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Flatのガンプラ製作日記

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2005.07.14
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カテゴリ:ガンダム小説


「ユッキー!」
フラットはしばらく格納庫を歩き回ってお目当ての人物を見つけた。
「ユッキー探したぞ。
またこんなとこでマンガ読んでいたのか」
呆れたようにフラットは呟く。

ユッキーのマンガ好きは有名で暇さえあれば、いや暇でなくても読書に
勤しんでいる。
マンガに熱中しすぎて作戦会議をすっぽかしたことも1度や2度ではない。
これだけなら軍を辞めさせられてもおかしくはないのだが・・・

「ユッキー頼みがある」
「へー、フラットちゃんが頼みとはまた珍しいわね~」
この基地のエースのフラットをちゃん付けで呼べるのは彼女くらいなものだ。
フラットは別に気にする風でもなく、
「48時間以内に至急集めて欲しいものがある。これだ」
と、持っていた紙を渡す。

「ハイハイ。えっ?これって一体どういう冗談のつもり?」
「無理は承知だかお願いしたい。
いつも金さえ払えば24時間以内に何でも揃えるって豪語しているだろ?」

そう、彼女は輸送、物資調達のスペシャリストなのだ。
彼女は金さえ払えば合法非合法問わずあらゆる手段を尽くしてものを
手に入れてきてくれるのだ。
軍の定期便も滞りがちな前線のこの基地では彼女の才能はなくてはならない
ものであった。

そのユッキーを驚かしたもの・・・それはフラットがと~ちゃんガンダムとの
決戦に向け、ぜひ用意しておきたい「ラストピース」(最後の欠片)だった。

「そういうわけではないけどさ、うーんこれは難しいね~
 時間もお金もかかるよ」
渋い顔で答えるユッキー。
もともと美しい彼女だが、困った顔もチャーミングだ。

「通常の手数料プラスあのマンガをユッキーにあげるから、なんとかしてくれ」
「にゃに~!!」

ユッキーはこの短時間で2度驚くこととなった。

あのマンガとはフラット秘蔵の「龍玉」というタイトルのマンガである。
かなり古いマンガでお目にかかることさえ珍しい。
ユッキーはフラットが持っているのを知ってから何度も頼んでいたが
今まで読ませてもくれなかったのだ。

「フラットちゃん本気だね」
「あとお前の好きなアイスクリームもご馳走するよ。
 生きて帰ってこれたら、な」

そこには漢の決意が感じられた。

何か思案するように黙っていたユッキーが突然口を開いた。
「いよっし!わかったわ!あなたの熱意に免じて36時間でなんとかするわ。
 お代もマンガとアイスクリームにまけてあげる」

「ユッキー助かるよ。じゃ、頼んだぞ」
フラットは言葉少なにそう言い残し席をたった。

「龍玉、か」

普段めったに割引に応じないユッキーが今回サービスしたのはフラットの熱意に
免じたからではない。
フラットは知るはずもないが、実は龍玉には天文学的なプレミアがついている
のだった。それこそ手数料を貰わなくて良いくらいに。
龍玉を読む至福の時間とそのプレミア額、ユッキーの口元は自然とほころんで
しまうのであった。





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Last updated  2005.07.14 10:31:24
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