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カテゴリ:坂田 博昭
水曜日の担当は、坂田博昭です。
今週は、まず名古屋競馬場の正月開催の話題から。 1月4日の重賞・名古屋記念当日に出かけてきました。 例年通り元日から行われた、名古屋の正月開催。 連日大賑わいでした。 この日も、早い時刻から多くのお客さま方が詰めかけて盛況。 そんな中……今週のキッチンカー(仮題) こんな面白い車を見つけました! 小さい車なんですが…… ウサギの耳がペイントされてる! うさぎ堂 Instagramはこちら スイーツのお店 クロッフルとシェイクがメインで売られています。 クロッフルは韓国発祥とされるスイーツで、簡単にいえばワッフルのようなクロワッサン。 このお店ではトッピングにより品揃えが豊富なのですが、中でも「おすすめ」というメニューを注文してみました。その名も… うさっふる 食べやすく、小さく着られたクロッフルに、まずクリームが盛り付けられていく クリーム、マシマシ 更にその上にトッピングが続々 イチゴがこんなに乗ります 最後に、ウサギが乗って、完成! かわいい~~ 食べてみると、本当にサックサクでふっわふわ。 とっても美味しくて、あっという間に食べられちゃいます。 このお店を運営されているふたり 代表の銀太さん(左・仮名) 副代表のコタロウさん(右・仮名) この2月で、キッチンカーを初めて1年になるそうです。 「代表が、先に車を見つけて買ってきちゃったんですよ……(苦笑)」 聞けば、会社の「本業」は何と、全然畑違いの運送会社。 いま巷で話題になっている、運送業界の「2024年問題」に危機感を持ち、経営の多角化で取り組める業態を探していたところ、キッチンカーの運営を思いついたとのこと。 「始めて1ヶ月は手探りでしたが、いまはもう運営も軌道に乗って、十分経営として成り立つところまで来ています。大学のキャンパスに出店して若い人にもウケていますが、意外とデイサービスの場所なんかに出張に行くと、年配の方が喜んでくれるんですよ。」 クロッフルは、商材としてもやっているお店や車は少ないので、それも成功の要因だと分析されていました。 「元々、喫茶店みたいなのをやってみたい、という気持ちはありました。」 …と話すのは、先に車を探し出してきて買ってきちゃったという代表の銀太さん 「お客さまもそうですし、キッチンカーを出店に行って同業の人も含めて、とにかく色んな人に会えるのがとても楽しい仕事です。」 今後の展望についても伺いました。 「幸い、いまうまく行っているので、これからはプレハブみたいな小さいものでも良いので、固定のお店を出してみたいですね。」 社業としてやられているわけですから、個人で取り組む以上に「真剣勝負」 どんな展開が待っているのか、興味は尽きません。 うさぎ堂 Instagramはこちら 出店予定を見ると、来週16日火曜日、月末31日水曜日にも名古屋競馬場に来てくれるみたいです。美味しいスイーツのお店、是非立ち寄ってみてください! さて、メインレースの話に行きましょうか。 正月恒例、古馬の重賞・名古屋記念(1500m) 1番人気のブリーザフレスカは、塚本征吾騎手が病気で丹羽克輝騎手に変更 3番人気のブンブンマルも、加藤聡一騎手が病気で大畑慧悟騎手に変更 2番人気 昨年覇者のメルトは、今年は岡部誠騎手を背に連覇を狙います 最初のゴール板前 前の3頭が飛ばして行って、有力馬は第2集団へ。 その先頭がブンブンマル(7番) ブリーザフレスカとメルトは、その直後につけました。 3コーナーでブンブンマルが自ら動き、一足先にロングスパート開始 この作戦が功を奏しました 最後の直線、先頭に立つブンブンマル(左から2頭目) 後から追ってくるブリーザフレスカ(中央やや右の緑帽紫袖)も、メルト(更にその右黄色帽)も、ブンブンマルとの差を詰めることが出来ませんでした。 大畑慧悟騎手 デビュー10ヶ月目で重賞初制覇を果たしました 馬は一昨年5月の湾岸スターカップ以来久々となる、重賞5勝目 この笑顔!!!!! 勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 思えば、今回と同じようなピンチヒッターとして大畑慧悟騎手の重賞初騎乗をお膳立てしたのも、今回のブンブンマルを管理する川西毅調教師でした。当時の経緯はこちら。 川西調教師は、「久しぶりに(ゴール前で)声が出ました(笑)」とレースを振り返りながら、こう話しました。 「(大畑慧悟騎手の重賞初騎乗の)あの時は、こちらの指示が明確でなかった思っていました。今回はこちらの指示通り、よく乗ってくれました。(明け6歳だが)馬は変わらず状態は維持しています。昨年のこのレースが本当に惜しかったので、今年は勝てて良かったです。」 長い距離より、今回ぐらいの短めの距離の方が合っているという見立てで、次走は2月1日に行われる重賞・梅見月杯(1500m)になりそうです。 名古屋競馬の次の開催は、1月15日月曜日から19日金曜日までの5日間 デイ開催ですが……ご覧のように、薄暮に近いな……。 続きまして。 一昨日8日(月祝)の佐賀競馬場から。 重賞のゴールドスプリント(1300m)が行われました。 ナイター開催の佐賀競馬場 日中のJRAのレースが終わった後も、このようにリアルに走る馬たちに多くのお客さん方が声援を送っています。 久しぶりに来てみたら… こんな感じで「やるぜ」×4(笑) 佐賀競馬場、JBCに向けてやる気がみなぎっておりました。 金沢から来ていたこの人も、やる気に溢れておりました。 金沢から短期移籍で来ている、魚住謙心騎手 佐賀に来るのは、一昨年に続いて2回目 「最初の週から沢山乗せてもらって、本当に有り難いです。金沢とは、雰囲気もレースの中身も何もかも違って、勉強になります。」 新年の4日間開催で、24鞍騎乗。 1月5日には、佐賀競馬の2024年最初のレースを勝ちました。 「少しでも目立って、名前を覚えてもらえるように、アピール出来るレースをしたいですね。」 金沢での仕事が始まるまでの僅かな期間にはなりますが、活躍が楽しみ。 再来週23日火曜日に高知で行われる全日本新人王争覇戦へも出場します。 馬の方の話題もひとつ。 全日本2歳優駿で6着と健闘を見せたウルトラノホシ 来週17日水曜日に船橋で行われるブルーバードカップ(Jpn3)に向けて順調に調教が積まれているそうです。 10月1日 ネクストスター佐賀を勝った時のウルトラノホシ 真島二也調教師補佐の話 「前回川崎に運んだときは、輸送を苦にすることもなかったので、今回はしっかり絞って行くつもりです。タフな馬で、前走の後も順調です。ブルーバードカップから雲取賞を目指して行きます。」 一応、その後は佐賀の三冠路線…という話ではありましたが…… 遠征で大きな活躍をして、また別の活躍の路を切り開くということもあるかも知れませんね。 来週、船橋でウルトラノホシに会うのが、楽しみになって来ました。 丁度日が沈んだ頃合いで、メインレースのパドックの時刻 地元の方々に聞くとこの前の日から結構寒くなったとのことだったのですが……日が沈むとやはりグッと冷え込んできます。 ゴールドスプリントは、今年で3回目とかなり新しく作られた重賞。 しかし、地方全国交流で賞金もそれなりにあって、ぐるり1周の1300mというコース設定もユニーク。毎年各地から力のある馬の遠征があります。 今年も、1番人気は遠征馬。大井のティアラフォーカス。 ただ、今年は地元勢の戦力も充実しています。 門別のシーズンが終わって転入して来たリーチとか、JRAから南関東を経て昨年転入して来て、すでに当地で重賞をひとつ勝ったロンドンテソーロも、注目を集めていました。 序盤の位置取り 予想通りロトヴィグラスが先手を取ったそのうしろ ロンドンテソーロ(青帽緑服)が速度を生かして番手 外枠から出して行ったダノンジャスティス(桃帽赤服)がその外 人気のティアラフォーカスは「想定通り」(和田譲治騎手)という好位 もう一頭のリーチは、写真右の方の白い馬体で、後方待機策でした。 前で運んだロンドンテソーロが直線に入って抜け出し、やったか!?という展開だったのですが……3コーナーからグーンと捲り追い込んできたリーチが、その勢いのまま並びかけ、最後は差し切り。 ゴールのとき、石川倭騎手が馬の首筋をポーンと叩いてねぎらう 正直、リーチがこれだけ持続力のある末脚を繰り出せる馬だという印象がありませんでした。地方競馬はコーナーがあるからわかりづらいけれど、今日の勝ち方はまさに「末脚爆発」といっていいほど、強靱な脚力を見せつけました。 これまではほぼ先行で結果を出してきた馬が、ここに来て大きく変貌を遂げ、新境地を開いてタイトルを掴み取った形です。 ロンドンテソーロは前で受けて、周囲にいたライバルをことごとく退けて、殆ど勝っていたと言っていいレースでした。最後の最後で1頭だけ、違う形で競馬をした馬を止めきれなかった感じ。 山下裕貴騎手も残念そうでした。 「抜け出したときに少しフワッとするところがあって…その分ですね。馬は速度があるし、とても乗りやすくて操縦性もある馬。中島記念の1800mではスタミナがもちませんでしたが、短距離ならチャンスがあると思います。」 丁度1年ぐらい前に山下騎手に長く話を聞いたときにはまだ果たせていなかった重賞制覇は、昨年11月にこのロンドンテソーロとのコンビで果たしました(ウインターチャンピオン)。その当時も、「重賞が目標というよりは、平場も重賞も変わらぬ1勝」と話していた、彼。 「(重賞勝ちは)先々に繋がっていくと思います。11月12月は流れがよくなくてなかなか勝てませんでした。馬が揃っていなかったこともあるけれども、勝てないと焦りが出ます。勝てれば、流れが良くなる。きっかけになればいいですね。」 正直、この日は2着が多くて残念な思いもしていたのかも知れませんが…ロンドンテソーロのような馬で活躍することが、流れを作ってくれるということもあるのではないでしょうか。 勝ったリーチを管理する真島正徳調教師は、初出走から2年足らずで通算100勝を達成しました。 「100勝ですから(苦笑)通過点ですね。でも、重賞で達成できたというのは縁を感じます。騎手時代と同じで、1勝1勝の積み重ねて行けるようにやっていきます。」 石川倭騎手の勝利騎手インタビューの模様は、佐賀競馬公式Youtubeでご覧下さい。 リーチにとっては、2歳時の鎌倉記念(当時門別所属)以来の重賞勝利でした。 3歳時には門別3冠路線でラッキードリームの引き立て役にまわり、4歳時は体調も整わなかったのか結果を出せずにいました。5歳となる昨年、高知から門別に帰ってきて勝利を得て、また上昇機運が出てきたところで門別のシーズンが終わり、佐賀に転じて、ここでついに重賞勝ちにたどり着きました。 このあと、リーチの戦い振りについて、石川倭騎手に更に話を聞きました。 「3走前に門別で2着に負けたレースは、スタートも良くなくて後方からの競馬になりました。勝ち馬(スペシャルエックス)から離されて、見ている側からは勝負にかかれなかったと見えたのかも知れませんが……あのレースで『この形のレースの方がいいな』と感じたんです。」 その後の道営スプリントも控える形で運んで渋太く脚を伸ばして5着。佐賀に転じても後方からの競馬で前走を勝ち、今回は馬に気持ちが入って門別で感じた馬の手応えに近づいていたとのこと。 今回は、ステージでのインタビューでも話しているように、初めから後方待機でこの馬の良さを引き出す作戦に徹し、そして結果が出ました。 馬が活躍するためのきっかけ、そのための馬や人との巡り合わせ ……そんなことを感じさせられた、リーチの勝利でした。 来週は、また名古屋へ 明け3歳馬の重賞・新春ペガサスカップを取材してきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年01月10日 08時14分11秒
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