テーマ:感情論理。 -遺言-(240)
カテゴリ:感情論理。
大好きだよ、って言った瞬間。 愛してるよ、って思わず言いそうになってしまった。 僕等の中にそんな大層な想いがないというのは知っていた筈だった。 知っていたんじゃあない、きっと判らざるを得なかった。 君と年が変わってから歩み続けたこの9ヶ月間。 沢山の僕を知って、 沢山の僕を晒して、 沢山の君を知った。 あぁ、まるでSpider. 皮肉を込めて哂った僕の声が、 君に聞こえないことだって判ってた。 僕等はお腹の空いた蜘蛛の様だと。 この上なく貪欲で、残酷で、その上背徳者。 醜い僕等から生まれるのは、醜い感情ばかり。 他の誰かがこの想いを純粋だって言ったって もう伝わりはしないんだよ。 言葉を送る対象が醜いものなら、全ては醜く在るものだから。 愉しさも、哀しみも、怒りも。 冷たい壁に吐く言葉。 この感情を愛と呼ぶなら、これは愛と言える。 判っているんだよ、その重みくらい。 けど願わずにはいられないんだよ。 この感情が愛であればいい、って。 君へのこの感情が愛であればいい、って。 自己愛。 自分を護ることで必死な僕が、他人を偽りの中で愛する事実。 そんなくだらないモノが欲しかった。 嘘だって良かった、ぐるぐる廻るものを捻じ伏せて、 無理矢理にでも真実にすれば。 虚実でも、真実でも。 嗚呼、どうか今此処にあるという実証を。 ねぇ、僕は君のいない空間に向かって、 意味のない言葉ばかり繰り返しているよ。 愛してる、愛してる、愛してる。 伊咲夜 * 過去、彼に向けて書いたもの(晒していない別HP お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 6, 2005 01:49:54 PM
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