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“しょう”のブログ

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渡辺敦司@ Re[2]:教育評価と特別支援 「基礎知識+実践」を学ぶ(04/15) >「探究し考察することで対象への関心を…
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 緑と地球を愛する一市民です。大切な問題(自然環境や教育環境)について一緒に考えていきたいと思います。

1、自然環境については『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』(洋泉社)やアル・ゴア氏の『不都合な真実』に関するイギリスの高等法院の判決など、争点になりそうな問題を私なりに「勉強」してまとめています。

2、社会環境・教育環境について「子どもたちや教職員、そして生活者のすべてが元気になるような方向」を探っていきたいと考えています。
 ただ、「ワーキングプア問題」や「派遣社員の雇い止め」に象徴されるように大人社会が「生存権」さえまともに保障されていない中、「教育環境も深刻な崩壊の危機」にさらされているのではないかと危惧しています。

〔この危惧が現実のものであることはHHKスペシャル「しのびよる貧困 子どもを救えるか」
http://plaza.rakuten.co.jp/shchan3/diary/200910110000/ でも放映されました。〕

 
 一人ひとりが幸せに生活していけるような「社会環境」を目指しつつ、当面できることや実践的なことも含めて発信したいと思います。

 HP “しょう”のページはこちら  http://www.geocities.jp/shchan_3/
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2024.09.30
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カテゴリ:歴史

法の本質など、一人ひとりの具体的でかけがえのない生と決して切り離すことなく深く描いており、考えさせられる番組だった。主人公寅子はその時々において「法の本質」を語るが、鍵となる言葉は三つ。最初の二つの内容は(録画していないため)記憶に頼って書いておく。 

①「水源」(共亜事件判決後の寅子の発言)

法は「水源」のようなもの。特定の色に染められることなく、汚されず清らかさが保たれれば社会も個人も健全に守られる。 

②「人権」(戦後における寅子の発言)

法は人々の基本的な権利を守るためのものであり、新憲法のもと、すべての人が平等に保護されるよりどころとなるもの。

③「船」(最終週における発言)

人の尊厳や権利を運ぶ船のようなもの。時に操作を間違えたり誰かを沈めることもあるが、漕ぎ手は船を修繕したり改造したりしながら進む。様々な人、すべての人たちが快適に過ごせるためには不断の努力が法をつかさどるものにとっては必要(末尾註)。

 さて、前記事で私は「司法の独立」という民主主義の重要な原則において、明らかに日本が韓国に後れているという事実を指摘した。だが、「虎に翼」をとおして上記③に関連する事実=法をつかさどるものが「司法の独立」や「人権保障」に奮闘した事実にも目を向ける必要があると感じることはできた。番組で示されただけでも以下のものがある。

・共亜事件(モデルは帝人事件)・・・検察の横暴で起訴された帝人社長ら全員に対して(事件そのものが存在しなかったとして)無罪判決がくだされた。

原爆裁判

「賠償を受ける権利を明確にできない」など不十分な面を含みながらも、被爆者救済の道が開かれるきっかけとなった。

・四大公害訴訟

例えば新潟水俣病​​​​1971年の判決。「原因物質・汚染径路について様々の情況証拠により、関係諸科学との関連においても矛盾なく説明でき、汚染源の追求が被告企業の門前に達した時には、被告企業が汚染源でないことの証明をしない限り、原因物質を排出したことが事実上推認され、その結果工場排水の放出と本疾病の発生とは、法的因果関係が存在するものと判断すべきである」とされた。

 ドラマでは、最高裁長官(桂場)による新たな法解釈として描かれた。

尊属殺重罰規定の違憲判決をもたらした「弁護による陳述

「人倫の大本、人類普遍の道徳原理」に違反したのは一体誰なのか。本件において被告人はその犠牲者であり、被害者こそこの道徳原理をふみにじっていることは一点の疑いもない(・・・)。

被害者の如き父親をも刑法第200条は尊属として保護しているのでありましょうか。かかる畜生にも等しい父親であっても、その子は服従を要求されるのが人類普遍の道徳原理なのでしょうか。本件被告人の犯行に対し、刑法第200条が適用され、且つ右規定が憲法第14条に違反しないものであるとすれば、憲法とはなんと無力なものでしょうか。(・・・)もはや、刑法第200条の合憲論の根拠は音を立てて崩れ去ると考えられるがどうでありましょうか。

ドラマにおける弁護人山田よねの陳述は、明らかに上記に基づいて(台本が)書かれている。

以上、司法機関に関係する個人・団体による奮闘は十分確認できるが、司法の独立・憲法の人権尊重などが押しつぶされた例も忘れてはならないだろう。

1963 「砂川訴訟」判決においては、高度な政治性を持つ条約(例えば日米安全保障条約)については、一見して明白に違憲無効でない限り、司法審査の対象外という統治行為論が採用された。

この判決により、アメリカ軍の駐留は憲法違反ではないとされ、東京地裁の判決が破棄されたわけだが、2000年代に入ってから、砂川事件を担当した田中耕太郎最高裁長官当時が、判決前に駐日米国大使ダグラス・マッカーサー二世と連絡を取り合っていたことが、米国の公文書明らかになっ

これは、米国の圧力を背景に「司法の独立」を守れなかったのではないか、ということを疑わせる事実である。そして、その悪影響ははかりしれないほど大きかった。「憲法が最高法規条約はその下」という、法体系の常識が日本の場合逆転してしまっのだ。

ドイツやイタリアでなしえた米軍の「地位協定の改定」が極めて困難になっている大きな理由もここにあるだろう。「最高法規であるはずの憲法の上に、日米安全保障条約が存在している」ためだ「地位協定」を本気で改定しようという意思が日本政府にない(なかった)ことは明らかだが、日米安全保障条約の下に憲法が置かれてしまった出発点は​砂川訴訟の最高裁判決​である。「統治行為論」として、憲法判断を回避したため憲法が安保条約の歯止めにならなくなったのだ。​
 さて、このような「統治行為論」は「法体系の常識の転覆につながった事例」といえるが、その他にも「検挙率」の高い日本において実に数多く生み出されてきた「冤罪」の問題。(袴田事件も象徴的であるが)仮に「死刑」が執行されなかったとしても、人生の多くの時間を奪われ精神的にも大きな負担を強いる「冤罪→服役による人権侵害」、あるいは「取り調べに際しての人権侵害」の例は、枚挙にいとまがない。
 確かに「虎に翼」で描かれた家庭裁判所の活動のほか、例えば人間裁判と言われた朝日訴訟など司法にかかわる個人・団体による奮闘に目を向けることは大切だろう。しかしながら「不断の努力」によって改善していくべき課題はあまりに多いと言わなければならない。

(引用者註)上記の下線部分「不断の努力が法をつかさどるものにとっては必要」については、違和感もある。「船を修繕したり改造したり」(法の改正や新たな制定)に責任を持つべきは判事や弁護士だけでなく、すべての主権者であると考えるからだ。第12条にもあるとおり「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」ものであること、さらにいえば私自身、「人民(国民)の主権」とは社会的な意思決定権であり、意思決定は原理的に代行不可能なもの」というルソーの見解が妥当だと考えているからだ。

 2015年に集団的自衛権を容認する安保条約「改正」への反対運動が大きく盛り上がった際に国会で発言した奥田愛基も第12条に触れていたが、その後においても検察法改正法案(焦点となったのは「内閣や法務大臣が認めれば定年を3年まで延長できる」という規定が黒川検事長〔当時〕の恣意的な定年延長を正当化する問題)が、「ツイッターデモ」によって阻止されたことは記憶に新しい。

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Last updated  2024.10.07 07:48:15
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