昨日3日の東京株式市場では日経平均株価が前日比0.16%と、わずかながら下落。これで株価は11営業日連続の下落となった。11営業日連続の下落は1954年4月以来、実に54年ぶり。あのブラックマンデー(1987年10月)でも、バブル崩壊後の株価急落時でもなかった現象だ。
54年ぶりといえば、同日、世界最大の自動車メーカー、ゼネラルモーターズ(GM)の株価も、54年ぶりに10ドルを割り込んだ。直接的な原因は投資顧問会社アナリストによる同社株評価の下方転換だったが、GMの株価はそれまでも業績の低迷を背景にジリジリ下落を続けていた。詳しい資料が手元にないが、これでGMの発行済株式の時価総額(つまりは会社の値段と言うことになる)は、トヨタの半額以下に落ちたのではないか(トヨタも下げているにも関わらずだ…)。
さて、今から54年前の1954年にいったい何があったのか。年表を繰ればすぐにわかるが、朝鮮戦争がその前年に終わっている。焼け跡から出発した日本の戦後復興は、朝鮮戦争による特需で狂騒のような上昇軌道に乗ったが祭りは長くは続かず、同戦争の終結によって空前の好景気は蜃気楼のように消え去って、過剰な生産設備だけが残る不況に突入したのだった。
ところで、ここで朝鮮戦争「終結」と書いたが実は「休戦」というのが正しい。つまり国際法上、戦争は継続しているのであって、現在の6ヵ国協議も実はこの戦争の終結を巡る交渉といえる。核に拉致問題を交えて複雑な交渉が続いているが、この協議が全当事者の合意で終結しない限り、朝鮮戦争も日本の「戦後」も終わらない。
だが、この間に流れた長い時間に、愚かな事件が何度繰り返されたことか。東京市場のなんとも意気の上がらない記録に、54年という時間の長さと因縁を思った。
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