Electropicoの音楽三昧日記

[Art] カテゴリの記事

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• 33 マンボラマTokyo「ニューヨーク・ラテンのデザイン」＠Bird Cafe

  マンボラマTokyoによる、稀代のイラストレータでありサルサ・エバンジェリストの河村要助が持参したラテンのレコードジャケットを後輩のイラストレータ佐藤卓が鑑定するという企画。てっきりレコードコンサートかと思っていたが、そのレコードをかけるわけではなく、ひたすらジャケを眺めるというマニアックさ。更に言えば、実は河村さんと共に過ごす時間を楽しむのが第一の目的に違いない。そして道具立てとしてのレコードジャケなわけだ。音については、『全部良い（河村）』の一言ですから。パラディアムのマンボ時代からブガルーを経てサルサへと至る数々の名ジャケ迷ジャケを巡る師弟トークは絶妙で苦笑失笑爆笑。瓢々とした河村さんの味が存分に楽しめた。デザインについても、トロピカルだったりサイケだったり、ラテン的なデザインをなんとなく仕入れられた気がする。また、ホールでスーツを着て楽しむマンボ時代から、一転ストリート産のブガルーや初期のサルサ、そして再びショービズに組み込まれるサルサ、という歴史の流れがジャケから見えてきたのは面白かった。2時間のトーク終了後、ウィリーナガサキによるトーク＆ライブ(パーカス漫談？）。ファニアの音源に合わせてコンガ、ボンゴ、マラカスetcを演奏する。その脇で藤田正さんがひたすら一人で踊っていたのは更に可笑しかった。20年タイムスリップ感。最後までいたかったが、終了前においとま。河村さん名言集。勇気はあるけど金はなかった（一発屋だから）人生のピークだ耳というか、心がね。。。古くから聞いている先生方は、（サルサは）漏れちゃう（今はインターネットで簡単に情報は入るけど）情報のない部分は伝わってこない。（レコード買うのは）失敗しないと、ダメだね。

  March 3, 2007

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• 1/27 ネルソン・ドミンゲス展@青山プロモアルテギャラリー

  ハバナでは、いや、キューバでは知らぬ人もいないほどだという彼の地の芸術家、ネルソン・ドミンゲス。パリなど海外在住も長く国際的にも知名度のある彼だが、数多い来日で日本にもファンが多い。絵画、版画、彫刻、陶器となんでもこなす彼の、今回はモノトーンの絵画の展示。力強い線が印象的。あまり時間がなくじっくり見ることができなかったのは残念だった。

  January 27, 2007

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• 11/19　仏像展

  一本の木を彫って作る仏像を一同に会した展覧会。雨のせいか、何とか落ち着いて見られる程度の込み具合で、気に入った像の前でゆっくり眺めることができた。特に私が気になったのは、菩薩立像／香川・正花寺聖観音菩薩立像／奈良　連城寺宝誌和尚立像／京都・西往寺十一面観音菩薩立像／滋賀・大平観音堂三十三観音菩薩坐像／小栗山木喰観音堂それにしても、最後に並べられた江戸期の円空と木喰。それまで美術品を見る感覚でいたが、ここに至り思わず手を合わせた。より古い作品との大きな違いは、その作風もさることながら、作者の人生に関する情報が多く残っていることだ。仏像を見て、その作者の人生を想う。だから、そこに祈りが生じたのではないか。

  November 19, 2006

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  9/26　バルセロナ6日目　Carles Santos、Juan Miro

  ついに、バルセロナ最後の日。まず夜行列車を予約し、サンツ駅のコインロッカーに荷物を預ける。そして、最後に普通の観光。カタルーニャ美術館。高台に堂々とそびえる建物。かなり広いががんばって一通り回る。中世絵画がメイン。たまにある、カラフルで具体的な幻想絵画、といった感じの絵が好き。ミロ美術館。ここでたまたま特別展示されていたCarles Santosにノックアウトされた。これは写真では伝わらないのでYoutubeでどうぞ。絵、写真、造形、映像、音楽、舞台。展示の多くはどうやら舞台装置らしいが、どれも強烈。ラウンジで彼の作品のビデオの断片を1時間ほど見る。バルセロナオリンピックのファンファーレも彼の作らしいが、たぶん見ていなかった。彼の生舞台を見てみたい。日本には紹介されていないのだろうか?　ビデオは出ていないのだろうか?　来日しないだろうか？これを見た後のミロは、もうどうでもいい感じだった。最後にまた旧市街に戻り、CDを物色。あまり冒険はする気にならず、結局有名どころ（Ojos、Macaco、08001等）の新旧譜ばかり買い込む。さあ、夜行でグラナダへ！

  September 26, 2006

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• 9/3 マエタケスタ！＠銀座みゆき館劇場

  今日は演劇。いつも音楽、ダンス、美術ばかり行っていて、映画もこのところはドキュメンタリー(風含め)が続いていて、ストーリのある物は久しぶりだった。うちの弟が演出で参加している小劇場系プロデュース公演。記憶喪失の男が直面した、自分を取り巻く矛盾だらけの人間関係。それをひも解くうち、自分が多重人格者であったことを思い出し…これは誰に向けた物語なんだろう？少なくとも僕向けではなさそうだ。ひきこもりが夢想する魅力的な別の自分が実際に動き出すというのは、実際のひきこもりにとっては魅力的な話なんだろうか？大人はあれくらいのことは同一人格内でやってるわけだし。まあまあ面白かった、というところか。

  September 3, 2006

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• 8/16 アフリカ・リミックス＠森美術館

  インスタレーション、写真、ビデオ作品、、現代美術の表現はアフリカだからと言って区別はない。正面からフォークロアを扱った作品は少ない。いくつかの作品では戦争紛争の影は色濃いがそれだけではない。でも、やっぱり、アフリカぽい。そんな中で気に入ったのは、現代風俗をモチーフにしたカラフルで細長い体躯がアフリカ調の木彫。これぞポップというものではないか。

  August 16, 2006

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• 7/28-8/9 Colors @表参道OPA Gallery

  色をテーマにした企画展。各アーティスト一品ずつだが、その中に松岡芽ぶきが出展しているので初日に参上。彼女とはちょっとだけお話しして絵を見る。緑色をした幻影植物は絵だけでも説得力があるがそれにつけられた物語がさらに空想へ誘う。気になって他の全作品のキャプションも読んで見たがそのような作品は見当たらなかった。彼女の経歴を聞けばその文才が別格であることに納得するしかない。画才と文才を生かした作品といえば絵本が思い浮かぶが、絵も写真も立体もやる彼女ならそれ以上のものを生み出してくれそうだ。勝手に期待がふくらむ。7/28-8/9 11:00-19:00Colors表参道OPA Gallery

  July 28, 2006

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• 7/1 東急目黒線地下化工事

  7/1深夜は、うちの近所、東急目黒線の武蔵小山と不動前の間の地下化切り替え工事。２つの跨線歩道橋と踏切、3カ所を行き来しつつ見物。地下への入り口が、その大きな口をどのように開けていくのか興味津々、いろいろ想像していたのだけれど、予想は外れました。不要となる線路部分を解体するのではなく、大きな2枚の線路プレートに分け、巨大ウインチを何台も使って、まず上下に、そして平行に移動させていく。最後には地下入り口部分の屋根は線路の三枚重ねとなる。いや～凄かった。そのほか、踏切の閉鎖、駅ホームと線路部分の角度変更、長いハシゴを使っての架線の接続など、見所満点。とはいえさすがに日記を4本つけるほどの忙しい一日の終わり、3時半くらいにはくらくらしてきたので、始発は待たずに帰りました。

  July 1, 2006

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• 6/8 オラファー・エリアソン Your constants are changing　@Gallery Koyanagi

  Your constants are changing春に原美術館で見たオラファーの新しい展示会。5/31 - 7/8まで。全11作品。今回はVJ的な動く光の展示は無いが、見る角度によって色合いの変わる不思議なランプの回りでは見る側が動かされてしまった。音楽や美術など芸術の美しさにはすべてその基礎に数学や物理学が深く関わっている。彼の作品に接すると、自然科学が本来的に真理＝美を追求する学問であることを思い出す。今回は三角関数や多項式、そのグラフそのものが展示されている作品もあり、前回の原美以上にダイレクトに数学・物理学の美しさに感じ入った。学問が何に役に立つのかわからないゆとり教育の犠牲者たちに、こういう方法で、それがまず美しいものだということを感じてもらうのはどうだろう？さて、ここは銀座の画廊なので、入場は無料でその代わり展示品には値段付き。誰でも買うことが出来る。とはいえ数百万～一千万超。そう簡単には。。　と思ったら展示開始一週間ほどで既に半数が売約～商談中。そういうものなんですね。

  June 8, 2006

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• 3/5 オラファー　エリアソン　影の光　@原美術館

  このデンマーク人作家の展覧会、正月からチェックしていたものの、いつの間にか最終日になってしまい、天気のよい日曜日、昼過ぎに、高輪の原美術館へ出かけました。彼の作品は、ひかり。科学の実験のような道具立てで、美しくも不思議な光景が現れています。そのひかりを見ながら、科学の目的は真理の追究で、真理とは絶対的に美しいもの、だから科学と芸術は同じなんだなあ、なんて考えが浮かびます。彼の作品は、ひかり。まるでVJアートのようにも見えるけれど、少なくとも今のVJは、限られたスクリーンに投影されるにすぎず、空間を光で満たすことはできない。この作品をそのままクラブへあるいは舞台へ持って行けば素晴らしい演出になるなあ、なんて考えが浮かびます。わずか１０点の展示でしたが、とても満足。もちろん、海外で展示された作品を図版を見たら他にも素晴らしそうな作品がたくさんありました。ただ、彼の作品は、図版では決して再現出来ません。生で見てみたい作品が、たくさんありました。ぽかぽか陽気の日曜日、展覧会最終日の午後は、徐々にごった返し、帰る頃には長蛇の列ができあがっていました。

  March 5, 2006

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• アラビアンナイト大博覧会　＠国際交流基金フォーラム

  アラビアンナイト大博覧会国立民族学博物館によるアラビア関係の展示が巡回してきている。アメリカのイラク侵略以降更に注目されるアラブの勉強に行ってきた。・アラビアンナイトの成立、西洋による「発見」、中東への逆輸入、世界への拡散・子供向けおとぎ話と大人向け艶話への二極分化・アラブの生活の実際～家、珈琲、食物、衣服、楽器、文字、書道、ベリーダンスいろいろと勉強になりましたが、特に心動かされたのは書道です。簡潔な墨の色に、多くの伝統と制約を下敷きにしながらも自由闊達な筆致。実は先日のSala Koe'でのライブの際、壁に掛かっていたアラビア書道を初めて見て気になっていたのですが、ここで再会出来ました。日本のアラビア書道家、本田孝一先生の書でした。欲しくなりました。そして、そう、千夜一夜物語を、実は読んだことがない、ということに気付いてしまったんです。なぜだか知ってる気になって展覧会に来てみたら、知っているのは子供向けのごく一部だけで、その他膨大なテキストが残っているんだと。とにかく、大人向けのを読まなきゃ(笑

  January 28, 2006

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• マリオ・ディアス写真展「キューバ1980-2000 」＠東京工芸大学

  東京工芸大学にて、キューバ関連展示中マリオ・ディアス写真展「キューバ1980-2000」東京工芸大学中野キャンパス内　写大ギャラリーギャラリートーク：12月3日（土）　14:00～16:00“岡村征夫・金子良二写真展　―キューバの芸術家達―”東京工芸大学　芸術学部 芸術情報館1階　ギャラリーA映画ポスター展　キューバの映画ポスターキューバ映画及び日本映画などの名作ポスター50点東京工芸大学　芸術学部 芸術情報館2階　ギャラリーB~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~友人がポスターを見つけて知らせてくれたこの展覧会、ギャラリートーク目指して訪問した。Ｉちゃん、ありがとう。行ってみてわかったが、この日はマリオ・ディアスご本人によるギャラリー・トーク。これはもっと宣伝すべきでしょう。大学さん、宣伝が少なすぎです。前半はキューバ写真100年の歴史、そして時代と共に変化するテーマをスライドショーで紹介。後半は展示作品の解説と質問コーナー。いくつかの作品に対し、意味を問う質問が上がったが、本人からは形而上あるいは社会政治経済といった意味よりも、構図やコントラストといった意図が提示される。我々はついキューバ人ならではの何かを求めてしまうが、彼はまず一人の写真家なのだ。勝手な期待とのズレが興味深い。30分ほど時間を延長し、トーク終了。その後にようやく作品を見て回ると、絵はがきなどで以前から見たことのある作品がいくつもある。やはり代表的な写真家なのだと納得。彼の写真は全てモノクロ。正直なところ、私は、モノクロ写真から、キューバのあの湿度や温度を感じ取るのにずいぶん時間がかかった。じっくり見て想像することで、ようやく味わえる、モノクロとはそういう言語なのか。そして、やはりそれらのシーンを見ていると、キューバならではの意味を思い浮かべでしまうのだった。キューバの芸術家写真展とポスター展も、駆け足で回った。まず、写真。こちらはカラーの日常スナップなので、キューバ人の日常がぱっと思い浮かぶ。チョコやコルダといった、知っている顔については、その自宅ショットが興味深い。ただし、ステレオタイプを感じさせる解説文章には若干違和感を持った。映画ポスター。日本では考えられないが、キューバの映画ポスターは、それ自体がデザイン性の高いシルクスクリーン作品であり、映画内容を直接表すものではない。苺とチョコレートや永遠のハバナなど、映画自体を見ているものについては、なるほどこう来るか、と納得。クロサワ映画などの日本映画については、自分がそれらを全然見ていないことに愕然。ハラキリ見なくちゃ。

  December 3, 2005

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• イサム・ノグチ展　＠東京現代美術館

  以前から気になっていたイサム・ノグチ展へ行ってみた。恥ずかしながらMOT自体今回が初めて。駅から10分以上歩いて到着、当日券売り場で15分待ち。何となく焦って早く会場に入ろうとするが、2度も展示室入り口を間違えてしまった。看板を見て進んだはずだし、方向音痴ではないはずなのに、おかしいなあ、と。さらに、トイレに入ろうとすれば、女性と車椅子のサインがあるのだが、男性のサインだけは入り口からは見えず、わからないまま奥へ進み、ようやくサインが見える。もちろん、どちらも慣れれば問題はないのだろうが、それでいいのかなあ。作品を見る前に、美術館のデザイン意識について疑問を感じてしまった。とはいえ気を取り直して展示室に入る。イサム・ノグチについてはあまり予備知識のない状態だったが、今回の展示で一番気になったのは、最後の部屋に展示されているいくつかの実現しなかったプレイマウンテンの模型だった。作品の前でかがんで虫瞰ならぬ児瞰してみる。心の中でその中を歩いてみる。バランスを取りながら登り、回廊を巡り、滑り降りる。楽しそうだ。平らな面がないその形は、荒川修作＋マドリン・ギンズの養老天命反転地を想起させた。こちらは、このノグチの模型よりも更にアンバランスな実在空間。しかし、ノグチの夢が実現したという札幌のモエレ沼公園はかなり実際的実用的に見える。自分としては、札幌と岐阜だったら、まずは岐阜に行ってみたい。展覧会場となりのブースへ移り、ノグチのソファに座ってBrutus Casaのノグチ特集を読んだ。これを見ると、今回の展覧会はノグチのごく一部しか紹介していないことがわかる。どうせなら牟礼に行ってみたい、という気になる。あ、考えてみたら、四国へは学生時代に松山へ行ったきり行っていないのだった。カリブばかりで国内は全然回っていないのもどうかと思う。その後、常設展へ。ここでは、ジョゼッペ・ペノーネの「木の書物」が一番気になった。材木を掘り進み、年輪を慎重に剥ぎ、その芯にある若い頃の木の幹を掘り当てた作品。自分も皮を剥いで行くと幼い頃の姿を現すのだろうか。皮のむける感覚に、皮膚が鋭敏になった。そんなこんなで、駆け足で回る間に6時閉館。展示品の少なさにも物足りなさを覚えてしまった。とはいえ、今後は企画展にはマメに足を運びたい。

  November 13, 2005

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• 恋よりどきどき／ダンス、空間、そして音楽の軌跡＠東京都写真美術館

  恋よりどきどき　コンテンポラリーダンスの感覚（アイステーシス）（10／1～11／13）東京都写真美術館日本の３つのコンテンポラリーダンス・カンパニーによる、写真ではなく、ダンスでもなく、インスタレーションの展示。一番大きい空間を占めるのは、学ランダンスでかなり有名になってきたコンドルズ。段ボールで区切られ、学園祭ノリでデコレーションされたごちゃごちゃした迷路。その先では映像作品を上映しているが、音声を流すヘッドホンが3つしかなく、長く待ってようやく聞くことができた。宇宙。焔。ロック。音と映像がシンクロしておらず、あくまでBGMなのには、ああ、ダンスが主の人なんだな、と。後の二つはこじんまりした展示。珍しいキノコ舞踊団は、ダンススタジオを模した空間にモニターを並べモニター越しにダンス指導。客は自由に踊って良いことになっているが、残念ながら誰も踊っていない。ま、僕もちょっとだけやってみたけどなかなか勇気が出ませんな。変な動きだったし。インスタレーションの中にいる人間はもうインスタレーションの一部なんだけど、ね。ニブロールの展示は、白い壁で囲まれた空間。三方の壁にはCGが投影されている。その空間に入り込んだ人の影がそのCGに反映される仕掛け。せっかく、歩くと揺れる不安定な床がしつらえてあるのだが、その空間に入り込んだ人たちは、その床で遊ぶことをせず、壁際でつっ立って見ている。自分の影がCG内でなるべく動かないように、そおっとして、そして静かに出口へ向かってしまう。自分が関与出来る世界があるのに、関与してほしがっているのに、双方向コミュニケーションを拒否し、傍観者でいたい人たち。そんな人たちを再発見してしまった。なんとも寂しいこと。ダンサーという人種の人たちと一緒に行けばもっと良かったな。～～～～～ダンス、空間、そして音楽の軌跡　ローザスとアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルの25年（10／1～10／30）東京都写真美術館150点の写真、30分ほどのビデオ、そして砂を敷き詰めたフロアに天井からビデオ投影するダンス作品。まずビデオを見る。女性ソロで、振付言語＝ダンスのボキャブラリを延々と映し出す。たくさんの言葉が出てくるのだが、感情が爆発することはなく、もやもやとしてしまう。感情そのものといえるような、わかりやすく衝撃的なアフリカ由来の動きとは全く違うなあ、と今更当たり前のことを感じる。砂に投影されている作品名は"Violin Phase"。これも実はインスタレーションで、砂場へは出入り自由。そして、たくさんの足跡で砂は波立っている。なのだが、しばらく僕が見ていた限り、中に入り込んだのは僕一人。やはり多くの人は、自分がそこに影響を与えないように遠巻きに、お行儀良くしている。そうやってしつけられてきたんだよね。でも、こんな非日常空間では、それを脱ぎ捨てなくちゃ。そう思って、一回りして足跡を付けてきた。

  October 23, 2005

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• 吉野敏子　個展「アンデスの人びとを描く」　＠ 千住宿歴史プチテラス

  北千住には昔ながらの蔵が多く残っているのだという。そしてその内の一つが、移築改装されてギャラリーとして使われている。赤茶色の柱梁に四角く区切られた真白い壁。その升目に収まるように壁面につるされた絵。その絵の前に置かれた焼き物と木の彫刻。それらは、みなどれも踊り出しており、視覚を通じて音が聞こえてくる。優しい。楽しい。嬉しい。愛しい。吉野さんは、板垣あすかのお母さんのお姉さん。あすかの公演で何度もお目にかかっているが、作品を見せて頂くのは今回が初めて。いや、正確に言えば、彼女は、以前ナルシソ・メディナのショーのためにポスターを制作したことがあるので、二度目か。その個展、この場所で5年目となるのだそう。オープニングパーティは18:30から、ということだったが、僕は一時間遅れで到着。小さな蔵からは人があふれている。僕もあすかを通じて知り合った千住～幸手の人たちが一同に集まっていた。なんともアットホーム。その前にも、尺八演奏などいくつか出し物があったようだが、僕の到着した時には、ロシア人留学生によるバラライカの演奏の最中だった。そして、板垣あすかによる即興のダンスと、最後に幸手ケーナのご主人とパチャママによるフォルクローレ演奏。演奏が終わると、たっぷり時間をかけて、集まった全員の紹介。こうして人の輪が広がっていく。なんとも素晴らしいじゃないですか。吉野敏子　個展「アンデスの人びとを描く」千住宿歴史プチテラス10／19～23　11:00-18:00　無料

  October 19, 2005

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