カテゴリ:70年代男性グループ
前作「フル・ハウス」のラインナップは個人的に歴代最強だと思います。スタジオ盤なのにやったらたぎっていて威勢が良くてかっこよかったなー。 そこからリチャード・トンプソンが脱退し、残った4人で作り上げたのが6作目「エンジェル・ディライト」。 トンプソンが抜けた影響なのか、前作で見せていたスピード感溢れる演奏(というかすでにバトル)は後退しています。 いかにも漢でマッチョなパフォーミングだった「フル・ハウス」と比較すると、こちらはややたおやか。ソフト化したと言うのは行きすぎだけど、ガツガツした硬派な部分が少なくなっているのは確かです。 でもポッピーまではまだ行ってないかな。重厚さは残しつつも緊張せずに聴けるエレクトリックフォークね。 デイヴ・スウォブリックはシンガーとしてもだいぶ堂々としてきていて、4曲でリードをとっています。 ちょっと高めの音域でもわりとすんなり出ていて4などは歌のみ担当ですよ! もうシンガーとしても名乗れそうなほど、器楽奏者のシンギングにありがちな「ついで感」がないのです。 取り上げているトラッドはコッパー・ファミリーからジャー・ウォブルまでたくさんの人(グループ)が演奏してきた7、A・L・ロイドもやった9など全部で6曲(メドレーをばらせば8曲)。 デイヴ・ペグとスウォブリックがバイオリンを、サイモン・ニコルがヴィオラを、デイヴ・マタックスがベースを弾く弦楽四重奏の3はちょっとした聴きものです。 一方、自作は4曲。うち5と10はスウォブリックとトンプソンの共作になっています。 5はサビの歌メロがどことなく“マティ・グローヴス”(69年の「リージ&リーフ」収録)の4分半あたりの転調する部分と似ているような…。ほかにイエスの“ラウンドアバウト”を彷彿とさせるメロディも。 どうやら私、「フル・ハウス」のレビュー時に本作を指して「やけにおとなしい印象」とかほざいていたようですね。そりゃ「フル・ハウス」と比べればおとなしいけど、適度に緩急付いてるので飽きることはないです。100点満点中75点は固いね。 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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