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カテゴリ:クリエイティブライフ
【他人は変えられない】
★精神科医・樺沢紫苑(しおん)氏の言葉から― ◎私のYouTubeでの悩み相談チャンネル「精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル」 には、毎日50件以上の質問が寄せられます。 そのなかでも最も多い質問の一つが、「他人を変えたい」というもの。 夫や妻の性格を変えたい。子どもにやる気を出してほしい。威圧的な上司の性 格を変えたい。やる気のない部下を変えたい……などなど。 実に全質問の一割以上が「他人を変えたい」という悩みなのです。 まず、大前提としてお伝えしたいのは、他人の「性格」や「人間性」は早々簡 単に変えられるものではない、ということです。 心理学者のエリック・バーンという人が「過去と他人は変えられない」という ことを言いました。 しかし、多くの人は、他人を変えたいと望み、他人を変えようと膨大なエネル ギーを注いでいます。 それこそが、人間関係がストレスになる最大の原因です。 「他人」を変えようとうることは、エネルギーを底なしのブラックホールに注 ぎ込むようなもの。 変えようとする人、変えられようとしている人、双方にとっても強大なストレ スと「苦しみ」を生み出すだけなのです。 「人間関係」を変える第一歩は、相手を「肯定する」ことです。これがなけれ ば、コミュニケーションが始まらず、相手も心を閉ざしたままです。 ここで、実際に私の患者さんが上司に浴びせられた言葉の一例をご紹介しまし ょう。 「お前の考えは完全に間違っている!」「こんなことはサルでもできる!」― これらはすべて、「人格否定」の言葉です。 日本の社会では「人格否定」が行われている現状があります。 ですが、「仕事ができない=人間性がダメ」なわけではありません。 たとえば「仕事が遅い」ように見える人も「じっくり考えて動く」のが得意な タイプで、今の仕事や職場が合っていないだけかもしれないのです。 相手の欠点や、(あなたが思う)ダメな人間性をいったん認める。それによって はじめて人間関係を良好にするスタートラインに立つことができます。 逆に、あなたの嫌いな上司がいたとします。 「仕事もできないし、人間性も最悪、尊敬できないどころか話もしたくない」 とあなたは考えるかもしれません。 しかし、同僚のBさんは上司とうまいことやっている、なんてことはよくあり ます。 あなたが「上司は嫌いだ」と言葉にしなくても、そう思っている以上、相手と 心理的にフラットな関係ではないのです。 つまり、同じ土俵に立っていない。 それでは、いくら人間関係改善のテクニックを使ってもムダです。 まず、相手を一人の人間として肯定することから始めないと、建設的なコミュ ニケーションはスタートしないのです。 (参考文献:樺沢紫苑著 「感情リセット術」 知的生き方文庫) ________________________________________ *私たちは、自分の思い通りに生きたい、思い通りに物事を進めたいという 心を持ちます。 これは、自己成長・自己表現のためにはなくてはならないものです。 そして、「自分の思い通りにしたい」というその中で、いちばん難しいのが、 「人」です。 人との関係が何となくうまくいっている人たちを、外からながめてみると 相手を抑えつけようという気持ちがほとんどありません。 むしろ、相手の言い分を聞いてみよう、というスタンスがあります。 これが、「相手をまず、肯定している」ということだと思います。 最初に、この意識を持って相手と向き合えるかどうか、これが人との関係を 左右するポイントになるのではないでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年11月24日 07時00分10秒
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