聖なる怒り
川崎チネチッタで『メタリカ・真実の瞬間』を観た。ロックバンド・メタリカの、ベーシストの脱退から、アルバム『st.anger』が完成するまでを追ったドキュメンタリー。死ぬ気で何かをやる、というのがどういうことなのか、最近ずっと考えてた。この映画を観て、なんとなくわかった気がした。何かを考え続けていると、その答えに導いてくれるような何かに自然と出会うから、不思議だ。メタリカというバンドは、死ぬ気で音楽をやっているバンドだった。映画の最後に、プロモーションの撮影のために向かった刑務所で、ボーカルのジェームズ・ヘットフィールドが、囚人たちに向かって話をするシーンがある。「世の中では、怒りが間違った方向に向けられることが多い。お前たちもそうだ。俺も、もし音楽がなかったら、ここへ来ていたか、ここに来る前に死んでいただろう。俺は生きていたい。」『st.anger』の一曲目『frantic』では、こんな風に歌ってた。“生きるか、ウソつくか”死ぬ気でやる、ということは、すべてをかけて生きることかもしれない。もし神様がいるならば、聖なる怒りとは、神様の感情だ。迷いなく、まっすぐな怒り。圧倒的な、うつくしい怒り。メタリカの音楽は、そういう圧倒的なまっすぐさでできてた。いいものを観た。