ならば、このような選択があっても、JRAのオープン特別以上の賞金があるクラシックなら、狙う価値は大いにあるでしょう。 このような移籍に関して色んな意見はありますが、わざわざ地方競馬に移籍してまで出走したレースがあると考える見方もできる訳で、レベルの高いレースを行いたい主催者にとっては、そのようなレースを行っている自負になりますから、決して悪いことではないと感じています。これに関してハードルを作るよりも、そのような馬が来ても負けない気持ちを、いかに地方競馬の関係者が持つかが大切だと思っています。 さて、タイトルの通り、15日にホッカイドウ競馬の今年の日程が発表されました。4月18日から11月8日まで、全80日間と近年と変わらない日数での開催となります。変更点は、 ・ブリーダーズゴールドカップ(1着賞金2500万円→3100万円) ・北海道2歳優駿(1着賞金2000万円→2500万円) と、2つのダートグレードが一気に賞金が上がります。また、 ・道営記念(1着賞金1000万円→1500万円) ・赤レンガ記念(1着賞金250万円→300万円) ・最上位クラス4競走(1着賞金100万円→150万円、予定日は開幕日、7月中旬、ブリーダーズゴールドカップ当日、最終日) と、「道営記念」は500万円アップオープン5つのレースで1着賞金が50万円アップされます。それから、3歳三冠の日程も変わります。 ・北斗盃(第1回初日→第4回初日の5月30日) ・北海優駿(第4回2日目→第5回4日目の6月20日) ・王冠賞は、これまで通り第8回3日目の7月26日 と、1カ月間隔で3つのレースが実施されるローテーションになりました。「北斗盃」が開幕に行われなかった時でも、その前哨戦だった「春霞賞」という3歳重賞が開幕日に行われることもありましたので、開幕日に重賞がないのは久しぶりとなります。 そして、2歳戦では、他地区も賞金が良いことから、早い時期に移籍してしまうケースも目立っていました。それを防ぐ意味も含めて…となるでしょうが、 ・未勝利(1着賞金30~40万円→通年50万円) ・2組、3組平場(1着賞金50万円→60万円) ・3組特別(1着賞金50万円→65万円) とアップしました。重賞競走は9競走(1着賞金250万円~500万円)、上級認定が14競走(1着賞金200万円)ありますから、開催日数を考えれば、他地区より明らかに良いでしょう。また、出走手当は昨年同様とのことで、これも他地区より良いので、ホッカイドウ競馬で走るメリットが大いに感じる条件をアピールすることになります。 2歳未勝利が、通年50万円となりますが、南関東への転入条件である「2歳50万円」をクリアしやすい状況が早くから作られます。これをどう考えるか…ということですが、早く南関東に移籍しても、番組が多く作られる訳でもなく、出走頭数が増えてしまえば、賞金は高くても手にする馬主の方は少ない訳ですから、南関東に早く移籍する馬がそう多くは出ないと思います。 ホッカイドウ競馬から転入した馬が、全国で強いと思われる1つの背景には、ホッカイドウ競馬で厳しい競馬を経験することにあります。早く転入した馬は、意外と伸び悩む傾向にあるので、2歳馬が多く、6月以降は確実に毎開催出走できるホッカイドウ競馬の方が、後々を考えてもプラスに働くでしょう。 勝ち上がった後の番組面でも、1着賞金が60万円にアップされれば、他地区の多くが40万円~50万円という図式ですから、他地区へ早く移籍することも、例年より少なくなる可能性が出てきました。これは、主催者も頑張ったと思います。 古馬に目を移すと、最低クラスのC4で、1着賞金が20万円から25万円にアップされます。これは、今年度の兵庫に並ぶ形となり、全国的に見ても上位ランクになる賞金体系となります。 2歳馬の能力検査は、3月15日が初日を迎えます。現在、500頭を超える2歳馬が入厩しており、仕上がり状況などから全馬が必ずしもホッカイドウ競馬でデビューするとは限りませんが、春のデビューに向けて調教されています。日程が出ると、いよいよ春が近づいてきたなと感じる時でもあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年02月17日 12時09分57秒
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