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今日は時間外救急担当の日なのですが、たまに定期的に診ている患者さんがやってきたりすることもあります。
今日の客人は中国の方。昨年11月に中国山東省青島からやってきたそうで、現在は農業の技術習得のために近くの試験場で研修されているそうです。彼は今年の2月頃から不眠・耳鳴を訴え始め、先月半ばに初診でやってきました。片言の日本語でしゃべってはくれるのですが訴えが訴えだけに、なかなか理解しがたいものがあります。英語なら何とかこちらも歩み寄れるのですが、さすがに中国語は理解できず・・・。漢字を使った筆記も意味が分かるものや分からないものなど様々で苦労しています。 症状や身体所見などから考えると、軽度のうつ病のような印象でした。うつ病という言葉が分からず、『鬱』と書いてはみたものの「そんな漢字は中国にはない」といわれ、『depression』と英語で書いてみると「英語は大学で習ったきりでほとんど分からない」といわれてしまい、なんとか片言の日本語を駆使しながら双方を理解させてきました。僕は彼のいうことがだいたい分かるのですが、彼はこちらのいうことがあまり理解できないようです。病状や薬などの説明をしないといけないのですが、さすがに初歩的な語彙レベルでは説明できずじまいです。とりあえずSSRIと呼ばれる抗鬱薬と、軽い目の睡眠薬を処方し、様子を見てもらうことにしました。 今日、彼が再来し「SSRIは効いているようだが不眠は変わらない(といっているようです)」となったので、今日は睡眠導入剤メインの処方に変更してみました。確かに前回の時に比べると笑顔も見られ、全体的には改善しているような印象です。酸棗仁湯などの漢方を処方しようかとも思ったのですが本場中国の方にエキス製剤の漢方はちょっと失礼かな・・・と思いました(笑) また2週間ぐらいしたら彼がやってくると思うのですが、今度はどうなることやら・・・。草なぎ君がノ・ムヒョン大統領と通訳なしで会談するようですが、グローバル化が進む現在、コミュニケーションについて改めて考えさせられた一件でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2003.06.05 10:31:58
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