|
カテゴリ:クリエイティブライフ
【個の力を育てよう】
★臨済宗全生庵住職・平井正修師の言葉から― ◎大学の食堂などで、ひとりで食事をする姿を見られるのを嫌がる学生が増えて いるそうです。 「あいつは飯をいっしょに食う友達もいないのか」と人から思われるのが怖い ためで、ひとりのときは人目をさけて食べるのだとか。 そういう人にとって、孤独は恥ずかしくみじめなものでしかありません。 同時に、彼らがそれほど人の目を気にしているということでもある。 「個」の足元が不安でぐらぐら揺れている時代の反映と言えそうです。 しかし、絶えずメールやLINEで人とつながりっぱなし、そのためにかえって 疲れてしまうという人が今は多い。 たとえいっときであっても人との連絡を絶ち、ひとりへ戻るのが怖いのです。 孤独への耐性が衰え、個が脆弱になったことのひとつの証と言えましょう。 「主人公」という言葉は、劇やドラマの主役の意味で使われますが、実は禅語 のひとつで、仏性をそなえた本来の自己、真実の自己をさします。 その本来の自己というのも、人との関係の中に安住していたり、人とつながっ ているばかりでは見えてきません。 「主人公」の輪郭は、自分ひとりの時間にしかくっきりと浮かび上がってこな いものなのです。 だから、人とつながろうとする前に、ひとりになれ。ひとりになって、まず、 自分のなすべきことから始めよ。そうして、少しずつ「個の力」を養っていけ るのではないでしょうか。 人間関係で思い悩んだり、周囲のあれこれに気を散らしたりするまえに、自分 がなすべきことをなすことが大事。 そのやるべきことをやっていれば、ひとりであろうとみんなでいようと、誰か とつながっていようがいまいが、事はおのずと成就に近づいていきます。 つまり、個があってのち、はじめて「みんな」がありにであって、その逆では ない。 だから、大切なのは「独座」すること。ひとりになって個を養うこと。 そこがすべての出発点となります。 (参考文献:平井正修著「禅がすすめる力の抜き方」知的生き方文庫) ________________________________________ *個の力を養うためには、「自分一人になって孤独になりなさい」、という意味 ではありません。 個の力とは、一人の人間として生きる力、ということです。 メールやLINEでのつながりで、勇気や元気をもらうことだってあります。 それは、生きるうえでとても大事なことだといえます。 ただ、つながることだけのためなら、誰かとつながっていないと不安で仕方 がない、ということになってしまいます。 それでは、生きていく力、自分で幸せになる力を身につけることは難しくな るでしょう。 自分なりの、自分だけの「個の力」を育てていきましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年11月27日 07時00分12秒
コメント(0) | コメントを書く
[クリエイティブライフ] カテゴリの最新記事
|