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ある内科医の独り言

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2003.10.07
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「医療ミス」や「医療過誤」などが新聞をにぎわせている今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

こうした医療過誤などと呼ばれる事件は、「タネ」なども含めればそれこそ山のように存在します。僕の周りでも、あるいは僕自身にもこうしたタネはいっぱいありました。うちの病院で訴訟にならずに済んだ事件や訴訟になってしまった事件などは忘れようがありません。

医療というきわめて特殊な行為に「完璧」を求めることは無理と分かっていても「最善」は尽くさねばなりません。怠慢の中で生まれた事故は当然訴追されるべきだと思いますし、事件の解明に全力を挙げねばなりません。しかし、なかには最善を尽くしたのに不幸な結果に終わってしまう案件が数多く存在します。このとき、本人と家族そして医療側との信頼関係が重要な意味をなします。信頼するということは非常に大事です。信頼は目に見えないし科学的根拠など何もありません。しかし、信頼があるからこそ、我々はそれに応え最善を尽くします。逆に言えば信頼されていない患者さんには最善を尽くせません。

昨今の医療はついつい「血液検査」や「画像検査」など目に見える指標に頼りがちです。病気という外側からは分かりにくいものを客観的に示し、科学的体系としてなし得るためにはどうしても必要なものではありますが、これが全てではないのです。しかし、客観的指標がなければマスコミも報道することができません。「CT画像を見落とし」や「血液検査を見落とし」などは客観的なものに基づいてしか書けないのですから・・・。しかしそこには決して報道されない見えざる医師の姿勢や患者さんとの関係があるのです。もしかしたらとても熱心で献身的な先生だったかも知れません。最善を尽くしに尽くしてくれていた先生かも知れません。夜中の3時や4時に眠い目をこすりながらでも病棟に回診に来てくれていた先生なのかも知れません。でも、いくら医療サイドが必死になってやっていても、こうした(数は少ないのかも知れませんが)心ないマスコミの報道に僕たちは傷つき、モチベーションを下げ、廃退的感情を養っていってしまうのです。

ミスは誰にでも起こりえます。僕たちは神様でも何でもありません。でも、そのミスを少しでも減らすことができるよう努力しています(いるはずです)。同じ轍は二度と踏まないように医療サイド・患者サイド共に努力しお互いを認め合い、信頼できるような関係を築いていくべきなのだと思います。





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最終更新日  2003.10.07 10:39:55
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