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嘔吐112.

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July 26, 2005
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カテゴリ:感情論理。

好きだと呟かれるたびに、この腕が痙攣するのを感じた。

少しだけの灯りと、掠れた声で歌うミュージシャン。
冷やされたその身体を包んだのは、ただの布切れ。

欲しいものはこんなものじゃあない。
身体を震わせて、声にならない声で言葉を吐いた。

こうして僕は何度だって泣くのだろう。
冷たい皮膚で、身体を震わせて。

少しだけ憂いを含んだ馴染みの声に、
僕は気付かれないように顔を歪ませた。

呟かれる度に、囁かれる度に、
君への罪悪感と背徳感と、自分の欲深さを感じながら。


受話器から聞こえる君の音声は、
いつもと変わらず甘かった、ただそれだけを憶えている。

狂った思考で。狂った欲深さで。狂った愛欲で。



伊咲夜。





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Last updated  July 26, 2005 08:02:49 PM
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