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カテゴリ:プレゼンテーション
「見劣りがする」。けさの新聞各紙が書き立てた言葉に尽きる。 日本時間2日午後、2016年夏季五輪招致の最終プレゼンテーションがコペンハーゲンで行われた。どこが勝利してもいいのだが、プレゼン・コンシェルジュとしてはどこの国がどのようなプレゼンを行うか非常に興味を持ってテレビ中継を見ていた。 東京は4国中2番目。内容は本番まで一切明かされなかったが、東京はとにかく見た目が弱かった。何を話そうと下を向いて原稿を読み上げる英語では何も伝わらない。重要なのは会場と全世界のテレビに向けてどんなビジュアルで見せるかということだ。 登壇者も日本国内では有名かもしれないが、世界規模では無名。この程度の有名人なら、スタジオジブリにお願いして宮崎アニメのキャラクターを登場させたほうがまだ認知度があるというものだ。スピーチなどほとんど聞こえないのだから、究極の言い方をすれば、テレビに映っているのは初老と後期高齢の男性の姿だけということだ。 東京のキーワードは「環境」。これも弱かった。本当に環境に配慮するならオリンピックも招致活動もせずに、じっとしているに限る。自動車にも飛行機にも乗らず人々が移動しない、電気も使わず、紙も使わないほうが環境にいいのだから。こんな矛盾するテーマを掲げられても外国人がうなずくわけがない。 日本のメダリストたちは「日本の国民に生でオリンピックを見せてあげたい」ばかりを連呼していたが、これも自己中心的すぎる。オリンピックは日本人のためのものではなく、途上国を含めた全世界のものなのだから、もっと外国の人が心を動かされる発言をしてもらわないと。ブラジルは「どうしてもオリンピックをこの街に呼びたいんだ」というメッセージに満ちあふれていた。 10代の体操選手を最初に登場させてもいいが、なぜ普段着だったんだろう。知事も首相も、メダリストもみーんな服装がバラバラなのだ。部分ユニホームとでもいうのだろうか、これでは仕立てたスーツも逆効果だ。東京招致団は衣装にお金をかけたんじゃなかったのか。プレスツアーなんかはしなくてもいいから、本番の衣装だけでも全員同じものでいかなくちゃ…。 その点、リオの招致団は全員が紺と紫の中間色のシックなスーツ。おそろいのシャツ・ネクタイで、胸には招致のバッジ。決定の瞬間抱き合うメンバーも、テレビ画面の中で熱いながらもクールに決まっていた。テレビ映りがいいということは、現地のホールでの見栄えも良かったということだ。 そもそも鳩山首相などほんの数日前に登壇が決まり、プレゼン数時間前に到着して、ちょろっと練習して出て行っただけ。何十年も五輪招致のために準備を重ねてきたブラジルとは気概が違うのだ。 さらに、日本で落選残念でテレビ中継が構えていたのは都庁内のパブリックビューイング会場。集まったのは職員を中心に500人のみ。リオのパブリックビューイングは超大型モニターが設置された広場で、見たところ5万人くらいが集まっていただろうか。バルーンや紙吹雪が準備されていた。万が一東京に決まっても、舞わせる紙吹雪は準備してなかったはずだ。 言語の違う人に何を語っても無駄。とにかく見た目でしか勝負できないということを、再度勉強させてもらった。 ■日刊ちょいスポ(No.888) 「4番 栗原 3ラン」 セ・リーグのクライマックス・シリーズ進出をかけた戦いはまだ続いている。3連勝中のカープは2日ヤクルトと対戦し、栗原が8回表で3ランホームランを放ち5-2に封じた。これで4連勝。うちの実家のご町内関連の栗原選手。頼むよー。最後までCS進出狙ってみよーう。ちょいスポも888の八ならびで縁起がいいわい。 プレゼン・コンシェルジュNOVOの辛口web日記は ただいま【第1918号】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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