カテゴリ:レビュー(書籍)
甲子園で優勝経験のある名投手が故障後の復帰のため 魔球を作ろうとしていたが、徴兵によって「回天」に乗る事となった。
戦争と真正面から取り組んだ作品。哀しく切ない部分がよく描かれている。が、何か足りないように感じました。その何かは自分でも明確でないのですが、特攻へ行く者の葛藤がもっとすさまじいものだったのではないかとか、洗脳されるのが普通の人間である事が書ききれていない点や、戦地へ送り出す側の苦しみに焦点が当たっていない事などかもしれませんし、逆に戦争の苦しみをお手軽に感じさせてしまう点が不服だったのかもしれません。 読後にはすぐに クリュイタンスとアンセルメのボレロを聞いてしまいました。 おすすめする方 :魔球を作ろうとしていない方 おすすめしない方:ラヴェルのボレロを知らない方 5段階評価:★★★★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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魚雷の中のシーンは、息苦しさを感じるほどに圧倒された覚えがあります。後半に行くにしたがって『出口のない海』というタイトルが胸に迫ってくる感じがありました。
恥ずかしながら私は、『特攻』=飛行機による「神風特攻隊」という知識しかなかったんです。 この作品を読んではじめて、人間魚雷「回天」の存在を知り「こういう特攻もあったんだ・・・」とかなり衝撃を受けました。 この作品をきっかけに自分なりに色々と調べてみて、『特攻』と呼ばれるものには様々な手段のものがあったということを知りました。 (2008/07/31 10:34:49 AM)
とむにゃ6612さん
自分は閉所恐怖症なので魚雷の中を想像したくなかったです。(汗) 特攻直前の多くの人は、なんらかの理由を自分の胸に刻んで出陣した事だと思います。恐らく自分もその時代に生きていれば、死ぬ理由を何か見つけた事でしょう。特別な時代ではありましたが そこにいた人は我々となんら変わらない人達です・・・その悲しみを、死にいくことに結びつける喜びを、そこに消えた多くの夢を、今の我々の幸せを、今生きている自分達はよくかみ締めるべきだと思いました。 (2008/07/31 10:26:06 PM)
本当になみへいさんのおっしゃる通りだと思います。
戦争があったという事実、当時の人達の様々な思いをしっかりと受けとめ、自分の子供の世代にも伝えていかなければと思っています。 でも、まだまだ自分自身の知識が覚束なくて・・・(汗) こういった作品から、戦争に関する知識を身につけるいいきっかけをもらっています。 (2008/08/01 12:13:57 AM)
主人公並木の思想が現代的過ぎるんですよね。その分感情移入しやすくはありますが…。
華々しく散るのではなく、ああいう道を選ぶのには共感しました。 映画版は、私生活のキャラが並木と正反対すぎる人主演で感動できなそうもないので見ていません。 (2008/08/01 05:13:31 PM)
半落ちしか読んでいませんが、あれはよかったです。
そして、おすすめする方しない方、両方に該当してしまいました。 義父に聞いたところによると、特攻隊で突撃する前に カルピスを出されたそうです。 ご馳走ってことらしいんですが、薄めることが知られていなかったのか 原液で出されたとか。 (2008/08/01 10:13:12 PM)
とむにゃ6612さん
恐らく今の30代や40代でさえ 戦争なんて古代史のようなイメージのような気がします。でも例えば40歳の人なら、生まれる20年ちょっと前までこの国は戦争していたわけですよね。 たまたまかもしれませんが、最近 他人の命を粗末に考える事件が続いています。戦時中だからこそ得たもの、平和だから失っていくもの・・・色々ありそうですね。 (2008/08/02 02:15:55 AM)
やきまん十さん
確かに主人公の思想は我々が共感しやすく描かれていますね。 映画の配役って俳優さん自身の人柄よりも、やっぱり演じ方だと思えますので とりあえず観ると思います。自分は役者の演技に騙されやすいタイプかもしれません。(汗) (2008/08/02 02:21:13 AM)
mimyさん
>そして、おすすめする方しない方、両方に該当してしまいました。 ボレロは聞けば恐らく「あぁ この曲か」って思われますので 大丈夫ですよ。(笑) 原液のカルピス・・・いまとなっては苦笑するしかありませんが、当時は最高の贅沢だったのでしょうね。 (2008/08/02 02:25:16 AM) |