テーマ:感情論理。 -遺言-(240)
カテゴリ:感情論理。
好きだと呟かれるたびに、この腕が痙攣するのを感じた。 少しだけの灯りと、掠れた声で歌うミュージシャン。 冷やされたその身体を包んだのは、ただの布切れ。 欲しいものはこんなものじゃあない。 身体を震わせて、声にならない声で言葉を吐いた。 こうして僕は何度だって泣くのだろう。 冷たい皮膚で、身体を震わせて。 少しだけ憂いを含んだ馴染みの声に、 僕は気付かれないように顔を歪ませた。 呟かれる度に、囁かれる度に、 君への罪悪感と背徳感と、自分の欲深さを感じながら。 受話器から聞こえる君の音声は、 いつもと変わらず甘かった、ただそれだけを憶えている。 狂った思考で。狂った欲深さで。狂った愛欲で。 伊咲夜。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 26, 2005 08:02:49 PM
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