松本道弘ブログ 元祖ナニワ英語道

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  シープ・イングリッシュ

  丸山直樹博士は、Jiang Rongの『Wolf Totem』はフィクションだから鵜呑みにするのは危険だと言われる。そんな野生動物のプロでも快著だと勧められている同書を、今朝も１章だけ読み進んだ。 内蒙古で虎は全滅したが、狼は今も残っている理由が書かれている。虎はマイペース。自分のため、仲間や環境への配慮などない。しかし狼には守るべき家があるから、チームワークを重んじる。狼軍団は環境を守るから、神の庇護を受ける。草食動物に天敵がいなかったら、草原は死滅し、家畜も人間もすべて死滅する。だから、狼は神の使いとなる。館長ブログで何度も触れているので、次に進む。英語にもシープ・イングリッシュと、ウルフ・イングリッシュがある。羊は素直に、コツコツ英単語を覚え、空気に逆らわず、検定試験を受ける。「みんながやっているから、同じ仲間と草を食う」というgrazers（放牧家畜）だ。これに対して、ゴート・イングリッシュというものがある。  

  2008年07月21日

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  空気に流されないB型

  丸山直樹氏（日本オオカミ協会会長）のことを、「狼道のパイオニア」と私が述べた時、「私は、ドウという言葉がきらいでね。ドウは固定、それを破ることが大切だ」と、のっけから反論される。 酔いが醒めた。私もディベート学会の会長、引き下がるわけにはいかない。「いや、ドウはミチを守るためにあるもの。術だけでは道は守れない」と、心（function）と形（form）の相対性で応酬。熊楠、同時通訳の師匠であった西山千師、そして眼前の狼男も、すべて空気に流されないB型。マイペース。まるで私は雄鹿を襲う一匹の狼のようだった。オオカミはケモノミチ。「狼道ってものがある」―― 私の論法にも無理がある。私はA型 ―― ネチネチと絡み、こだわるところがある。しかしB型はまるでテフロン ―― こだわりがない。すぐに話題が変わっても、豹変する。「そうですね、一匹狼は、シングル・ウルフでしょうか」と、思考が柔軟だ。  

  2008年07月20日

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  先生はB型でしょう？

  インターネットで、現代の狼男、丸山直樹氏（日本オオカミ協会会長、東京農工大学名誉教授）の棲家を調べ、押しかけた。 「先生はB型でしょう」「みんなに言われますよ」「どうりで、南方熊楠の匂いがしましたから ―― 彼も型破りのB型でした」「熊楠もオオカミファンですよ。海の神のオコゼとの恋愛物語にもある」「柳田國男も、オコゼのことは...」「あの方は、調査をして、記録するだけのエリートですよ。熊楠とは格が違う」「文学者・柳田が秀才としたら、熊楠は天才でしょうか」いきなりこんな話から入った。奥方（アルファ・オオカミ）が側で２人の会話を聞いておられて、「同じ匂いがする」と漏らされた。「桃源郷」と私が表現した、丸山先生の御宅から、森の中の「ブルー・イン・グリーン」というペンションへ移った。ここでの夕食はまるで王国のようだった。  

  2008年07月19日

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  あらゆる生きた情報は腐る

  あらゆる生きた情報は腐る、という哲学が根底にある。だからウィキペディア。ウィキとはハワイの言葉で「クイックリー」という意味だ。 今、私は狼にはまっている。ごく最近、『論点』の中で、ホンモノの狼を復活させよ、と本気で考えている学者がいることを知った。私は昔からアクションが速い。インターネットで、現代の狼男、丸山直樹氏（日本オオカミ協会会長、東京農工大学名誉教授）の棲家を調べ、電話をかけた。押しかけた。大学を隠退し、南伊豆で隠遁生活 -- メスのアルファ狼と車で講演旅行には出かけられているが -- を楽しんでおられる。「フクロウの会」をも発足させた氏は、夜は暗いところがいいと、縄文的な生活を送られている。「先生はB型でしょう」「みんなに言われますよ」ずいぶん不躾な質問であるが、一匹狼の私は、コミュニケーションには気を配る。  

  2008年07月18日

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  ウィキペディア化する私

  私の英語人生は日記から始まった。中二（１３歳）の時に書き始めた当用日記。南方熊楠もこの歳に、博文館の当用日記をつけ始めたから、奇しき縁である。 自由日記ではなく毎日書く。最初は、毎日書くぐらいのネタがあるかなと不安であったが、毎日書いているうちに、逃げられなくなった。そして、何か空白を埋めるための工夫をする。創造力とひらめきは、このように追いつめられた状態で育つのだ。話すより書く方がラクになった。だからブログの時代が心地良いのだ。今、夏。暑いから清涼飲料のようなテーマがないかと考えている。日記は毎日、一晩で腐る。ブログは一週間は腐らない素材を扱い、館長ブログ（週二回）は、一ヶ月耐えられる情報価値のあるものを"料理"する。「光の泉」に連載しているエッセイは数ヶ月。山奥へ閉じ篭って一気に書き上げる本は、読者に一年間のエネルギーと動機づけを与える、と、熱エネルギーを分散させている。  

  2008年07月17日

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  宇宙人のような容姿のカマキリ

  　　　　『カマキリは大雪を知っていた』西山千師匠の思い出話となると、40年近くも前の話になるので、「津波」に挑むような心境になる。ところが、師の面影が走馬灯のように現れては、消えてしまう。まるで数日前の出来事のような気がする。 そして、宇宙人のような容姿のカマキリとなって、地球の鼓動を聴きながら、私の一挙一動を複眼と単眼を使い分けながら見守って ―― watching over me ―― おられるようだ。カマキリは、木の振動の正体を知っている。（『カマキリは大雪を知っていた』酒井與喜夫著、農文協）師には、墓は要らない。千の風。どこにでもおられる。  

  2008年07月15日

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  ココロと同じくコロコロ変わるwaves

  カマキリの季節が戻ってくると、ペンが軽くなる。ブログはしょせん日記より軽い。波の上に浮かぶコルクのような心境で書く。英語でいえば、英単語をコツコツ拾い集めているような心境だ。 wavesはすぐに変わる。ココロと同じくコロコロ変わる。次に中波（swell）が来る。これが紘道館の館長ブログで、時として波が荒れるが、巧く時流に乗りながら書く。当然重くなる。その次の大波（tidal waves）は、サーフィンをするには、かなりの集中力が必要で、本でしか言い表せない。まとまった時間が要るから、どこか隣に「水」（川か海）のある執筆場所を求めるのだ。　　　　◆紘道館の例会報告を更新しました◆ 

  2008年07月14日

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  突き放す愛こそ、究極のtougｈ love

  断じていうが、師匠は、自らの宗教的信念を私に語ったこともなければ、洗礼を勧めるような誘いかけは一度もなかった。師の行動を「水くさい」と感じたことは何度もあったが、それは私の誤解であった。自らの宗教的信念を私に押し付けたことが一度もなかったということは、突き放した愛を実践されていたことになる。これぞtough loveではなかったか。「神が救ってくださる」という救いの言葉はない。私がドン底に落ちていることを知っていても、敢えて救いの言葉や愛の表現を差しのべることなど、これっぽっちもなかった。これこそ最大の愛ではないか。「松本さん、立ち上がるのは、あなたお一人の力ですよ。神も仏もないのですよ」。―― こんな具合なのだ。師は、水くさい人なんかではない。その反対だ。墓もつくらず、消え去られた師。愛を超越した愛。まさに究極のtough love。師が逝ってからちょうど一年。先生、お帰りなさい。  

  2008年07月13日

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  お互い踏み越えてはならない一線

  信仰深いブログ読者の中には、「ええ、どうして？意味不明。信仰関係が深まれば、師弟関係も深まって、先生の同時通訳の技ももっと伸びたのではないでしょうか」と、疑問に思う方もおられるかもしれない。 いや、そういう問題ではないのだ。That's not the issue. お互いの異なった思想や価値観を、どちらか一方が侵略することにより、見えざる絆が絶ち切られてしまうことが恐ろしいのだ。師と哲学の違いがあったとすれば、『同時通訳の名人（仮題）』で述べるつもりだが、＜術＞と＜道＞と違いがあった。この微妙な一線は、お互いに踏み越えてはならないものだ。ディベートの「心」はagree to disagree（違いは違いとして認めあう）といわれているが、師弟の間には見えざる「間」（魔）があった。  

  2008年07月12日

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  もしも、誘われていたら......

  この日も、青山のユニオン教会で十数組（ほとんどが若い日本人のカップル）が洗礼を受ける。たどたどしい英語で信仰の告白をする。神と結ばれる羊たちの為のめでたい式典だ。泣き声で神に心身を献げるという若い女性もいた。 クリスチャンであった西山千師匠の聞き込み調査をすることが目的であっても、式典の後で、牧師に話しかけたくなる雰囲気ではない。やはり、西山名人は天に召されたのか。来るべきではなかったか。地上の人間が天上の師に向って、遠吼えするといったムードではない。いたたまれなくなって、教会を去った。外はまだ雨だった。雨の中でif思考を使って私は考えてみた。もし、師匠が「松本さん、同時通訳が上手になりましたね。あなたの祈りが天の神に届いたのですよ。洗礼を受けませんか。私の教会で」と、一度でも誘われていたら......。まさか。恐ろしいことだ。考えたくもない。師弟関係は崩れてしまうだろう。  

  2008年07月11日

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  私は動機の純粋性にこだわる

  学生時代の友人に聖書研究会のリーダーがいた。弁舌さわやかに神の言葉を代弁する。同期の若い女生徒たちが感涙し、抱き合って、洗礼を受ける。よけいに、醒める。嫉妬ではない。 人は、そんな一時的な興奮状態で、生涯取り消しのできないバプティズム（洗礼）など受けていいのだろうか。教会へ行けば、バイブル・クラスで英語が学べる。私の動機は純粋ではない。しかし、英会話を教えるから、その代わり洗礼を勧めるというのも、あまり純粋とは思えない。ナニワ英語道の創始者の私は、スピリチュアリストであって、リリジョニストではない。それだけに、動機の純粋性にこだわる。  

  2008年07月10日

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  私は素直でないgoatなのだ

  その日、青山のユニオン教会は聖餐式だった。信者同士の信仰を、讃美歌を通じて確かめ合う日だ。礼拝堂には入りきれず、外にまで溢れ出ている。満員御礼か？ イエス・キリストが最後の晩餐でパンとぶどう酒を弟子たちに与え、「パンは私のからだであり、杯は私の血による契約である」という言葉を記念した儀式だ。戦意喪失！ここでは、従順な羊（sheep）と、懐疑心の強い山羊（goats）にふりわけられる。学生時代、豊中教会に通ったことのある私は、こういうA or Bという二者択一的な発想が嫌いで、牧師によく抵抗したものだ。「洗礼を受ける方は、立ち上がってください」私は、いつも憮然とした面持ちで座っていた。（妥協はしたくない）別にパンとぶどう酒が欲しくてひがんでいたわけではない。私の周囲に座っている、いつものワルが、洗礼を受けるというだけで差別され、祝福されるというのが腑に落ちない。私は素直でないgoatなのだ。あのいやな思い出が甦ってきた。  

  2008年07月09日

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  私の師であるセン・ニシヤマは、カマキリになって甦った

  同時通訳の名人・西山千という人物は、調査すればするほど謎めいてくる。つい最近も、師が奥方と通っておられた青山のユニオン教会に足を運んだ。 師と懇意であったバリー牧師と話がしたかった。「天に召された」と熱弁をふるわれた牧師に後で話しかけ、「いや、私の師であるセン・ニシヤマは、カマキリになって甦った」と誇らしく息巻いた。しかし、その温厚な牧師は、「我々はそれを復活とは呼ばない」と笑みを浮かべながら反論された。確かに、そうかもしれない。しかし私は一神教の信者ではない。お互いにしっくりしないままだ。「じゃ、またディベートをやりましょう」といって別れた。随分前にこのブログで書いた、あの牧師である。一神教と多神教の対決になる、ぜひ第２ラウンドをと胸をときめかせて後部席に座ったのだが、讃美歌ばかり歌っているうちに、戦意を失い、どうも英語でディベートを挑む気になれなかった。  

  2008年07月08日

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  単語を覚えるより、ガツガツ食った英語から

  ナニワ英語道の時代が来たようだ。これまでの日本人の英語は、入試や資格をとるための、検定試験のための即席英語であった。いかに単語を覚えるかというボキャビル時代だ。今は、速読・速考の時代だ。記憶力に頼っている日本の教育制度に限界があると述べるのは、孫正義氏（メンター塾）だ。多くを速く読み ―― ガツガツと ―― あとは捨てるというのはナニワの発想だ。捨てる（unlearn）ことを恐れて一流大学、一流会社に入っても、果たしてすでに腐った情報が使えるのであろうか。私はナニワ時代、単語を覚えるより、ガツガツ食った英語から、giveとgetが基本だと気づいて、『GiveとGet』（朝日出版社）を書いた。なぜこれがロング・セラーになったのか。「試験に役立つ」とは一言も述べず、単語力より、使い方を覚えた方がメリットがあるというプラグマチックな発想で勝負に出たのだ。単語と単語を結ぶjoints、接続詞などに気を配った。今、私はカマキリの研究に余念はないが、カマキリが3億年も生き続けた秘密は、異常に多い関節にあると思う。  

  2008年07月07日

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  今はlevel playing fieldの時代

  これまで私が書いてきた本（例えば『日米口語辞典』）に間違いが多く、old-fashionedであるのも、すべて若気のいたりであると、読者に詫び、世に恥をさらすことにもなる。いや、今の私の英語も、知識も腐る（go stale）のだと、自分にも言い聞かせている。 今はlevel playing fieldの時代で、NHKや朝日という権威が、インターネットに屈し、ブロガーに振り回されるようになった。フリードマンは、世界が平べったくなった（情報を独り占めできなくなったeventのこと）きっかけは、ベルリンの壁の崩壊（1989年11月9日。9.11ではなく、11.9。カバラの数秘術からみてもおもしろい）だとみる。この事件は、情報に対する人の考えを大きく変えた。そして、外国語を学ぶ人の意識をも大幅に変えようとしている。  

  2008年07月06日

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  What's gotten into me? Flattening myself?

  遅まきながら、『The World Is Flat』（Thomas L. Friedman）を読み出した。館長ブログで書いている「狼物語」の参考書『Wolf Totem』と併読していると、私の得意なself-debateを通じて、かえって閃きが得られる。 世の中がflatになったとは、弥生時代化の極致という感じがする。その反面、『Wolf Totem』は、縄文時代をロマンチサイズする人々への讃美歌といえる。自称アナログ人間が、今や急速に、デジタル化している。ブログ時代が快適なのだ。いったいどうなったんだろう。What's gotten into me?  Flattening myself?このflattening myselfは、私自身のウィキペディア化と同じように、英語の神様としての松本道弘というトップダウン意識を捨てるということだ。  

  2008年07月05日

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  ますます速読が必要になってきた

  私の英語インフレ時代。あの「虚」の時代、一年間の読書量は、せいぜい50～70冊ぐらい。今の私は一年間300冊（英語は1/4～1/3程度）というのに、知名度も収入もガタ落ちだが、この歳（68歳）でピンピン（alive and kicking）している。メンター・ダイヤモンドの私塾（道場とも）でお座敷を頂いているが、まだまだエネルギーが余っている。やはり、知識力は、胃袋の量に比例するのかな、と思う。好き嫌いの多い人間は、食べ物だけでなく、学問の分野においても好き嫌いが多い。voracious（ガツガツ食う）人間は、筆記試験の前だけ集中的に学ぶタイプではないので、後に花が咲く。late bloomers（大器晩成型）は、私の経験が及ぶ限り、すべてvoracious readersだ。ますます、速読（音読より）が必要になってきた。音読を否定しているのではないから、誤解なきよう。なぜ、速読の時代か。  

  2008年07月04日

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  大阪人は、本を頭で読んでいない。腹で読んでいる

  同時通訳は思考の「流れ」だ。英単語は点であるが、それを「線」にしなければ、バイリンガル、そしてバイカルチャルになれない。こんなキザなことを言えば、日本の社会では浮き上がるだろう。だが、このブログでは、本音を語らせてもらいたい。松本が嫌いでもいい。しかし、ワシの英語哲学をガツガツむさぼった方がトクやで。これをpragmatismという。しばらく大阪の紀伊國屋書店へは行っていないが、かつては「松本道弘コーナー」ができて、サイン会も開かれたことがあり、よーくその頃を覚えている。「大阪人は、本を頭で読んでいない。腹で読んでいる」とよく言ったものだ。大阪の紀伊國屋の売り上げがトップの頃であった。大阪外国語専門学校の校長をやっていた頃で、英語道参段の頃であった。NHK教育テレビの講師という肩書きもあったから、本当の私の英語力は過大評価されていた。私の英語インフレ時代だ。 明日はメンター塾“サバイバル・イングリッシュ道場”開催 

  2008年07月03日

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  単語だけでは役に立たない

  さて、前回、「ガツガツと」という大阪人好みのオノマトペを使った。これを英訳すればどうなる。これまで書かれてきたブログを思い出して頂きたい。ほら、あのジミー・ウェイルズ。ウィキペディアの創始者のことを... そう、vo... vora... そう！　voracious。ヴォれィシャス。単語だけでは役に立たない。使い方（コロケーション）にうるさいのがナニワ人。そうvoracious appetite。それぐらいなら、筆記試験に強い東京人でも知っている。異文化コミュニケーションに強い大阪人は、文章と共に覚えてしまう。Wolves have a voracious appetite. これで決まり。もう一つ、Sherlock Holmes is a voracious reader.これは事実。そして私も、I'm a voracious reader. だと自負している。ここまで覚えて、voraciousが自然に使えるのだ。同時通訳の時にも役に立つ。 今日は故西山千師匠の命日。 

  2008年07月02日

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  Wikiはハワイの言葉でquickly（＝急いで）を意味する

  strategyは変えてはならない。人生のシナリオ（life script）も同じだ。しかし戦術（tacticsと複数形）はコロコロ変る。変らねばならない。ウィキペディア（Wikiはハワイの言葉でquickly（＝急いで）を意味する）という発想が私の感覚にピッタリあう。 さて、その戦術が同時通訳だった。訳す時間がもったいない。これは「いらちな」大阪人の性質（タチ）だ。歩くスピードも２倍にした。もう一つがディベートであった。「速考」（speed thinking）が加わった。だから私は速筆家になれた。これは毎日、当用日記をつける（１３歳から）という「行」が役立っている。話すより、書く方が速いのではないかと思うことがある ―― 本気で。  

  2008年07月01日

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  ナニワ思考の攻撃性

  もし、青森県に医者がいるとしたら、リンゴを食べる人も病気にかかる、したがって、An apple a day keeps the doctor away. という諺は、間違っているということになる。こんな突っ込み反論は、東京では嫌われる。しかし、大阪では歓迎される。なぜか。 大阪弁である。大阪弁では何を言っても許される。相手もまともに反論しようという戦意を失う。「すんまへん」はI'm sorry.（後ろ向き）ではなくExcuse me.（前向き）なのだ。次はナニワ思考の攻撃性について述べよう。今、紘道館「館長ブログ」で連載しているエッセイ・狼物語では、『Wolf Totem』を下敷きにしている。私のナニワ時代（故西山千師匠に会い上京を決意するが）は、まさに狼の時代であった。しばらく同時通訳の名人の番犬になったが、また狼に戻ろうとしている。情報もガツガツと耳と眼からインプットし始めた。いまも、FOXインターネット・ニュースを耳にこのブログを書いている。大阪の頃、十年先の戦略を立てた。宮本武蔵を師として、日本語と英語の二刀流の真髄を究め、この両言語を、同じスピードで読み、書き、聴き、話せる人間になる、と誓った。strategyは変えてはならない。人生のシナリオ（life script）も同じだ。   

  2008年06月30日

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  「一日一個のリンゴを食えば医者はいらん」という西洋の諺に突っ込みを入れる

  ちょっとナニワの原点に戻ってみよう。浪花には「がめつい」という攻撃性と、「涙もろい」という守備性が同居している。そして、「笑い」と「泣き」が混然一体となっているからややこしい。 「笑い」には遠心的な攻撃性があり、「泣き」には、求心的な守備性がある。日常英語を学ぶ上で、この一見相容れないエネルギーを使え、というのがナニワ英語道の極意である。笑いには知的なものが多いから、攻撃的ともいえる。「一日一個のリンゴを食えば医者はいらん」という西洋の諺がある、と弟（篤弘）に言ったことがある。「ほなら、青森県には医者おらんというのか」と突っ込んできた。東京ではありえない。「そうなんだぁー」で終り。ナニワ思考には＜遊び＞がある。弟の反論には背理法というロジックがある。もし、青森県に医者がいるとしたら、リンゴを食べる人も病気にかかる、したがって、An apple a day keeps the doctor away. という諺は、間違っているということになる。こんな突っ込み反論は、東京では嫌われる。しかし、大阪では歓迎される。なぜか。  

  2008年06月29日

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  狼は大草原を守るため送られてきた神の使いである

  モンゴル人は、草原を守るために神（テンガ）により送られてきた。草原がなければ、モンゴル人もいなくなる。草原がなければ、草原に住むあらゆる生物は死滅する。反対に人間が狼より強くなると、狼という天敵がいなくなり、安心した羊や山羊や牛がガゼルのように大胆になり、草は食い放題となり、大草原は死ぬ。狼もしたがって、大草原を守るため送られてきた神の使いである。狼と人間は対等の闘いを続けてきた。まるでサッカーを観るようだ。大草原という球場でフェアに闘う。モンゴル人と狼は、お互いを恐れ、そして畏れながら神聖な戦争を闘ってきた。そこで使われる自然発生的なルールはきわめてスポーツマンシップに近い。   

  2008年06月28日

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  蒙古人は狼とサッカーしている

  日本とバーレーンのサッカー試合を観た。サッカーには人を興奮させる何かがある。他のスポーツとどこか違う。多分、サッカーは最も戦争に似ているから、潜在的な愛国意識に目覚めるのではないか。国の威信をかけて、兵士たる選手が闘う時、個々のプレイヤーの実績や知名度、マスコミ受け（テレビ画面での露出度）などは影をひそめてしまう。サッカーのもう一つの面白さは、ゴールを決めるのが難しいことだ。だから、接戦になり、０対０の引き分けになることも多い。私の頭の中で、蒙古人と狼との戦いを思い出した。狼が増え過ぎると、神から与えられた霊力が落ち邪悪化する。だから人間が正になり、邪の狼を殺す権利が与えられる。狼が人間より強くなり、牛や羊をみな殺しにすれば、草原は失われる。下の日記は地元・名古屋グランパスの試合を観戦した時のもの

  2008年06月27日

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  凶悪犯人のガゼルを倒すのは？

  ガゼルは草食動物。肉食動物に食われて気の毒だという常識は間違っている。大草原の草も生き物だ。その生き物をガゼルや羊たちは皆殺しにするのだ。草原をmurder（殺害）する大犯罪を放っておいたらどうなる。大地の神は嘆く。狼も人も家畜もみな餓死する。だから、凶悪犯人のガゼルをコントロールする群狼（wolf pack）が必要なのだ。biological controlの必要性は、日本でも叫ばれている。多くの日本の山村は、鹿の害で悲鳴をあげている。学者たちも、野性の狼を戻せ、と主張し始めているという。狼から言わせると、「よく言うよ、その口で（Look, who’s talking?）」となる。日本狼は、弥生人間の手で滅ぼされたのだ。彼らを甦らせるには、イリュージョニスト（幻影師）しかないというのか。今、私は、狼の会なるものを紘道館を中心に、全国的に広げようとしている。構想はほぼ出来上がっている。 

  2008年06月26日

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  人間が真似できるものではない

  ジンギス・カーンも狼から学んだ。農耕民族と化した中国人が、狼気質のモンゴル人からみると、やわい羊になったといわれる。そういえばそうだ。こういう狼のチームワーク、諜報能力、戦略、戦術、そして戦闘に至るまでの一貫した体制を支える団結心（esprit de corps） は、人間が真似できるものではない。 地球の危機。今、モンゴルの狼から学ぶ時がきた。モンゴル人は、狼、人間、自然の三位一体のエコロジカル・バランスを大切にする。無益な殺生はしない。漢民族のJiang Rong（ペンネーム）は、長年内モンゴルで暮す。モンゴルの長老（メンター）から狼の知恵を授かり、何かを悟る。優秀なはずの漢民族も、狼の知恵、そしてモンゴル人の知恵には勝てないことを。  

  2008年06月25日

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  accept myself すればしあわせではないか

  これ以上ぼやけば、ジョージ・クルーニーに叱られそうだ。「知名度の高い人間が、"ぼくには君たちにはわからない悩みがあるんだよ"と、whine（泣き言をいう）する人間がいる。これほど鼻持ちのならないやつはいない」と。 やはり、狼はテレビ画面に出るべきではないのか。月に向って吠えるだけで、accept myself すればしあわせではないか。ところでこの狼。今、『Wolf Totem』という本にはまっている。狼は頭がいいのだ。そして辛抱強い。カマキリのように、いったん狙った獲物を逃がさない。待つ。足は速い。ガゼルを追い込むにも、綿密な戦略が要る。満腹状態のガゼルが目を覚ました時、尿意をもよおす。―― その頃には必ずスピードが落ちる。だから、奇襲攻撃は夜明けと決める。そして三方から包囲する。ランチェスターの三点攻略法。そして、ディベーターの三点攻略（データ、クレーム、ワラント）と同じ攻略を用いる。  

  2008年06月24日

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  日暮れて道遠し

  私がやりたいインタビューは、何十年も前から言ってきたことだが、もう一度言う。どこか、だれか、私にジャーナリスティック・インタビューをするチャンスを与えてくれないか。ジャーナリスティック・インタビューとは、NHKの「英語でしゃべらナイト」のように、羊が狼に話しかけるアマチュア・インタビューとは正反対なものだ。ネイティヴ・ゲストを楽しませ、自己宣伝をさせるというエンターテイメントではなく、彼らを動揺させるようなプロ同士の英語インタビューのことだ。 せっかくディベート・スキルが使えるジャーナリスティック・インタビューアーがこの日本にいるのに、もったいない。ブログを通じて遠吠えを続けてきたが、どうも実現しない。いつも空振り。マネージャーをやりましょう、裏の仕事はお任せ下さい、という人間に限って詐欺師っぽい人間が多く、花は開かない。日暮れて道遠しという感じだ。  

  2008年06月23日

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  インタビュー・スキルが試される瞬間

  ジミー・ウェイルズは４０代、カール・ユングのいうnoon of life（人生の昼間）で、まだ次なる野心があるはずで、いつまでもフリー・インフォメーションに甘んじているわけがない。 すでに東京へ来た時は、Wikiaというカネのなる木の宣伝をしていた。もし私が彼に質問をするなら、「あなたは、資本主義者か、社会主義者か、それともイリュージョニストか？」といった、変化球を投げるだろう。そうして彼の予期せぬ答 ―― 多分ジョークで返すだろう ―― にどう、連続技をかけるか、私のインタビュー・スキルが試される瞬間であろう。考えてもワクワクする。狼同士の対決だ。    

  2008年06月22日

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  a graceful exit

  もし私がスポーツの世界の人間であったら、チャンピオンに近い。無敵？そうなれば武道家は悲しむ。求道者に無敵という発想はない。ただ、遭っていないだけなのだ。バイリンガルでバイカルチャルな故・西山千師匠がこの世にいないから、こんな偉そうなことがいえる。 これはスポーツの世界。しかし、武道の世界は違う。私に敵がいないのは私が強いからではない。他がより弱いからである。私の力は同じ。だから勝っても負けても"残心"を失わないだろう。"残心"とは、緊張感を持続する心のことだが、a graceful exitとでも訳さなければ、欧米人には伝わらないだろう。  

  2008年06月21日

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  覚える（learn）より忘れる（unlearn）

  私の英語哲学は、覚える（learn）より忘れる（unlearn）ことだから、孫正義の思考法に近い（メンター・ダイヤモンドで述べている）。結果より過程、つまりプロセスなのだ。 ウィキペディアが重視している、プロセスに依存した真実（truth relying on process）ということになりそうだ。processといえば「道」。私の英語道も日本語もプロセス。この二刀流思考、または同時通訳思考で、日英両語がほぼ同じ程度に使える私はこの分野では敵がいないだろう。だからもし私がスポーツの世界の人間であったら、チャンピオンに近い。無敵？そうなれば武道家は悲しむ。求道者に無敵という発想はない。ただ、遭っていないだけなのだ。  

  2008年06月19日

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  Stories go stale overnight.

  ウィキペディアの哲学は、インターネット時代に通用する無常観にある。Stories go stale overnight. どんなストーリーでも一晩で腐る、というものだ。今私が書いている事実も、すぐに腐る。少し前まで、私はアナログ人間であると言ってきた。インターネット時代とは相性が悪いとも。 ところが今、ブログで勝負に出た。再び日本のラリー・キングを目指して、世界に通用するインタビューアーになりたいという夢を捨てていない。超アナログ人間だと私を嗤っていた人は、「まさか、急にデジタル人間にシェイプ・シフトするなんて」と驚くだろう。こういうウィキペディア現実をwikiality（The Economist誌は使ったが、こんな英語は辞書には出ない）という。ウィキアリティーなんて、覚える必要はない。音読なんかしたら、忘れなくなるぞ。  

  2008年06月18日

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  voracious appetite（飽くことを知らない食欲）

  私の知識体系はエンサイクロペディックであるとの評（誤解だろうが）だが、恥ずかしながら、スポーツになると、格闘技を除いて、学生時代から全く無関心。無知蒙昧。とにかく、私に、このジミー・ウェイルズを狼とイメージさせたのは、この一語。voracious（むさぼり食う）という形容詞。 かつて狼（常に飢えている）の特長がvoracious appetite（飽くことを知らない食欲）であることをどこかで読んだことを思い出した。狼は、家畜化されると犬になるが、人間に飼われないかぎり、柵や国境を嫌うwolfのままだ。  

  2008年06月17日

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  ジミー・ウェイルズはvoracious reader

  最新のThe Economist（７月７日号）のテクノロジー特集にジミー・ウェイルズが登場した。見馴れた顔だ。私も記者団に混じって、質問をし、答をもらったが、群衆の一人で、憶えられているはずがない。 むさぼるように、読んだ。アンダーラインを引いた二つのキーワード。それは、voracious reader with intense intellectual curiosityの二つだ。すさまじい知的好奇心で、むさぼり（voraciously）読む読書家ということだが、ここまではシャーロック・ホームズと同じ。そのあとのexcept sportsが気に入った。彼はどんな話題にもついていける、「スポーツ以外は」と加えている。そこに私は親近感を覚えた。私はスポーツ以外の話題は大概ついていける。  

  2008年06月16日

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  ウィキペディアの創始者・ジミー・ウェイルズ

  （まるで俳優のケビン・コスナー。いい男）外国人記者クラブでスピーチをした、ジミー・ウェイルズはオンライン百科事典・ウィキペディアの創始者で、まさに一匹狼。オープン・ソース、そしてフリー・ソフトウェアの伝導者としても世界中の話題をさらっている。石のブリタニカに対する風のウィキペディアの雌雄を決する死闘で、英エコノミスト誌は、正確度においてもウィキペディアだと、ジミー・ウェイルズに軍配を挙げた。その正確度の中には鮮度も加えられたはずだ。ブリタニカには、腹芸（ハラゲイ）に私の名前は載らないが、ウィキペディアには、腹芸、ハラゲイのどちらにも載せられている。ユーザー発信型コンテンツの時代では、聴衆まで舞台に登場できるというから、そのコンテントは、コピーライトではなく、copy-leftだと、粋な造語で勝負に出る。エンサイクロペディアよりuncyclopediaと、一般の辞書では扱いきれない新語で世を惑わす。この大胆不敵な男の生い立ちが気なる。  

  2008年06月15日

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  「しかし、一匹狼には限界がある」

  別れる時、故・大山極真会総裁は私に一言こう言われた。「しかし、一匹狼には限界がある。あなたが血を流して倒れた時、だれが輸血してくれるか。あなたに組織があれば、だれか周囲のものが助けてくれるはずだが」と。 血の話になるとは。うーんと唸った。格闘家同士の会話とはこのような際（きわ）どい哲学の応酬になる。言葉のやりとりも、鋭くなる。男でもためらう質問を一人の若い女性がした。就職活動間際の女子大生だった。このメス狼の質問で少しバランスを崩した。いい質問だった。いい夜だった。オス狼の溜まり場の紘道館にも顔を出すという若き狼が二匹も近寄ってきた。日本一のメンターを目指す、このオス狼（英語武蔵）にとり、酔うにふさわしき直会の一夜だった。次回のメンター塾では、ベスト質問賞を出そうかと考えている。 　　　　『空手バカ一代』空手巌流島編  

  2008年06月13日

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  狼の孤独

  私はNHKレギュラー番組の英語インタビューアーを降りたあとの、40代前半。大山倍達氏はより世界で知られた50代後半の頃で、どちらも脂がのっていた。どちらも宮本武蔵を師と仰ぐ。急に会いたいという電話が向こうからかかってきたので、快諾し、ランチをご馳走になった。 後のK-1の「走り」となった、伝説上の人物だから、私も緊張して、「どうして私に声をかけて下さったのですか」とおそるおそる聞いた。「先生は強い ――。一匹狼だから」。私に人差し指を向けられた。極真会も分裂の危機にあり、優秀な部下がどんどん独立していく。よほど淋しかったのか。それとも、恐れを知らなかった、一匹狼の時代が懐かしかったのか。私の生き方をひがんでいたのだろうか。まさか。私の方が彼の世界でのプレゼンス（存在）をひがんでいたのだ。  

  2008年06月12日

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  一匹狼では組織が守ってくれないでしょう？

  日本の大手メディアは手が出せない。何かに怯えている。その点私は、大きな組織を代表しておらず、あくまで一匹狼だから、強い。ところが、3部に入って、この高慢ちきな武蔵に一人の女子学生が奇襲攻撃をかけた。「しかし、一匹狼では組織が守ってくれないでしょう...」私を困らせる質問。こういうのを「いい質問」と定義する。ただし「メンター塾においては」と限定しておこう。なぜ、いい質問か。かつて、私と友人関係にあった故・大山倍達（マンガ『空手バカ一代』の主人公で極真会会長）との出会いを思い出したからだ。　　　　『空手バカ一代』昭和武蔵編  

  2008年06月10日

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  日本の大手メディアは何かに怯えている

  大学の大教室、ゼミナールの飲み会（学生主導）では得られない情報が交わされる。紘道館（オス狼の集団）でも直会（なおらい）が一番楽しいように、このメンター塾（メス狼が圧倒的に多い）での3部、そしてその後の茶話会が一番楽しくなりそうだ。お互いが気を抜く（let their hair down）からであろう。2部では、バカ売れしている『撃論ムック』（西村幸祐編集長）の特集「チベット大虐殺の真実」を取り上げ、人は、組織も、メディアも大きくなれば、羊のように、timid（弱気）になり、真実（ホンネ）で話せなくなる。小さい人間は、それだけ失うものが少なくなるから、より大胆になりやすく、好きなことが書け、話せる。今は大きい組織 ―― それが世界制覇という闇の陰謀組織であっても ―― は瓦解していく。人為的な陰謀（plot）は、いかに強力であっても、天意に勝てない。チベットの熱き血、いかに迫害、そして殺害されているかという女性の激白、そして映画俳優のリチャード・ギアの悲痛な訴えなど、日本の大手メディアは手が出せない。何かに怯えている。    

  2008年06月09日

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  宴のあと

  メンター塾第一回での授業は、私にとり宴のごとく、準備段階から緊張の連続だった。翌日の朝、ヘンな夢で眼が覚めた。最初は二匹の仔猫がじゃれあっていたが、よーく見ると人間の赤ちゃんが真っ裸でレスリングをしている。じゃれあって（play acting）いる。ゲームやスポーツ以前の"遊び"なのだ。フロイドの夢分析によれば、私は肩書きなどすべてなぐり捨てて、素裸になりたいという願望がどこかにあるとでも...文字通り、裸の自分をさらけ出し、英語の発声、リズム、そして言い回しなど、まさに、紘道館でもやらないtough Englishの入門レッスン。この日のテーマは、奥田碩氏の「ひがむ」（メンター・ダイヤモンド参照）。この表現の解説にジェラシーの分析を加え、プロにとり、jealousyはenvyよりもっと恐ろしいものだ、と自らの体験をホンネで語った。envyは足算、jealousyは引き算なのだ。だからもっと暗くなる。90分を3分割し、1部は英語（ちと時間をとり過ぎた）、2部はメンターらしく人生体験を語る。3部は、参加者（mentees）との質疑応答。これだけはオフレコで、その場の空気が優先するので、ブログで書けないようなことも平気で喋る。あの暗殺の数時間前、写真家アニー・リーボヴィッツのレンズの前で、裸でオノ・ヨーコに寄り添うジョン・レノン。

  2008年06月08日

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  「気味悪い話ですね」

  ４年３ヶ月前から、二人が出会う運命にあったとは。予言者はあくまで「媒体」に過ぎず、師自らが見えない私という存在を、磁石のように惹きつけていたのではなかったか。師匠と二人で同時通訳の幕間にコーヒーを飲んでいる時に、ふと４年３ヶ月という長い期間、転職せずに、先生をお待ちしましたという、我ながら感動的な話をしたことがある。「気味悪い話ですね」と、ただの一言。そうです、あれは私の予知夢ですよ、大阪から無名の人物が上京する夢を見ましたからね、とでも言えば、話のつじつまがあい、ドラマになるのに、「気味悪い話」というコメントにはがっかり。まさに鼻白む思いであった。こんなことは、新書にも書けない。はやりブログ番外編というところか。本に書けないことは、そして非公開の私の当用日記以外の情景は、今後もこのブログで書き続けていきたい。こんな私のようなメンター講話、とくに私のtough Englishに関心のある人は、メンター・ダイヤモンドをクリックして頂きたい。  

  2008年06月05日

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  予言者的であった西山千師匠

  ジュセリーノは、最初にこの手紙を送らなければならないと思った時、号泣したという。こういうのをスピリチュアルな出会いというのであろう。レリジャス（宗教的）な出会いでは、人と人、というより、教典を通してのコミュニケーションであるから、これほどの感動は考えられない。 予言者は、どこか一途で純粋だ。恩師（メンター）を大切にする。私のメンターである西山千師匠は、他界され、仏様に、いや神様になられたが、今想い出すと、同じようなピュア・ハートの持ち主であった。なぜナニワ英語道のブログで予言者のことを書きたかったのか。その本当の理由は？それは今、角川学芸出版で書いている「同時通訳名人伝・西山千（仮）」の主人公である西山千という謎の人物が予言者的でもあったからだ。   

  2008年06月02日

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  亡き師との約束

  ジュセリーノの師、シャビエルは言う。「何も言う必要はない。...おまえが夢を見ることはもう知っている。...そして未来を予言するのだ...そのとき私の夢を見て、手紙をくれる...私が死ぬ日をおまえは予知するが、その日はブラジルが優勝する日である」と。 「ブラジルが何に勝利するのですか」とジュセリーノ。「お前は１９８９年に私に手紙を書く。"その日"に、ブラジルがサッカー・ワールド・カップの決勝戦に進み、２対０で勝利するのだ」師の予言は成就された。１０年後の１９８９年、ジュセリーノは、予言どおり、シャビエルの死期を夢に見た。ブラジルがワールド・カップに優勝。私の死後、十年間同じ手紙を書いて、私の墓へ送ってくれ、という約束は、ジュセリーノは今も頑なに守っているという。 佐渡にて 

  2008年06月01日

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  磁石のような人物、シャビエル

  このジュセリーノのメンターは、フランシスコ・カンジド・シャビエル（１９１０～２００２）という名高い霊能者であった。彼の透視による記述で五百点以上の本を書き、すべての著作権を手放し、売り上げはすべて慈善団体に寄与したというゼロの人だ。その磁石のような人物、シャビエルが若いジュセリーノに関心を持った。 そしてこんな意味深な言葉を投げかける。「私はおまえの人生を知っている。おまえは啓蒙的な人間だ。１９８９年の終わりに、ミナス・ジェライスに住むことになり、そこから私あてに手紙を書くだろう。その手紙には、私が死ぬ日が書かれてある。これでおまえは分かるだろう。おまえと私には共通したものがあるのだ」ジュセリーノは驚いた。師が、自分が予知夢を見ることをすでに知っておられたのだ ―― 会う前から。   

  2008年05月29日

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  宇宙的視野から地球を見る

  ジュセリーノは、真剣に地球を危機から救おうとして、今もボランティア・スタッフとキャンペーンをしている。ふと、ラビ・バトラとの共通点を書きたくなった。両予言者は、カトリック（ブラジルに多い）とヒンズー教（インドに多い）の信者であるが、宗教を超越し、ゼロに接近し、「我」から離れ、宇宙的視野から地球を見られている。次元がまるっきり違う。ＮＨＫのあるディレクターに話をしたが、予言者は一切信用しない、民放向きだろうと、あしらわれた。急にＮＨＫが公共に戻った。地球の危機を訴えるジュセリーノは予知夢、資本主義の大崩壊を予知しているラビ・バトラは瞑想（メディテーション）。どちらも無我。そしてどちらも恩師（メンター）を語る時は、涙ぐむ。ラビ・バトラの恩師はＰ・Ｒ・サーカーという歴史家だ。人生ドン底の時に出会った、メンターとの一瞬の触れ合いで、熱い泪がとめどなく流れたと告白されている。   

  2008年05月27日

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  ジュセリーノとツーショットの写真

  ジュセリーノもあらゆる哲学、宗教を求めた純粋な求道者であるが、思考の原点はゼロであり、ゼロを継続（スーニャ）としなければ、「もったいない」という因果、そして循環の法則は生まれないという。ここで彼と私の発想が一致し、思わず歓喜の握手を交わした。 彼の肩に手をかけ、ツーショットの写真をとった。最高の一夜であった。Ｊ・クリシュナムルチというインドの哲学者の話も出た。ヒンズー教徒のラビ・バトラの話題も出た。全ては巡る。このまま環境破壊が進めば、地球に未来はないというのも、ゼロを原点とする因果律ではないか。  

  2008年05月26日

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  ジュセリーノの予言によると…

  ジュセリーノの予言によると、今年の夏、もうすぐだが、地球温暖化の影響で気温が４３～４５度に急上昇し、デング病が発生するという。しかし、良い知らせもある。今年、ある植物から「エイズ」のワクチンが開発される、という。 ジュセリーノは、予知夢の相談に関しては、一切報酬を求めない。アメリカ政府から、家族ぐるみで面倒を見るから、引っ越さないかという誘いがあったが、ビジネスに関与すれば、霊能力は落ちることを恐れてか、頑なに断っているという。   

  2008年05月25日

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  マジック・エイジ。１３才

  二次会で隣に座ったジュセリーノと私の二人の会話はすべて英語であった。断食はしたことがないというので当てが外れた。夢はシンボルで見るのではなく、現実がまるで動画を見ているように眼に映るという。彼の叔父はビジョンが見えたから、予言者であろうというが、彼の家族で予知夢が見える人は、他にだれもいないという。９才の時に人と違った才能があることを自覚したが、本格的に動き出したのが１３才というマジック・エイジ。１３才の時から、予知夢に登場した著名人宛に警告文をひっきりなしに書き始めた、という。もう止まらない。そして警告文の原本を登記所で登記するという。その数が５０００件に及ぶというから尋常でない。そして今も警告し続けている。  

  2008年05月23日

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  予言は現実のものとなった

  西山千師匠は、９月１１日の米国同時多発テロにかなり衝撃を受けられたらしく、すべての公職を辞退され、ひとりぼっちで淋しく孤独な道を歩かれた。アメリカに、そして世界に失望されたかのようである。 私事はさておき、２００１年９月１１日の米国同時多発テロを予知夢で知り、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領（父）宛に手紙を書いた予言者がいた。ジュセリーノがその人である。「ワールド・トレード・センターに２機の飛行機が激突する。ビルは崩壊し、１００００人の人々が亡くなるでしょう。それが起こるのは、２００１年９月１１日。」そして２００１年９月１１日、予言は現実のものとなった。ジュセリーノは、この史上最悪のテロを、なんと１２年も前に予言していた。ブラジルで知らない人がいないという、この世界最強の予言者は、会って初めて知ったことだが、妻と４人の子供に囲まれて、ひっそりとつつましやかな暮しをされておられるという。まさにふつうの人だ。そんな人の予知夢が９５～９７％以上、的中するというのだから、天才なのだろう。会って、話をしても、ふうつの、人柄のいいおじさん。だが、氏に関する２冊の本をあとで読破して、頷いた。夢の中では、話されている言葉が外国語であっても理解でき、日付やかかわった人の名前さえわかるという。ポルトガル語以外の数ヶ国語が話せるうえに、見知らぬ外国語もすぐに覚えられるというから、南方熊楠のような天賦のひらめきにも恵まれている。  

  2008年05月22日

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  予言者がメンター（人生の大先輩）になる時

  予言者 ―― 気になる存在だ。 私を、同時通訳の名人・西山千に引き合わせたのも、ある予言者であった。「転職はやめなさい。４年３ヶ月のちに、日本で有名な人から誘いがくる」。この４年３ヶ月という数字が気になり、ほぼ決めていた転職を断念し、待つことにした。私が同時通訳者として米国大使館に入館した日と、一日も狂っていなかった。西山千という同時通訳のパイオニアの顔が見えたとでもいうのか。世の中には、先の出来事が見える人がいるものだ。上京して、ずっと後に、私は憧れの予言経済学者のラビ・バトラの知己を得、氏の一時間以上にわたる同時通訳を引き受けることになった。念ずれば花開く。最近はどういう風の吹き回しか、史上最強の予言者ジュセリーノと会うことになった。どうも予言者と聞くと、磁石に吸いつけられるように誘われていく。同時通訳者とは、話者が発した一言を耳にして、直観的に結論が見え、そのイメージを他言語に転換する人のことだから、語学力以外に非凡な予知能力が問われると言い続けてきた。今でも、ネイティヴの英日の同時通訳をする時は、最低十分間の打ち合わせが欲しいと要求する。内容というより、その人間にいかに感情移入ができるかという、私自身の予知能力が試される闘いが始まっているのだ。 　　　「ジュセリーノ予言集」

  2008年05月21日

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