Eity File

今日、野球部の3年生の1人が野球部を止めた。理由はもちろんイジメや暴力ではなく、勉強に精を出したいということだった。先日も、1年生が他の大学を受けなおすとの理由で休部した。本当に、寂しい夏休みである。

しかし、今回の件はなかなか難しい問題であった。この3年生は1年の頃から何かと問題が多いやつだったのだが、今回、新チームの中ではムードメーカー的存在として順調に活動していた。さすがに、最上級生となった今では、リーグ戦に向けて下級生を引っ張っていってくれるだろうと考えていた。しかし、歯車が狂いだしたのは、7月の下旬。急に、テスト期間を理由に部活に顔を出さなくなった。他の部員も授業の単位がヤバイから来なくなったんじゃないかと思っていたんだけど、それがズルズルと引きずって、止めることとなった。

もちろん、同じ3年生のみんなは、そいつのことを一生懸命引き止めていた。何度も話し合いを重ね、もう一度考え直してみてはどうかと説得していたのだが、結局応えは変わらなかった。

その中で、俺の監督としての立場はどう取れば良かったのだろうか？と考えてしまう。今回の件は、3年生と比べてフォローはほとんどしなかった。もちろん、それにはそれなりの理由がある。俺としては、こいつがこれまで多くの問題を起こしてきたのを知っているし、それでも3年まで野球を続けてきたことを知っている。それに、本人もこの答えを出すのにかなり悩んだはずである。野球だけではなく、就職も含めて・・・。そして、そいつは退部という答えを出した。俺としてはあと1年残って欲しいと思っている。自分達の時代は楽しいし、野球を4年間続けて欲しかったから。でも、そいつはそれとは反対の答えを出した。そいつが悩んだ時間とこれまでのやつの行動、それらを含めて、俺はあえてそいつの退部を引きとめようとは思わなかった。何も言わなくても、こっちが言いたいことは全て分かっているはずだから・・・。

正直言って、野球は上手くなかったし試合にも出たことも無い。それでも、そのキャラクターから、野球部のムードメーカーだった。本当に非常に重要な存在である。野球がヘタクソでも、チームの中に存在を見つけることができるポジションである。その1人が抜けた。これから、チームの雰囲気が少し変わるかもしれない。少し不安である。でも、そいつが退部したことを受け止めないといけない。そいつの変わりをできるやるはいないかもしれないが、また当たらしやつが成長するのを期待するしかない。

4年間野球を続けさせることができなかったのは残念だけど、自分で決めた道なら迷わず突き進んで欲しい。どこにいても、自分の決めたことは実行しないと生きていけない。野球を通していろんなことを学んだと思う。その経験を生かして、他の道でも頑張って欲しいと思う。少し冷たく接した最後であったが、それは野球での最後であって、人との最後ではない。これからも、どこかで会ったら挨拶をしよう。では、お互い前を見て頑張ろう！！