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カテゴリ:建築目安箱
《建築目安箱》最近の建築業界どうなの?
建築基準法を守って建築物を建てる。 建築基準法を守って建てるための最低基準の審査がかつては役所だった。 ただ、役所の審査官(建築主事という)および、担当官が全て建築基準法に精通しているわけでもないけれど・・・中には条文が頭に叩き込んである凄い人もいらっしゃいました。 私がまだ好青年(自分で言うのです)だったころ、もちろん若かったから好青年だったのですが、若いから勉強不足。確認申請を提出に行くときは、建築基準法の法令集を片手に窓口にお邪魔したものです。 地方の審査業務はそれなりに小規模建築物が多いので、法解釈も、さほど難しくはなく、ある意味ドキドキ感はなかったのですが、私もかつては都会で仕事をしていた頃がありまして、横浜の市役所や新宿区役所などの建築課に確認申請を提出に行くときは本当に緊張しました。 受付の担当官が若い我々を見つけると、実に楽しそうにチェックを始めます。(少なくとも私にはそう見えました。あの頃は・・・) 一応、矛盾点がありそうな部分の法解釈は事前に組み立てていくので、こう聞かれたらこう答えよう!と防御体勢万全のつもりなのですが、いきなり予想もしないところを聞かれたりすると、もう、大変です。 「この部分については何を見て決めましたか?」のような質問がくる。 えっと。。。小脇に抱えた建築基準法の赤本をベラベラめくりながら暫く適用の条文を探すのですが、なにせ、新人ですから、どこをどう答えりゃいいのかさっぱりわからない。・・・どうしてベテランが一緒に行かないのか?ですか。一緒になんか行ってくれません。みんなそうやって覚えたのですから。 悪戦苦闘、必死になって探すのにも限界を感じた頃。。。 「○○条第△項、この辺をよく読んでみたら?」と図面をチェックしながら、楽しそうに話してくる。。。。ハっとしてそのページを開くと、なるほど、なるほど。。。でも、その基準法もの解釈だと、この建物のこの部分は修正が必要になる。 むむむ。。。このまま引き下がったら、上司に大目玉。 何しに建築基準法勉強してるんだ!の声が頭に響く・・・・ 緩和規定で解釈したのかなあ。。と、担当官は一人ごと。 なに!?緩和規定なる条文が存在するのか?。。で、どこに?? 教えてもらった条文を探しても、緩和規定が読み込めない。。。 どうする、どうっする。。。 「あのさあ、ここに着くまでの電車の中でもいいから、法令ぐらい勉強してきてよね・・」と上目使いにこっちを見る担当官。 ぐぐぐぐ。。電車の中は寝るもんだと思っていたのに。。。 かつて、渋谷発の東急東横線、元住吉で下車するはずが、終点桜木町まで大爆睡して車掌さんに起された。。。終電でしたから、、、、た~~いへん。という寝方は何回も経験している私でしたが、そっか、電車の中は勉強するとこなんだ。。と、気が付いたのもその時。 だいたい、田舎もんが都会に行ってるわけですからねえ。 つまり、 役所の担当官は、、昔は結構つわものがいた。 民間の会社の上司より厳しいお役人だっていたのです。少なくとも私はそういう人たちに鍛えられてきました。 法を守るという当たり前の責任感があのころの審査官にはありました。 小さな政府。。とか、構造改革とか。小泉首相はいろいろ打ち出してきました。確認申請業務も民間に委託され、5年ほどの間、さほどの波風も立たずに業務は進行していましたが、いま、手抜きがバレてしまった。 ある意味でまだ、何も起こらないうちに不正が発覚したからよかったのかもしれない。。。 阪神大震災のときに。特定のデペロッパー(開発会社)の建築物だけがバタバタと倒れて不審がられたそうだが、なにせ緊急のときで地震のニュースよりは大きく報道されなかったそうです。。。そういう話が今になってこんなふうに聞けるんですからね。。。 早く対処されることを望みます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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