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ある内科医の独り言

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2003.07.18
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一口にお医者さんと言ってもいろんなお医者さんがいます。極論で言えば『お医者さんも人間』ですが、多くの場合は内科や外科、産婦人科など主に科目別で呼び分けることが多いように思います。医師というのはスペシャリティーの集合体ですので、こういう分け方をするのも仕方ないのかも知れません。最近は科目別ではなく、臓器別やプライマリーケアメインなど呼び分け方も変わりつつあるようですが、おそらく当分はこのまま従来の呼称を使い続けることでしょう・・・。

さて、今日は『外科医』に関して一言。先日ゲストブックに『ころん』さんから『私の好きな人は外科医なのですが、全然連絡が取れません。昼間のメールは比較的返事をくれるのですが、夜ともなると飲みに行っているらしく(他の先生に聞いた)全く捕まりません。仕事ももちろん忙しいようですが、外科医ってそういうものなのでしょうか?』というメッセージをいただきました。ははぁん、彼氏や(数は少ないでしょうが)彼女が外科医、と。外科の先生も先ほどと同じようにいろんなジャンルに分かれていますよね。たとえば消化器外科とか呼吸器外科、心臓外科など・・・。いずれにせよ(言い方は悪いのですが)人の体を切ったり張ったりすることには変わりありません。とりあえずジャンルを指定しない一般の外科の先生について愚見と私情を交えた感想をば。

外科といえばやはり数あるお医者さんの中でも花形だろうと思います。『ダイナミック』であり、成果がすぐに現れるといった点では内科の比ではありません。最近は内視鏡下での手術など内科と外科の境界が曖昧な部分もありますが、端的に言えば『手術室で手術をする』のは外科の先生、ということになるでしょうか。

手術室の中に消えていく患者さんを不安そうに見送る家族・・・そして冷たく閉ざされる手術室の扉。扉上方に『手術中』という赤いランプが点灯し、今か今かと待ち続ける家族達・・・。しばらくしてランプが消えるとなぜか手術着をそのまま着たドクターが血まみれで出てきて『手術は成功しました』・・・『ありがとうございました!』とすり寄る家族・・・絵になりますよねぇ(笑) 

実際にはこんなシーンはなくてもやはり手術手技・成果に全精力を傾けるのが外科医の心情であり必定です。そのためにはまず解剖学を頭にたたき込まないといけません。切開した後で『あれ?これ血管かなぁ・・』といっていたら怖いですよね(笑)そのためには日頃から念入りな勉強が必要になります。そして手術中はもちろん最高の集中力を持続させねばなりません。糸の縫いつけなどは他のもので代用できても切ったり張ったりは手術中にしかできないので、覚えるのも手術中です。そして切除した組織についても考察を加えねばなりません。単に切ったらいい、のではなくその後も大事になるのです。これも病理学の知識が必要になるので勉強です。そして術後の患者さんの全身管理も必要です。循環や呼吸は大丈夫か、感染症などを併発していないか、腎機能や肝機能は十分に維持できているか・・・こうなると内科的疾患に対しても必要かつ十分な知識を持たないといけません。またもや勉強です。そして元気になった患者さんが退院します。すると外来でフォローになりますが、必要な検査や所見をとりつつ患者さんの訴えを傾聴し、最善と判断される治療を行います。こちらも幅広い知識がないといけません。さらには珍しい疾患や学術的に貴重な疾患などであれば学会発表が待っています。プレゼンの準備をし、論文を書き、あちこちの先生方に批判されながらよりよい発表を行おうと努力し、医学の発展のために尽力します・・・。

これだけをみてもいかに外科の先生が多忙かおわかりいただけるでしょうか?仕事がいったんオフになろうものなら繁華街でお酒をしこたま飲んで暴走するのも致し方ありません。激しい緊張感の中に身を置く以上、どこかで息抜きをしないと次の仕事ができないようになっているのです、たぶん(笑)
ですから「ころん」さんのなかなか会えない・・という愚痴は致し方ない(はず)です。まぁ、外科医の先生は『飲む・買う・打つ』ことが多いようですが(^^;; 他の女性と遊んでいたり博打に励んでいたりしているかも知れません。このあたりは最終的にお二人でじっくり話し合われるのが良かろうかと(^^) これを読んで気分を害された外科の先生方、ごめんなさいm(__)m 

卑小な内科医、どくちるでした。








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最終更新日  2003.07.18 15:37:12
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