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2006年06月29日
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カテゴリ:読書感想
時代物の良さは、ずばり「かっこよさ」でしょう!


幕末激動の時代。数奇な出会いが、歴史をつくる


「会津斬鉄風」。とにかくもう、ひたすらかっこよかったです。登場人物も、彼らを取り巻く情勢も、なにかもが非常に読み応えがありました。すごいよ、森雅裕!かっこいいよ、森雅裕!
舞台の始まりは、幕末、火中の栗を拾う羽目になった会津。そして、最後は松前へ。
動乱の世の中、一人の職人が己の作った鍔を手に取る。

彼と一人の刀鍛冶との出会いから始まる物語。

鎖のように連なる物語。


連作短編集でして、主人公の設定が興味深いです。よくあるパターンっちゃパターンなんですが、
脇役にすぎなかった登場人物が次の物語では主役となる、そうして物語は、歴史は綴られていきます。
時代に翻弄されながらもストイックな生き方を貫く登場人物達。彼らの息遣いがリアルに感じられる、そんな骨太な印象の本でした。

では、短編ごとの感想です。

「会津斬鉄風」
河野春明という刀装金具の名匠の職人としてのプライドが静かな感動を呼びおこします。職人として生きるためには、技術力だけではなく、権謀術数も必要だということ。一職人として生き抜くための処世術と言い切っていいものか。ストイックな生き方はかっこいい。

「妖刀愁訴」
前作で河野春明と出会った会津の刀鍛冶、古川友弥の物語。十一代和泉守兼定って単語だけで燃える!和泉守兼定っつったら土方じゃん!鬼副長じゃん!(←うわあ、ミーハ―)
そんなたわ言はさておき、舞台は薩摩藩士との緊張が高まる京都へ。兼定の刀は呪われているという噂の中、人が斬られる事件が起こる。
家名や秩序は時代とともに変われど、会津と言う故郷の美しさと平和は守る価値がある。
その想いが、会津を激動の運命へと突き動かしたんでしょうか。

「風色流光」
前作で友弥に兼定の刀にまつわる事件を任された佐川官兵衛が主役の物語。
自分の名を語る仇敵を追い詰める過程で、竜馬暗殺についての真相が判明する。
成る程、これもありだろうと思わされる真相でした。会津武士の愚直さが物悲しくもありますが、同時に憧れずにはいられない。

「開戦前夜」
前作で佐川官兵衛に包丁で斬りかかった吉が主役の物語。
舞台は伏見へ。そこで出会うのは真選組副長の土方歳三。
京都では鬼か蛇蝎のように忌み嫌われていた土方は、吉の目には女性的な物悲しさを纏ってるように見えた。
戦の勝敗ではなく、戦そのものが自滅へとたどる道にしか見えない。吉の視点で語られる物語に感じたのは、開戦前の静かな緊張感でした。

「北の秘宝」
時代は明治へ。舞台は松前へ。前作で吉が出会った土方歳三が主役の物語。
何が彼をそこまで突き動かすのか。
自分自身がどこまで到達できるか、それだけを胸に最後まで戦い続けようとする土方の生き様に心を打たれる以外の何があるというのだろうか。

そうして、昭和46年の夏をもって、物語は閉じらました。



簡素で明快な文章が、物語を引き立ててます。そして、登場人物が、彼らの信念が、想いが、かっこいい!の一言につきます。もうそれ以上何も言えません。
これだから、時代ものを読むのを止められないんだよ!!☆(≧▽≦)☆
しかもですね、最後にひょろっと出てくるだけの癖して、くっそう、なんで土方は誰が書いてもかっこいいんだ!と唸らされるばかりでございました。

ところで、土方は享年35です。高校時代「燃えよ剣」を読んでた頃、35歳は立派な壮年だと思ってました。でも、自分がだんだんその年齢に近づいてきた今思うのは、たった30数年という短い時間で、どうしてあんなに密度の濃い一生を送ることができたのかということ。
それは別に土方に限ったことじゃないですが、単に動乱の世の中だったからというだけじゃ説明しきれないと思ってみたり。
時代小説を読むと、日々流されるままの自分に気付かされて落ち込みそうにもなりますが(笑)、でも、彼らの生き様、「かっこよさ」は癖になるんですよねえ。

司馬遼太郎は「燃えよ剣」を執筆する際、かつて沖田総司に遊んでもらったことがあるという老婆に話を聞きに行ったそうです。燃えよ剣は1962年から連載されてますが、取材当時(1960年以前?)では、新撰組を実際に目にしたことがある人がまだいたわけです。
真選組をはじめとする幕末の人物達は、ついつい実在の人物ではなく物語上のキャラクターのように考えてる自分がいたりするんですが、歴史は途切れることなく、今に続いてるんですよね。
改めて考えると、歴史って色々深いなあ、と思います。

月1くらいで古本屋に行くんですが、森さんのベートーヴェンシリーズ(感想はこちら)が大好きで、森さんの本ってだけで深く考えもせずゲットしただけなんですが、こうゆう幸運な出会いがあるから、本やめぐりはやめられまへん。
森さんのほかの本もすごい読みたいけど、絶版だらけなんですよねえ………
くっそう、泣いちゃおっかな。

   
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最終更新日  2006年06月29日 21時47分20秒
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