カテゴリ:オーディオ
最近、攻めの節約と称した散財が加速している そゆ です。
続く円安トレンド、あちこちで見聞きする値上げ・・・ここでレビューするER4SRが今後価格改定にあうかどうかは全く分かりませんが、少なくとも安くなる見通しではないであろう・・・ ![]() そんな思いもあり、兼ねてより興味のあったこの1BAモニターイヤホンを購入しました。かれこれひと月ほど使い込んでいます。 既に各所で語り尽くされている感のある商品ですが、私なりにレビューしていきます。 ETYMOTIC ER4SR は、Etymotic Research社の開発した1BAモニターイヤホン。 企業組織としては2018年からLucid Audioの傘下になっているようです。 外観![]() 1BAということもありとても小さなイヤホンです。筐体は金属製、ケーブルは3.5mmシングルエンドのmmcx採用で、リケーブルに対応。 なんといっても特徴的なのはトリプルフランジのイヤーピースですね。一般的なイヤホンは1段しかありませんが、遮音性を高めるために3段式を採用しています。 仕様再生周波数 20Hz〜16kHzインピーダンス 45Ω 音圧感度 98dB/0.1V ケーブル mmcx - 3.5mmシングルエンド 付属品 イヤーピース(トリプルフランジ/ダブルフランジ/フォーム)、フィルタ交換ツール(&フィルタx4)、3.5mm-6.35mmアダプタ、シャツクリップ、ケース(大/小) インピーダンスや感度からして、そこそこパワーのあるDAPやアンプを使う前提と考えた方が良さそうですね。とはいえ極端に鳴らしにくいというほどでもないようです。 ![]() 付属品はおよそコンシューマ向けとは思えない構成で、中でも交換用フィルタの存在は、業務用といった趣き。商品ページではあまり見かけない、2つめの小さなポーチ状のケースも入っていました。持ち歩くならこちらに収納すると良さそうです。 ![]() 更にL/Rのドライバの計測値(仕様とは別に、個体毎)を載せた検査証みたいなものも付属していました。私のもとに届いた個体は、L/Rの音量差とTHD差はそれぞれ0.1dB、0.01%でした。 ![]() 嬉しい付属品ですが、ますますコンシューマ感がありません。 音質(個人の感想です)環境はこちらのポータブル(Main)で聴いています。●高音 カラーレスな音色で淡々と鳴らします。スペックでは16kHzが上限なのですが、頭打ち感はほとんどなく、抜けが悪いとも思いません。モニターと謳っているだけあって官能的ではなく解析的。 ●中音 最もダイレクト感が強いのがこの音域(特に高音寄りのゾーン)ですが、クセがないのでうるさく感じることはほぼないでしょう。相対的に弱く感じる低音の量感を気に入るかどうかといったところです。 ●低音 相対的に弱く(遠く)感じる鳴り方で、基音というか、音の根っこだけが鳴っているような感覚。そこから広がる響きの演出は、信号にないなら鳴ることはない。といった感じ。上流機器のBASSブーストなどを使えば厚みと量感を増やすことができますが、それなら低音強化版のER4XRも候補に挙がってくると思います。私は曲によっては強化したいくらいの程度なので、このER4Sでよかったと思っています。 ●その他 1BAとは思えないほど分離感のある描写です。透明感だけでなく解像感も高く、微細な音も聞き取れ、電子音の立ち上がりなどは過度に丸めずに立ち上がります。あまり立ち上がりがよいと急峻な印象を受け、過度に丸めると印象が甘くなりすぎるのですが、ER4SRはややセンシティブといったところ。 鳴り方に慣れるまで独特に感じられるのは、音場と定位感でしょうか。自分の脳幹を中心に、頭蓋の内面に投影するような感じで音が広がります。つまり音場は広くないものの、その中で一音一音の遠近感や定位感が良く、狭さを感じにくいのが印象的です。 装着と遮音性(個人の感想です)まず装着について。良いと思える聴こえ方をする深さ・角度にイヤホンを装着していくのですが、毎回同じ状態にもっていくのが難しく、フォームタイプの耳栓を装着する時のように、耳を後ろから引っ張りながらイヤホンを挿入していき、曲を再生しながら好みの聴感になる角度、深さに微調整する、という流れです。トリプルフランジ(3段キノコ)の遮音性は高いのですが、実際は他社製のフォームタイプを基準としたIEMと比べると、やや劣る程度ではないでしょうか。ER4SRは筐体そのものが小さいため、耳の穴に近い耳甲介腔が覆われないのが原因かもしれません。フランジも1つ1つの厚みは厚くないですね。 ER4シリーズは一定の評価を保ちつつも玄人向けのような印象があったのですが・・・ ・・・購入してみて確かにその通りだなと思いました(笑) 付属品が多いのは良いことながら、音質変更などを目的としない純粋な性能維持のためにフィルタ交換を想定している点は他社とは一線を画しています。 しかしその音は没入感を秘めており、装着感とメンテナンスにさえ慣れてしまえばETYMOTICなオーディオライフを長く楽しめそうです。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.09.30 03:51:16
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