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カテゴリ:極私的映画史
チェコのシュルレアリスト、ヤン・シュヴァンクマイエルが引退を発表した。今年で83歳というから、精神的にも体力的にも潮時なのかもしれない。常に独自の世界を表現してきたシュヴァンクマイエルだけに何とも残念である。シュヴァンクマイエルの作品をスクリーンで初めて見たのは、1995年7月の早稲田松竹。短編9本を集めた「ヤン・シュワンクマイエルの世界」である(当時はシュワンクマイエル表記だった)。 どれもこれも、こちらの予想を軽く上回るイマジネーションにあふれていた。ジャンル的には「モデル・アニメーション」と呼ばれていたが、実写あり、マペットあり、静止画ありと、スクリーンに映し出される映像は自由奔放。そのシュールな表現は、グロテスクでありながら魅惑的。人間の内面を解剖し、えぐり出すかのような力強さに満ちていた。 スクリーンでシュヴァンクマイエルを見たのは1995年なのだが、彼の作品を初めて見たのがいつのか、さっぱりわからない。ビデオで見たのか、TVで放映されたのか。早稲田松竹での上映は、すでにシュヴァンクマイエルの長編を見てからだったと思うのだ。なのに、それがどの作品で、どういう形で見たのかが、さっぱりわからないのだ。今となっては、ビデオやTVで見た作品の記録を残しておかなかったのが悔やまれるばかり。 シュヴァンクマイエルの引退作品「蟲」はすでに完成している。日本での公開はいつになるのだろう。最後のシュヴァンクマイエルに驚かされる日を、楽しみに待ちたいと思う。 シュヴァンクマイエルの不思議な世界 【DVD】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.08.24 21:40:52
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