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最近、あちこちのブログで取り上げられることが多くなった「当面の医師確保対策(案)について」だが、卒業を前倒しにするだの、医学部の定員を増やすだの様々な議論が交わされている。また、かのmedtoolz先生はこうした意見の是非はともかく、「どれだけ大きな反響を作ったか」が重要であり、昨今の情報発信技術の進歩に言及されている。
さてさて、ここからは僕の独り言。 医者の数が多いか少ないか、そんなことは現場の人間にはわからないのが本音だ。確かに「もう少し医者がたくさんいればなぁ…」と思う場面は少なくない。しかし、毎年同じ程度の医籍登録者があり、引退する年限も決まっていない訳だから現状では決して医師数が減っているというわけではないだろう。厚生労働省でもこうした議論は当然のことながら尽くされているのだが、あくまでも切り口は狭く、本質にはたどり着けていない。 統計的にみれば医師数は決して少なくないらしい。しかし、現場の感覚はとても医師数が多いとは思えない。このギャップはやはり仕事の内容が加味されていないことから生じているものだと思われる。 楽な仕事であれば働く医師数はそれほど必要ないだろう。逆に厳しい仕事であれば今以上に医師数が必要となる。昨今医師不足が叫ばれている背景の一つにはこうした必要以上の激務があるのではないだろうか。医師数を増やすべきなのか、それとも仕事の負担を軽減すべきなのか、いずれにせよ今すぐに解決できる問題とはとても思えない。 しかし一言いわせてもらうならば、医師数が不足しているから負担が増えた、ではなく「負担が増えたから医師数が不足した」という感が強い。特に小~中規模で展開する地方の公立病院などはろくなバックアップもないままに負担だけが増え、結果として医師数が減っていくという悪循環に陥っているように思える。救急の現場ではさらにそういった思いが強い。健康への関心が高くなり、テレビやインターネットで容易に種々雑多の情報を入手できる今、病院という場所は特殊なものではなく、いつでも気軽に出かけられる場所となった。 さらに、異常とも思える医師への訴追なども一因としてあるのかもしれない。 しかし、その結果必要のない受診者が増えたり、逆に必要な患者さんが受診できなかったりと弊害も起こっていることは事実だろう。「患者さんは素人」だからこちらとしても強くは言えない。でもちょっとした発熱や感冒症状だけで中規模以上の病院を受診しなければならない理由はない。 せっかくこれほどまでに情報発信技術が進歩しているのなら、受診について改めて考えさせる情報がもっとあふれてもいいと思うのだ。 単に数が多い・少ないといった算数的な議論ではなく、その背景にいったい何があるのかをちょっと立ち止まって考えるだけでもずいぶん変わるのではないかと思う。もし不必要な受診のために現場の医療者たちが悲鳴を上げているのなら、負担軽減だけで名実ともに医師数は充足することになると思うのだが…どうだろう? http://ranking-blog.net/dr/rl_out.cgi?id=dr011&url=http://ranking-blog.net/dr/html/index.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Lynne Twistという人の「世界を悪くする神話」というものがあります。
我々が信じている世界には神話、確証も無いのにみんなが言うからそう思わされていることがたくさんあって、toxic myths とは、確証も無くてしかもそれを信じることで自分たちが毒されてしまうような神話、そういうものだそうです。 具体的には次の3つ。 * 何事も充分ではない (there is not enough) * なるべく多い方がいい (more is better) * それはそうであって変えることはできない (that’s just the way it is) ただの神話なら忘れればいいのですが、なかなか難しいです。 (2006.05.18 13:56:46)
こんにちは。
卒業前倒しみたいな記事を読んでびっくりというかなんというか・・・患者さんがこんな医者にみてほしいと思うのでしょうか?患者さんのことは全く考えてないのでしょうね。 今日も他科の先生ともっと診療以外の時間を減らせないかと、頭を悩ませていたところでした。 こういう話が出たこと自体、悲しくなりました。 (2006.05.19 00:54:29)
いっそのこと単位が揃えば5年で医師になられてもいいんじゃないかなあ、と思います。日本にその制度はありませんが。私は医学部ではありませんので、実現可能かどうかはわかりませんが、自分の学生時代を思い返すと修業年限の4年は長すぎました。必要な単位の殆どは3回生の前半で揃いましたし、必修とされる「一般教養」には自分には不要な物もありましたし、
ただ、先生達のブログなんかを拝見していると、 相当お忙しいみたいなので、貴重な学生生活(学生の時くらいしか、遊べないような印象をうけまので、五年で医師になった先生は後悔したりしないかな、と思います。診療科にもよるかもしれませんが…… 五年で卒業だから国家試験も易しくなるわけげはないでしょうし、6年分を5年で勉強することになるから、運用されたら、意外と五年で医師になった先生=優秀と解釈される可能性があると思いますが、如何でしょうか。 (2006.05.20 10:41:14)
始めまして。子供が医者を志しているものですから、ちょっとこの問題には以前から気になっていた事の一つです。私はその弊害を受けた一人なんです。時間外だった・・担当の先生がいなかったということもあったのか系列病院へまわされました。信頼していたのに大きい病院なのになぜ・・たったこれだけの先生しかいないの?考えようによっては親切だったと考えるべきなのか。これもやはり医師不足?田舎に住んでる両親が言ってました。数年で先生が変わられたらせっかくいい先生だったのにまた先生が変わるそして・・科がなくなる。どうしよう?専門の病院へは遠くて通うのが大変。残ってる科も一人ずつしかいないんです。足りてなんかいるはずがない絶対不足です。なんとかならないのでしょうか?
(2006.05.28 09:59:15)
よりよい病院造りを目指して色々なものを導入します。病院機能評価受審などもその一つ。医療事故対策委員会・院内倫理審査委員会・感染対策委員会・・・必要なものは設置せねばなるまい・・・でも、関わる人間は皆一緒。。私は看護職ですが、それでも、個人の頑張りに乗っかっている病院経営というか、厚生労働省の施策を考えないと、疲弊する人は増えるばかりかと思います。
利用者一人ひとりが自分の健康と受療行動に責任を持つことも大切だとも思います。 (2006.05.28 21:40:07)
確かに人口当たりにすれば、日本の医者の数は先進国の中で普通くらいですが、ベット数当たりにしたらダントツで少ないんですが。
違いましたっけ。 ベッド数=患者の数なので、医者が足りているって議論にはならないはずなんですけどねー。 都合の良いように解釈してるだけなんじゃないですかね。 (2006.07.01 02:02:05)
戦前に官僚の考えたこととまったく同じです。
医者の数はとても足りていません。医師過剰を声高に謳った連中に、愚かな日本国民が騙された、と気づくのは焼け野原になってからでしょう。太平洋戦争と同じ構図です。 http://blog.livedoor.jp/ikarusuyo/archives/50436868.html (2006.07.13 15:12:00)
今は確かに医師不足です。でも、将来医師が過剰になる時代が来る予測が出来ています(その予測も当てになりませんが)。今から医学生を増やすのは得策ではありませんし、本当に過剰になってしまうおそれがあります。
問題なのは現時点で不足していることでなく、厚労省やマスコミがこぞって「医師過剰」とウソの宣伝をしてきたこと、それによる医師と患者へのしわ寄せが一番の問題です。 未だに医師が余っていると信じている芸能人さえ多数います(しかもお茶の間で言ってました)。 大切なのは何をするか考えることなのですが、国はそれをやってきませんでした。そして医療現場に責任転嫁しました。我々が言ってもなしのつぶてでした。マスコミと行政に事実を伏せられました。 これからはインターネットの時代で我々の意見が世間の目にも触れるようになります。期待したいですね。 (2006.07.20 17:04:47)
私の父も風邪は病気のうちに入らないといいます。(父は医者です)やっぱり、父のいうとおりなのかな?、、、なんて思ったり。
(2008.11.18 06:31:04)
私の父も風邪は病気のうちに入らないといいます。(父は医者です)やっぱり、父のいうとおりなのかな?、、、なんて思ったり。
(2008.11.18 06:31:57)
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