フジの意地
以前からフジが「出します」と宣言してモックも公開していた蛇腹式中判カメラが、ようやくお目見えです。名前は「GF670 Professional」、三月から限定5000台で出荷されます。 モックの段階では「ちょっと質感がオモチャっぽい?」という懸念がありましたが、製品版の画像を見る限りでは、手堅くまとまっているようです。(プレスリリースの中で「レンズは4枚6群構成、焦点距離80mm 明るさF3.5の新設計EBCフジノンレンズを採用」とありますが、4群6枚の間違いでしょう(^_^;。)面白いのが、6×6にも6×7にも切り替えられるというところ。当初は6×7としか発表されていませんでしたので、スクエアフォーマットに興味を持つ層にも訴求するために付け加えた機能だと思われます。また、それに合わせてファインダー内のフレームも切り替わるというのですから、なかなか気合が入っていますね~。その距離計やシャッタースピードダイヤルのデザインですが、要所要所が、あのツァイス・イコンと非常に似ています。本体がアルミダイキャスト、外装はマグネシウムという組み合わせもイコンと一緒です。そもそも今時これくらい高い品質でレンジファインダーを量産する技術を持っている工場なんて他にありませんから、「これってコシナのOEMだよね?」と決め打ちしたくなるところですが、はたして真相はいかに…って、別に思わせぶりに書くまでもなく、コシナ製です(笑)。(採光窓の面取りの仕方やダイヤルのターレットがよく似ています。)ところで、気になるのはそのお値段。 データ1:クラッセは8000台限定で希望小売価格¥95,000だった。 データ2:X-PAN2はボディのみで¥205,000だった。(生産台数の限定なし)過去にはこのようなデータがあるわけですが、とりあえずコレは¥215,000くらいという情報が耳に入ってきています。う~ん、落としどころとしては、実売で19万円台くらいかな?(^_^;いずれにせよ、そう安くはなさそうです。ちょっと本筋とは離れますが、中判ライフを楽しむためにも、フィルムを読み込むことが出来るスキャナは必須だと思います。かつてエンゾーは、ダイナミックレンジが狭すぎて使い物にならなかったキャノスキャン8200Fのフィルムスキャン機能を酷評しましたが、あれから年月が経ち、最新型のフラットベッドスキャナではそこそこの画質を実現してくれるようになったみたいなので、今なら高価なフィルム専用スキャナを買わなくても大丈夫かな?と思います。(つーか、いい加減フラットベッドは8200Fから買い換えたい…(T-T))ともあれ、1986年にGS645 Professionalがリリースされて以来、実に26年ぶりとなるスプリングカメラですので、このデジタルのご時勢にこんな夢のある製品を出してくれることだけでもありがたいです。スクエアフォーマット命なハッセルやローライのファンは、是非とも食指を伸ばして下さい!(←他力本願)P.S.もるとさんから頂いた情報で、ヨーロッパのフォクトレンダーのページでは、色々なアングルの画像が公開されていました。中でも目を引いたのが↓これ。バックドアを開けたところですが、6×6と6×7の切り替えスイッチが見えます。こうやってフルサイズからマスキングするんですね。で、これが真上から見たところ。BESSA3という名前になってます。正面には667という数字も刻印されており、その佇まいは、まごう事なきフォクトレンダーファミリーの一員です。やっぱこっちの方がいいかも…(^_^;。(TX-2とX-PAN2の時もフジは似たようなことを言われてたもんなあ…)ちなみにMAPカメラの速報では、本体価格¥218,000、専用本革ケース¥8,000、角型レンズフード¥9,000とのことです。これはいわゆるメーカー希望小売価格だと思われるので、実際にはもう少し安いでしょう。