中退共で節税
中退共ってご存じですか?正式名称は、「中小企業退職金共済」で中小企業退職金共済法に基づき設けられた中小企業のための国の退職金制度です。従業員の退職金を積み立てる制度で、掛金は全額損金になります。掛金月額は、5000円~30000円までです。事業主や役員向けの小規模企業共済に似た制度ですね。違いは、退職金や解約時の給付金は、従業員に直接支払われるところです。加入期間が12ヶ月未満の場合は、退職金、解約給付金はでません。12ヶ月~23ヶ月の場合は、30%~50%に減額されます。24ヶ月以上掛けていれば、退職、解約でも100%戻ってきます。従業員の妻にこの制度を使うとどうなるか考えてみました。受け取った従業員は、退職金の場合は退職所得、解約給付の場合は一時所得となります。退職所得は、(退職金-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額退職所得控除額は、勤続年数が20年以下の場合、40万円×勤続年数退職所得の金額が195万円以下なら税率は5%です。一時所得は、(今回は解約給付のみで考えます)解約給付金-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額一時所得は総合課税ですが、一時所得の金額を1/2した金額が20万円以下であれば、申告不要です。社会保険ですが、基本的に一時所得は恒久的な収入ではないので、扶養から外されることもありません。(保険組合によって違うようですが)さて、この制度で月3万円掛けると、1年で36万円、2年で72万円ですね。このまま退職するまで掛け続けてもいいのですが、2年で解約した場合はどうなるでしょうか?会社から見ると72万円は損金、妻から見ると72万円の解約給付金です。72万円から50万円控除すると22万円。で1/2すると11万円。申告不要ですね。これを2年ごとに繰り返して退職金の前払いってことでどうでしょう?ちなみに、もっと退職金を積み立てたい場合は、中退共と特退共を組み合わせる手もありますね。(重複加入を認めていない特退共もあります)