Disc1-5 革命の名の元に
「さっき話した様に2500年代は虚偽、暴言の最盛期。ボクが全く聞いた事の無い醜悪な内容が次々に飛び交っていたらしい。 AIエキドナはそれらを無にすべく、手始めに原因を創った者を刑の重軽に関わらず全て更生所に送り込んだ。 中で何が行われているのかは想像も付かないし端からしたくもないけれど、更生所から出てきた者は皆身体のどこかにリングを付けられているんだ。」「それって…。」 朱架が言いかけると同時に、ビュオーっと唐突に強い突風が2人のすぐ傍を駆け抜けた。「きゃっ!」 一瞬の出来事。 驚きのあまり閉じてしまった目を恐る恐る開ける、とさっきまで何も無かったはずの手の中には見た事のないリングが存在していた。 光を受けて輝く銀色のリングは、金属で出来ている様にも見えるが、まるで質量を感じさせない。 問いかける様に視線を上へ向けると、立ち上がって見降ろすロキの視線と重なり合う。「それはボクに嵌められたリングだ。」