[トーチャン・ガンダム]-エピソードジオン 「巨人への挑戦」 Part3
今までのまとめは上記のバナーをクリック!-------------「攻撃開始」三方向から一斉に放たれた砲弾はザクへ向かって一直線に伸びていく。「命中!」放たれた砲弾は少なくとも4発は命中した。ザクはもんどりうって地面にキスをする羽目になった。「ザク大破。戦闘不能です」十分な布陣からの砲撃であり、当然の帰結ではあるが、やはり巨人を仕留めたという事実は気分を高揚させる。いつもは冷静なオペレータの声も少しばかり上ずっているようだ。「よし、新型は?」「退却を開始しています」「退却?」新型モビルスーツは反撃することもなく、左右に崖がそそり立つ谷の部分に姿を消した。(いくらなんでも鮮やか過ぎる)「ワナだな」「ワナでしょうね。」副官も同意する。「各員第一戦闘配備で待機。索敵班は谷入り口付近を調査」「ザクはどうしますか?」「放っておけ。どうせスクラップだ」この戦争が始まった直後はザクの回収は非常に優先度の高いミッションであったが、いまでは見向きもされない。それだけ研究も進み、恐れを抱く存在ではなくなったということである。10分後、索敵班から報告がもたらされた。「谷の入り口に機雷が多数設置されています。ある程度以上の 重量が載ると爆発するようです。」「どう思う?」「たとえ、機雷を排除するとしても時間もかかりますし、その先も ワナが待ち構えていると考えたほうが良いと思います」なかなか優秀な副官だ、と男は満足した。さて、どうしたものか。デルタツーにはこの谷を通っていくのが一番の近道ではあるが、敵の得意とする地形で戦うわけにはいかない。なんとか敵を出し抜かなければ・・・周辺地図を見回しているうちにあることに気が付いた。「おい、右側の崖の外周をぐるっと回っていったらどうだ?」「ええ?ああ、デルタツーに近づくことはできますが、この崖が ありますから、それ以上近づくことは難しいかと思います。」「だからここだよ」男がある一点を指差した。地図は等高線が描かれていて、崖の高さを表している。男の指差しているところだけ、等高線の間隔が広い。「ああ!この間隔なら傾斜角はこのくらいですね。 登りきる事は不可能ではありませんが・・・」「しかし、不可能ではないのだろう?」リスクはあるが、挑戦する価値は十分ある。しかし、この行動に気が付かれてしまえば対策を立てられてしまう。「よし、各部隊、今から戦闘配備を解除して、5分休憩。 その後は最大速度で行動すっからな。 付いて来い!」つづく