|
カテゴリ:図書館!
教誨師 (講談社文庫) [ 堀川 惠子 ] (内容) 半世紀にわたり、死刑囚と対話を重ね、死刑執行に立ち会い続けた教誨師・渡邉普相。 「わしが死んでから世に出して下さいの」という約束のもと、初めて語られた死刑の現場とは? 死刑制度が持つ矛盾と苦しみを一身に背負って生きた僧侶の人生を通して、死刑の内実を描いた問題作! 第1回城山三郎賞受賞。 死刑制度は必要か?! (感想) オウム事件の死刑執行で色々と論議されていて、実にタイムリーなお話でした。 これ、広島が根幹にあるお話なので・・・実は渡邉普相という方は 広島で原爆に逢い、自分一人生き残った・・とか誰も助けられなかった・・という 想いを生涯に渡って、思われてきた方なので、彼が何故教誨師となられたのか・・ すごく理解出来ます。当時水を求めて川へ入る被災者の方が多かったそうです。 だから、そばを通る人に「水・・水」と求められたそうですが、その姿に驚き ましてや、水は汚染されているから飲ませない方が良い・とか言われていたそうですから・・。 渡邉普相さんがご自分を責める必要はなかった・・そう思います。 渡邉普相さんは、死刑制度の有無については、何もおっしゃいませんでしたが 私としては、被害者の肉親である方のことを考えれば、死刑制度はあった方が 良いと思いますが・・難しいですよね・・・。 外国みたいに終身刑というものがあって、200年とか300年とか! 生涯を通じて自分の罪を認識し贖うことができれば死刑制度は無くなっても良いとは 思いますが、日本には無いですものね・・。死刑以外は刑務所で優等生なら 釈放も早くなったり、懲役が終わったら出所しますものね・・なんか怖いですよ・・。 この本には、死刑囚の事が色々書かれているので、死刑囚の立場から見れば ちょっと複雑な思いにもなりました。 【中古】 迷い家 /山吹静吽(著者) 【中古】afb (内容) 第24回日本ホラー小説大賞 優秀賞受賞作 ここは迷い家。妖と霊宝を隠世(かくりよ)に閉じ込める屋敷―― 昭和20年。火の雨降る東京大空襲から生き残った少年・冬野心造は、遅れて母校の集団疎開に 合流した。民話が息づく地・古森塚で、妹の真那子が行方不明となる。 妹と一緒に脱走を図った香苗の証言を基に山に分け入った心造の前に忽然と現れたのは、 見渡す限りの蕗の原にたたずむ巨大な屋敷だった。 妹を捜して屋敷を探索するが、妖怪とでも言うべき怪物に次々と襲撃される心造。 彼を助けたのは、老犬「しっぺい太郎」だった。 しっぺい太郎が語るには、屋敷は現世を追われた妖や、霊宝と言われる道具を封じるための異界で、 稀に人も閉じ込められるという。 妹探しに協力してくれるという太郎だったが、そこにはあるたくらみがあった。 そして、脱出を図り様々な霊宝を使ううちに、大日本帝国の勝利を願う軍国少年としての紅蓮の野望が、心造の心に芽生えてくる。果たして心造が試みたことは、その結末は……。 時代は下り、古森塚で教師になった香苗。街は、東京オリンピック決定で浮かれている。 香苗には、どうしてもぼやけてしまう疎開時代の記憶があった。 ある日、病院から姿を消した義父の後を追い山に入った香苗は、山中で巨大な屋敷を発見し……。 少年の哀しき紅蓮の野望が怪異まみれの「お屋敷」と共振する、新時代の怪奇冒険小説! (感想) 大日本帝国の勝利を願う軍国少年・・・心造。 「恥ずかしながら帰ってまいりました・・。」何故か横井さんの言葉を思いだしました。 戦前、戦中の少年たちは戦争しかなかった訳ですから・・・。 彼らにとって戦争に勝つことこそが、すべて・・・・。 だから、心造が日本が勝つ為には、現世を追われた妖や、霊宝を使う・・・!! という事を考えても不思議ではない・・・。 でも、真那子ちゃんは最後まで、人間だったね・・・。 なんでそこまで強くなれたんだろう・・・。 だから人間として、生まれ変わることが出来た訳だけどね・・・。 昔から神隠しとか言われてるものは、この迷い家が関係していると聞いたことがあるけど・・・。 なんか怖い・・・・そして切ない・・・・お話でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年08月02日 15時00分41秒
コメント(0) | コメントを書く
[図書館!] カテゴリの最新記事
|