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2019.05.12
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カテゴリ:極私的映画史

 小津安二郎の「東京物語」といえば、世界の映画史に名を残す傑作日本映画だ。老いた夫婦が都会で暮らす子どもたちを訪ねる物語に高度経済成長へと向かう日本の家族像を重ね、見る者の心に自らの家族のありようを思い浮かばせる。「小津の映画は見る年齢によって、とらえ方が変わってくる」とよく言われるが、確かに自分の親を思う心の変化に伴うように「東京物語」の感銘は年齢とともに深くなっていったような気がする。

 2010年に見た「春との旅」には、まるで平成版「東京物語」であるかのような感銘を受けた。「春との旅」で旅するのは親ではない。老いた子ども(自分)である。年老いて自分の行く末を考えた男が、ともに暮らす孫を連れて兄弟たちのもとを訪ね歩く。疎遠になっていた兄弟たちは、それぞれに自分の生活をもっており、男と孫の今後に関わる余裕などない。昭和の家族が親によって結ばれていたのに対し、平成の家族は核家族化が進み、子はそれぞれに独立した家族を形成している。そこにある家族の絆は、はたしてどんなものなのか。それを「春との旅」は模索する。

 ちなみに「東京物語」が広島から東京への東に向かう旅だったのに対し、「春との旅」は北海道から仙台へと南下していく。この映画を見た約1年後、東日本大震災が起こる。この映画がロケを行った気仙沼も、おそらく被災したことだろう。製作が遅れていれば、旅のルートは変わっていたかもしれない。それを思うと、この映画が平成の作品であることを強く感じずにはいられない。

春との旅 [ 仲代達矢 ]





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Last updated  2019.05.12 15:58:11
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