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このところの「爆発的」とも評すべき暑さ。ラニーニャやフェーン現象など今この時期、たまたま重なった自然現象の影響がもちろん大きいのだろうけれど、そのベースにジワジワ進行する全球規模の温暖化があることは疑いない。東京の猛暑日(日最高気温が35℃超)はこの20年ほどの間にほぼ倍加している。これから先、こうした気温40℃を越える地獄のような暑さの日は、年々増え続けることになるだろう。 この猛暑の中、16日には地球温暖化を巡って黙過できないニュースが報じられた。北極海の氷がIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の予想より40年も早く、消滅に向かっているというのだ。 これを明らかにしたのは日本の海洋研究開発機構と宇宙航空研究開発機構の合同チーム。一般には聞き慣れない団体かもしれないが、海洋研は日本の科学技術の粋であるスーパーコンピューター「地球シュミレーター」を擁し、地球の未来予測に関わる情報提供で世界最先端を担っている。一方、宇宙航空研は精度の高いマイクロ波放射計を開発してこれをNASAの観測衛星に搭載し、綿密に系統的にデータを収集している。その観測データを地球シュミレータにかけて得た結論が、恐るべき速度で進む北極の消滅だったというわけだ。 南極と北極の氷は地球の冷却装置で、地球の気温の安定に大きな役割を果たしている。が、特に北極の海氷は融け出せば早い。氷は太陽光を90%以上反射することでその周辺の気温上昇も防いでいるが、これが融け出せば黒い海面が剥き出しになり一転して太陽光のほとんどを吸収、こうして水温の上がった海水がさらに氷を溶かす悪循環が始まってしまうからだ。近い将来における北極海氷の消滅は、恐らく、もう避けられないだろう。 昨年、北極に棲むアザラシの子どもは、泳ぎが上達するまえに氷が消えて海に転落し、ほぼ100%が溺死したと伝えられた。今年もそうなる公算が強い。さらに来年もそれ以後も同様の状態が続けば、さすがに数を誇るアザラシも絶滅を免れないだろう。アザラシの絶滅は、それをエサとするホッキョクグマの絶滅に間違いなく連続する。これら極北の動物たちに、我々はなんという罪深い犯罪を働いてしまったのか。 こうした恐ろしい事態は、将来の子孫たちが目撃するかもしれない可能性などではなく、今、この瞬間を生きる人々自身が間違いなく体験する現実なのだ。地球温暖化とそれによる破局の始まりは、恐らく、10年のうちに目に見える現実となるだろう。だが、目に見えてからでは手遅れになる。実際のところ、間に合うかどうかは分からないが、今、腹を決めてやるしかないのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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