カテゴリ:50&60年代男性ソロ
19世紀のシーシャンティ(海や船乗りの歌)を集めたアルバム。 ニューベッドフォードの捕鯨博物館や図書館で古い航海日誌を調べ研究したポール・クレイトンは、シーシャンティの権威というだけでなく、優れたギタリストであり、またシンガーでもあった。 ポール・クレイトン(1931.3.3‐67.3.30)は捕鯨の町として有名なマサチューセッツ州ニューベッドフォードに生まれた。祖先には捕鯨船の船長や水夫もいたが、何年も捕鯨船で仕事をしていた祖父の存在が民謡に興味を持つ最初のきっかけとなった。 彼の研究は民俗学の学者から絶賛され、またニューベッドフォード市が様々なお祭りの一環として上映したワーナー社の「白鯨」(1956年)の世界初演に招待された。このアルバムには、その際に録音されたものも多く含まれている。 50年代から60年代にかけて15枚ほどのレコードを残しているが、36歳の若さで死去。一説によるとオーヴァードースだったらしい。 録音は半世紀近く前だが、音質は驚くほどクリア。古い音源に見受けられるモコモコ/プチプチした感触がほとんどないのは保存状態が良かったか、リマスタリングの腕が良いのだろう。 誰の手も借りずに生ギター1本で弾き語るスタイル。ボブ・ディランにも影響を与えたクレイトンだが、ディランと比べるとまったく平凡な声質、ダミ声でもなければ無駄に美声というものでもない。この畑のシンガーに多い「気取らず飾らず訥々と」を彼も表現している。 アメリカ人による作品のため、収録されているトラッドも英国産に限らない。たとえば3は、1879年から83年にかけてニューベッドフォードより出航した捕鯨船の記録に登場しているし、12もアメリカ民謡だ。 しかし9と13はイングランド民謡、5はアイルランド民謡である。 http://www.wirz.de/music/claytfrm.htm お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/11/15 06:20:06 PM
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