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2024/10/02
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父が亡くなったのはバタバタと忙しない3月末だったが、私は大学3回生へ、妹は高校を卒業して既に大学入学が決まっているという、あと数日で新生活が始まる時期だった。

あまりに突然の出来事で私たち3人は途方に暮れたが、それでも日々は巡り生活していかなければならない。

母は専業主婦だった。

その数年前に入院していたこともあり、今更働きに出ることはおそらくできないであろう。

私と妹は静かに目を合わせ、「学業は諦めて働こう」とそう頷き合った。





すぐに母にその旨を伝えた。

だが、母は即座に二人とも大学は出なさいと言った。

きっとお父さんもそれは望んでいない、と。

今すぐに蓄えがなくなることはないから、あなたたちの大学の費用はずいぶん前から貯めていたから、と絶対に首を縦に振ることはなかった。

結局、私たちは学業に専念することになり、私はピアノを教えるアルバイトを、妹は飲食店でアルバイトを、母は自らの身体に鞭打って2年間仕事に出た。





私は知っていた。

母がこう思っていたことを。

あの子、大学を卒業しなかったら中卒になるわ。

この時代中卒はさすがにねぇ、親としてそれだけは避けなければ。

そう、母は私が中卒という学歴になることを誰よりも恐れたのだった。

そうして私は晴れて大学を卒業し、学歴は大卒となった。

高校の時のように途中で投げ出すことがなかった私を見て、母は心の底からホッとしたことだろう。

今私はぐうたらして偉そうにのさばっているけれど、私がこうして生きられているのも、すべては両親のおかげなのである。





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最終更新日  2024/10/02 07:27:02 PM
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