カテゴリ:50&60年代男性ソロ
さ、めげずにグラスゴー出身者をもう1人出そう。 ドノヴァンより3年早く生まれたバート・ヤンシュの4枚目のソロアルバムです。 盟友ジョン・レンボーンの妻ジュディ・ヒルの友人で、バートとはごく短期間恋人同士だったジュディ・ニコラ・クロス。 「ニコラ」のタイトルは彼女にちなんで付けられました。 2人の関係は67年の後半から冷め始めたようだけど、レコーディングが行なわれた4月の時点ではまだ幸せいっぱいだったみたいです。 いつもの6弦生ギターのほかに12弦ギターとエレキギターを用いた初めての作品であり(彼のソロ作でエレキギターを再び聴けるのは33年後!)、70年代にジェスロ・タルに加入する鍵盤奏者/アレンジャー、デイヴィッド・パーマーの初仕事作品でもあります。 狙うはずばり、フォークとオーケストラの融合。 前作まではアコギ1本声1本、入ってもセカンドギターかバンジョー程度だったのが、本作にはストリングス、スネア、ホーンなどこれまでになかった音色が多数ちりばめられています。 初めてだというエレキギターも無理矢理感がまったくなく、軽めのドラム&管楽隊等との組み合わせともよく溶け合っています。 使用する楽器の数が大幅に増えたからなのか、サウンドの広がりもすごい。曲によっては多重声にしていて、これがまた新鮮。 しかし根底にあるのは本人の滋味なギターと歌だからして、わずかに荒涼とした雰囲気はこれまでどおりなんですね。 旋律そのものはマイナー調が多いようにも思えますが、笛を重ねたりと一工夫することにより、心憎いまでの「なんとはなしにお涙頂戴節」になっています。 少しだけ顔を覗かせていたブルース色は、次作「バースデー・ブルース」で本格登場。 ニコラ(紙ジャケット仕様) / バート・ヤンシュ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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