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2019年01月24日
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カテゴリ:横川典視
木曜担当のよこてんです。

 もうちょっと続く“平成、競馬とネットの時代”。今回は『PAT』をお題にしたいと思います。このブログは基本地方競馬ネタですけども、今回は成り行き上JRAのPATのお話が中心になりますのをご容赦くださいませ。

 さて、今や競馬とネット投票は切っても切れない関係になっておりまして、競馬場にいながら馬券の投票はスマホからネットで・・・というファンも少なくないように見受けられます。
 ネット投票、もともとは電話を使っていた事から“電話投票”という用語が活きていますが、電話からいったんはパソコンを使った投票に主流が移って、そこからまた電話というかスマホに戻ってきているというあたりが妙に興味深いような気がしますね。
 それはさておき、今ではインターネット銀行の口座があればすぐに即PATからネット投票を利用できるようになっていますよね。JRAのWEBサイトでも『即日加入、即日利用』がアピールされております。
 しかしかつては、PAT(=電話投票)の加入権は簡単には手に入らない“プラチナチケット”だったのです。
 それは、自分が加入した頃の流れで言うと以下のような感じでした。

(1)競馬雑誌やスポーツ紙などで「PAT加入者募集」の情報を探して見逃さないようにする
(2)募集が始まったら受付時間内に電話で申し込み
 ※落選した場合→(1)(2)を繰り返す・・・。

(3)当選した場合は加入手続きへ。書類一式を用意&PAT専用の銀行口座を作製する
(4)手続きをしつつ、PAT投票用のソフトあるいは機器を選択・発注する
(5)手続き終了、ソフトも届いていよいよ投票可能に


​●競馬雑誌やスポーツ紙などで「PAT加入者募集」の情報を探す&募集が始まったら受付時間内に電話で申し込み​
 当時のPATは年間に何度か、エリアを分けて行われる加入者募集の告知に従って応募して、それで当選しなければ手に入らないものでした。自然、大都市圏では募集枠よりも遙かに多い応募者がいるのでなかなか当選せず、“何度応募しても当たらない”というファンの投書を競馬雑誌でよく見たものです。
 なのでこの頃には「PAT応募代行サービス」なるものも存在していました。PAT募集への応募方法はたいてい平日昼間の一週間くらいの期間に電話で・・・というものだった事もあって、“当選するまで代わりに応募しますよ”的なもちろん有料(1万円とか1万5千円とか、そんな額だったような)。こういうのも広告をよく目にしましたね。そういうものに頼りたくなるほどPATの応募は当たらないものだったのです。


★こういう感じの広告、多かったですよねえ(「競馬・最強の法則」1997年10月号より)

 ただ、PATの募集には実は地域格差があったようです。地方での募集は大都市よりは当たりやすいだろう・・・というのは応募者数を想像すればその通りなのでしょうが、とりわけ“地方競馬場があってJRAのウインズは近傍に無いエリアの募集は当たりやすい”と言われていました。
 それが本当なのか噂なのかは今となっては知る術がありませんけども、“競馬ファンが多く存在しているけども近場にJRAの馬券を購入できる場所が無い・少ないエリア”に重点を置いて募集するというのは馬券を売る立場に立ってみて不自然な話ではないですから、そういう塩梅・さじ加減もあったのだろうと思っています。
 実際に自分は盛岡からの初めての応募で1発当選。岩手県はまさに“競馬ファンが多く存在しているけども近場にJRAの馬券を購入できる場所が少ないエリア”でしたものね。

​●当選した場合は加入手続きへ。書類一式を用意&PAT専用の銀行口座を作製する​
 晴れて当選すれば手続きに進みます。これが結構面倒だった。まず申込の書類に住民票が必要。市役所に行ってもらってこなければなりません。
 そして銀行口座。PAT用の投票用口座を作らねばならず、自分はどうしたかなあ?今は無き拓銀を選んで、後に北洋銀行引き受けになったと思うけども。
 南関東のSPAT4や地方競馬のD-NETも当初は専用口座を求められましたね。


★D-NET用に作った口座。地方競馬がある県の銀行が選べたのでなんとなく岐阜にしてみた記憶。笠松支店でした。入金用と払い戻し用で別というややこしい仕組み


​●PAT投票用のソフトあるいは機器を選択・発注する​
 今のようにブラウザから直接投票できなかった時代のお話でして、これにも専用のソフトあるいは機器を用意しなければなりませんでした。
 自分は、パソコン通信の環境がありましたからPC用のソフトを購入(購入ですよ!別途購入!3万円!くらいしたはず)しましたが、ファミコンやスーパーファミコンのようなゲーム機で使う端末や、たしかキャプテンシステム(電電公社が昭和末期にスタートしたデータ通信サービス。公共施設などで端末を見かけた)を使った投票システムもあったような・・・。ホームマスターシステムだったか?
 調べてみるとファミコンを使った投票システムはわりと最近まで稼働していたそうで、ネットにもたくさんの画像が残っております。


★右が最初の、FD版ソフト。こっちが3万2千円だったかな。左がWin98が出た後のバージョン。安くなったけどそれでも1万円くらいしたと思う


★せっかくなのでインストールしてみましたが、最初の起動時にセンターにアクセスして登録を求める仕組みになっていて残念ながら投票画面まで進めず(モデム無いしセンターも存在しないしねえ)。ターフィー君(旧)の元気な姿を見る事ができたのでよしとしよう

​●手続き終了、ソフトも届いていよいよ投票可能に​
 ここまでの一連の作業、2ヶ月くらいかかったような記憶があります。9月頃に申し込んで実際に投票できるようになったのは11月上旬くらいからだったような
 口座も開き、ソフトも届き、時間はかかったけどもさあいよいよ・・・なんですが、ここからが意外に手間取ったりしました。
 というのは、PATのソフトにあるモデムの設定ファイルが少なくてですね、自分が持っているモデムに合わせた設定を作ってやらないと安定しなかったんです。
 自分がPATに加入したのは1995年頃でしたが、これまでのブログで書いてきたようにパソコン通信だけでなくインターネットも普及しはじめて、通信用の機器も様々に登場していた頃。モデムの速度も日進月歩でどんどん変わっていくし、PATに限らず通信をするソフトでは、最初からある設定をそのまま使ってもうまくいかない・・・というのがわりと日常茶飯事なのでした。
 まあ、たいていは同じメーカーの同じ速度域のモデムの設定を使えば大丈夫なんですが、それでうまく行かない時は、NIFTYのFMODEM?だったかな?モデム専用の会議室で設定を教えてもらったりしましたね。けっこうありましたよ、「PATが繋がらないのでコマンド教えて下さい」という質問
 PATの場合は、PATのホストセンター側の接続推奨速度が遅くて、世の中に増えてきた高速モデムでそのまま繋ぎに行くと安定しない事があったような記憶です。

 そう。アナログモデムで繋いでいたんですよPATは。まず開催情報を取りに行って、レースの馬体重情報を取りに行って、投票したいレースのオッズの情報を取りに行って。最後に投票して、確定した頃合いに結果を取りに行って。毎回モデムが接続・切断。自分は接続先に大阪のセンターを指定されていたので電話代がね・・・。
 今は、インターネット銀行の口座が開設済みならばという前提があるにせよ、こんなややこしく時間がかかる手順を踏まなくともネット投票ができるようになりました。なにより応募とか抽選とか無いし。

​★余談その1-PAT投票用の機器​
 2001(平成13)年のPAT用の機器について、当時の書類には以下のものが記載されていました。

ファミコン(任天堂及びマイクロコア)
 自分は使っていなかったのでよく知らなかったのですが、ファミコンの通信方式は「任天堂式」と「マイクロコア式」の2種類があったそうです。JRA-PATはどちらにも対応していたという事ですね。
 ネットで検索するとPATだけでなく競輪や競艇も同様のシステムで電話投票を運用していた事がうかがえます。証券会社の株トレードが多かったのかな。いずれにせよギャンブル(同様のもの)が多かったんですな。

スーパーファミコン
 最近まで稼働していた事もあり、ネットオークションで専用カートリッジを見かける事多し。

FP3
 これなんだろう?もしかして衛星通信用?

モバイルメイト
 1997年にNTTデータが開発投入した専用端末です。

ホームマスター
 文字放送を使ったシステムの端末。昔のビデオデッキくらいの大きさだったような。

ドリームキャスト
 通信にも力を入れていたドリキャスだけにPATにも対応。ソフトのディスクがオークションに出てきていますが結構高い。

モバイルゲット(携帯・PHS)
 携帯電話(とPHS)の普及に伴い登場した携帯電話一体型専用端末。2000年登場。WAPというプロトコルを使ってWEBの情報も表示できるように・・・などと説明されますが、PAT部分は専用アプリを組み込んでいた模様。また、当時としては広い画面サイズとされるのですが、スペックを見ると160ドット×192ドットで全角文字10行×12行表示だそうで。

テレアシスト800
 1990年代前半頃にNTTが投入していた液晶画面付き電話。「ディスプレイホン」とも呼ばれていました。電話機自体は汎用ですがメモリカードが専用。
 ちなみにかつて岩手競馬にあった独自の電話投票システムではテレアシスト1000が使用されていました。お値段高かったですねえ。


​★余談その2-モバイルでPATしたい!​
 ノートPCを持ち出してお外で馬券購入したい。当時のガジェットマニアかつ競馬ファンはそういう事を考えてみた事でしょう。
 普通は電話ボックスのグレーの電話(ISDN電話機)の、備え付けのモジュラージャックを使えば良いのですが、自分はPHSを使う事を試してみました。
 1998、9年頃だったか。まだPHS通信モジュールとかなかったですから、採れる手法はモデムのダイヤルトーンをPHSのイヤホンジャックに入れて“音”で接続させる「見なし通信」という形式です。音響カプラー(知ってる人少なくなっただろうなあ。大学の研究室に一個あったな)みたいな理屈ですよつまり。
 当時の携帯電話は音質が悪くノイズも多く・・・で「無理」とされていましたが、PHSは家庭用のコードレスホンより綺麗に聞こえるくらいの音質でしたから、接続自体は意外に簡単でした。専用のケーブルを入手するのがちょっと面倒だったくらい。あとPHSの呼び出し音だったかにモデムが誤反応してしまうため、ちょっとコマンドをいじってタイムアウトを長めに・・・とか。
 もちろんPATソフトを使った投票もできましたよ。移動に弱いと言われたPHSでも電波が届く圏内を移動する分には電車の中からでも投票できたりしましたし。
 とはいえ、昔のノートPCって大きいし重いし、バッテリーもせいぜい2時間くらいしか保たなかったから、そうやって外に持ち出してもうっかりすると投票はできても結果が出る頃にはバッテリー切れ・・・。“やってみたかったからやってみた”だけで現実的な実用性はなかったですハイ。

 ただ、PCを使ったパソコン用予想ソフトの類は早い時期からたくさん登場してきていましたので、ノートPCが一般的になってくるとPCで予想しながら馬券を買っている人も珍しくなくなっていましたよね。リブレット使いとか憧れたなあ。

 次回は久しぶりに(笑)実際の競馬のお話になりそうです。





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最終更新日  2019年01月25日 00時39分26秒



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