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2018.03.24
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カテゴリ:極私的映画史


 1984年には、10月にイタリア映画祭、11月にスペイン映画祭があり、東急名画座や銀座文化1に足を運んだ。イタリアとスペインの未公開作を日替わりで上映する映画祭で、タヴィアーニ兄弟の「カオス・シチリア物語」やヴィクトル・エリセの「エル・スール」など、後にロードショー公開された作品をいち早く見られただけでなく、こういう機会がなければスクリーンでは見られない作品もラインアップされているのがうれしかった。

 こうした国別の映画祭が都心の映画館で開催されるのには、当時、ミニシアターの増加という状況も関係していたと思われる。ミニシアターで上映されるのは、作家性の高い作品や民族性の強い作品が中心。特にヨーロッパ映画は戦前から日本でも親しまれており、世界的な監督も多い。各国の大使館の後援を取り付ければ、映画祭上映作品というのはマーケティングの上でも多大な効果があったことだろう。

 前年の1983年にはドイツ映画祭が開催されており、ヘルツォークやファスビンダー、ヴェンダースらのニュー・ジャーマン・シネマへの注目もあって、映画祭がかなり話題を呼んだのだと思う。いずれも東急レクリエーションが協賛に名を連ねており、当時のミニシアターへの期待度がうかがい知ることができる。

 しかし、こうした国ごとの映画祭が開催できるのも、この頃が最後だったのかもしれない。ハリウッドを中心とする映画のグローバル化が進み、娯楽映画を中心に国ごとの個性が失われていく。また、特にヨーロッパにおいては、EUの統合が各国文化の混血化を進めたように思われる。たとえば、最近公開されるイタリア映画を見ても、かつてのようなマカロニくささは感じない。それだけ、映画は時代を反映するものということだが、国や民族による違いに面白さを持てめていた僕としては、現在のグローバルな映画というのは、何とも味気ない。

 そういえば、さらに時代を遡れば、他国の人間にはちっとも笑えない、その国だけで大人気のコメディというのが、結構あった。現在の国粋主義的な潮流に賛同する気はまったくないが、多様性が失われた映画というのも何だか物足りない。


カオス・シチリア物語 [ マルガリータ・ロサーノ ]

エル・スール [ オメロ・アントヌッティ ]





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Last updated  2018.03.24 16:36:13
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