【第一章】
商人ドワコは町の掲示板に書き込みをして商売をしていました。
今日の商品は「マジェ靴　２２．５Ｍ」。
しばらくすると、とある冒険者からｗｉｓがきました。

冒険者「マジェ靴売ってほしいのですが、予算が２１．５Ｍしかないのですが、ダメですか？」

と、いきなり１Ｍ引きで交渉してきました。
予算がギリギリで安く買いたいという人はよくいます。
でも売れなければ自分で使おうと思っていたドワコは断りの返事をしました。

ドワコ「ごめんなさい、これで売れなければ自分で使おうと思っているので。」

すると冒険者から返事が。

冒険者「２２Ｍでもだめですか？」

・・・・・？
予算２１．５Ｍしかないって言ってなかったっけ？？

冒険者「お金借りられそうなのですが」

あぁ、なるほど。お金を借りてこようとしているのですね。
でも、とくに急いで売る理由もなく、今は少しでも多くお金が欲しい時期。
やっぱり断りの返事をすることにしました。

ドワコ「ごめんなさい、急いで売ろうと思ってないので。」

冒険者「そうですかー。わかりました。失礼しました。」

高価なアイテムだから売ってもよかったかもしれないけど
５００ｋという金額は結構大きいものです。
Ｃ４の新ペットが１匹買える値段だし。
ここは気長に商売してみようと思ったドワコでした。


【第二章】
買取露店をしながら友達と談笑しているドワコに、またｗｉｓが飛んできました。
そのｗｉｓの送り主は、先ほどやり取りをした冒険者でした。

冒険者「すいませーん、２２．５Ｍ用意できたんですが、売ってもらえますか？」

？！
なんと今度は２２．５Ｍ出すと言ってきました。
友人にお願いして１Ｍ借りてきたのでしょう。
提示額だからもちろん了解。我慢してよかった。

ドワコ「もちろんＯＫですよー。ありがとうございます。」

冒険者「では、レース場いきます」

というわけでレース場で取引をすることになりました。
早速移動して取引開始です。

トレードする内容を確認すると、
ドワコの提示：封印されたマジェスティックブーツ
冒険者の提示：２５．５Ｍ

・・・・・・・・金額間違ってます。
というか、２１．５Ｍしかお金ないんじゃなかったでしたっけ？？？
お金借りてまで用意するといってませんでしたっけ？
というツッコミをいれたい衝動を抑え、冷静に対処するドワコ。

ドワコ「提示額間違ってますよ？２５．５Ｍってなってますが。」

冒険者「あれ、すいません。あぶなかったｗ　販売露店でお願いします」

というわけで、今度はこちらから販売露店をだして無事に取引が成立しました。

冒険者「ありがとうございました！」

ドワコ「ありがとうございます、またよろしくです＾＾」

色々おかしなところもあったけど、
とりあえず品物が売れたので満足なドワコでした。
商売は忍耐も必要ですね。


【第三章】
今日は変なお客がいたよーと談笑しているドワコ。
そこにまたｗｉｓが飛んできました。
なんとまたさっきの冒険者からでした。

冒険者「マジェ重セットがセット販売されてるー！」

・・・・・なんとなく嫌な予感がします。

冒険者「すいませんが、１００ｋ上乗せで返却だめでしょうか？」

やっぱりそうきますか・・・＾＾；
相当装備をそろえたいのでしょう。
いい装備が欲しい気持ちは良く分かります。
というか、あなたお金いくらもってるんですか？
というツッコミをいれたい衝動を抑え、冷静に対処するドワコ。

ドワコ「わかりました、いいですよ。」

冒険者「ありがとうございます！」

同じ町にいたことが分かったので、今回はレース場に行かずに取引。
上乗せ分の１００ｋを頂き、返却ということになりました。

冒険者「ありがとうございました！色々お手数かけてすいません。」

ドワコ「いえいえ＾＾」

冒険者「また機会があったらよろしくです！」

ドワコ「はい」

こんな感じで、結局商品は返却という形になりました。
最初の価格交渉で予算を言い訳にしたことをまったく気にしてませんでした。
お金を借りるということまで言って、こちらの同情を引こうとしたことも。
でもまあ商売というのはそういうものですよね。
少しでも安く買いたいし、少しでも高く売りたい。
みんな色んな手段を考えてくるわけですね。
でも、今回のお客さんは、開き直りすぎだと思いました。
客を見抜く目を磨こうと思ったドワコでした。


【エピローグ】
今回の商売はうまくいきそうだったのになぁと思いながら、
ゴダードでぼ～っとしていたドワコ。
なんとまたさっきの冒険者からｗｉｓが飛んできました。

冒険者「おかげさまで、かっこよくなれました！」

彼は買ったばかりのマジェ重セットを着て、目の前に立っていました。
真っ白な鎧を身にまとった冒険者。
ほらほら、見てみて。と言わんばかりに、周りを歩いています。

・・・・・・・・・・・・・ダサい。
ヒューマンメイジの重装備って何でこうもダサいのでしょう・・・
欲しいものが買えてウキウキしている冒険者を見て、
めっちゃダサいですね。
というツッコミをいれたい衝動を抑え、冷静に対処するドワコ。

ドワコ「おめ＾＾」

これが精一杯の返事でした。
まさか最後に見せびらかしにくるというオチがまってるとは・・・
まあ１人の冒険者がマジェ重セットをそろえるという目標を達成できたのだからいいか。
温かい目で見守ろう。
と自分に言い聞かせ、
バカヤローーーーーー叫びたい衝動を抑えながら眠りについたドワコでした。


・・・終わり。