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我が家の最寄のバス停は約1キロ弱離れたところにある。しかも普通の県営とか市営のバスとはちょっと違う。『福祉バス』といわれるバスで、主に高齢者を中心に村内の役場や病院や商店街のところで停車し、用を足して帰ってこられるバスである。
役場で乗り換えすれば村営温泉にも行ける。利用料は1回乗車につき大人200円。ただし1日1往復で週に2回の運行だ。微妙に不便といえば不便だけど、他に交通手段のないお年寄りには大助かりだろう。 家族が仕事で病院に乗せていけなかったりしても、いつもの診察とお薬をもらうくらいならば、自分でバスに乗って行くこともできる。今日は温泉でゆっくりしたいなと思えば、半日ゆっくりお湯につかって、ごはんを食べて、休んで・・・ということもできる。 こんな便利な村民の足だけど、村のお金がなくなってくると真っ先に廃止の矛先が向く。利用者が少ないからとかガソリン代がとか、いろいろ理屈がくっついて「なくしても大丈夫ですよね」というふうな方向にもっていかれそうになる。 だけどその一握りの人達には、本当になくなっては困る『足』なのだ。頼れる家族も近くにいなかったりするとほんとに頼みのつなだし、また家族がいたとしても、気兼ねなく自分で用を足したり、保養したりしたいお年寄りもいるだろう。 けずるなら、よく考えればもっと無駄なところはあるんだから。 そんな高齢者に優しくなくなりがちな世の中で、今朝ちょっといい話を聞いた。 北海道の赤平市にできたコープさっぽろのことだ。赤平市はかつて炭鉱の町として栄えていたが、炭鉱の閉山によって人口が激減し、今や第二の夕張といわれている。人もいなくなり、産業も下火になったため、市の赤字は増え、寂れていく一方だった。 そんな赤平の市街地、閉校になった学校の跡地にコープができた。車で来られない人たちの足となるような買い物送迎バスを日に何往復か出していて、しかも高齢者にも優しいノン・ステップバス。 隣には病院もあるため、病院に来た帰りに買い物して帰るお年寄りも多いという。 こう書いてくると、単なる立地も良くて成功した出店例みたいだけど、実際に出店するまでにはかなりの反対もあり、本当に採算がとれるのかという声もあったらしい。 だけど、売る側が利益とともに、使う人達のことを考え、できうる工夫をすることによって、結果的に良い方向に向かったのだろう。本当の意味での成果が見えてくるのはこれからもっと先だと思うけど、企業や行政がこんな感じで利用する人たちのことを考えて知恵を出し合えば、もっともっと暮らしやすい、人に優しい世の中になるんじゃないかな・・・と思う。 当地区のお年寄りの方々も、頼りにしてる人は多いので、多少経費がかさんでも「本当に無駄なところ」を見直すなり知恵を絞って、工夫して、暮らしやすい土地柄であってほしいな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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