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カテゴリ:本の感想
書籍の感想です。
今回は「ガラスの城壁」です。 ガラスの城壁 [ 神永 学 ] 神永学さんは好きな作家さんの一人です。 「天命探偵 真田省吾」とか、「確率捜査官 御子柴岳人」とかを読んだことがあるのですが、 なんというんでしょうか。疾走感のある文章で、グイグイ話が展開していくところが 好きです。 神永さん好きで、ファンタジー物が好きな私はタイトルと帯「わが王国を取り戻すために」 に惹かれてこの本を手に取りました。 ・・・ ・・・ なんというか、ファンタジー物ではありません。 (私が勘違いしただけですが) 主人公の悠馬はちょっと夢見がちな中学生。 父親が不正を働いたという嫌疑をかけられ、その後自殺したことをきっかけに いじめを受けることとなります。 父親は結局悪いことはしておらず、冤罪だったわけですが、イメージは覆せず、 イメージだけでいじめてくるクラスメイトをいつか正義の戦士になって懲らしめて やることを夢想しています。 そんな彼の生活に変化が訪れます。転校してきた暁斗が彼に声をかけてくれたことで 暁斗との関係を支えに、いじめに耐えられるようになります。 その後、暁斗の勧めで父親の冤罪の真実を調べ始めた悠馬の前に謎の男が現れ・・・ さらに元刑事の陣内という男、急に距離を縮めてきたクラスメイトの涼音などの 存在、そしてその二人の言葉に悠馬は何が真実で、だれが嘘を言っているのか 混乱してくる。 そして、悠馬はついに真実を知ってしまう。それは残酷な真実。 それは彼の王国の崩壊を意味していました。 しかし、その真実から目を背けずに立ち向かうことで初めて前に進むことができるのです。 彼の姿に元刑事もクラスメイトの女生徒も立ち直るきっかけを得ます。 最後の最後に父親の事件についても言及があるのですが、それはおまけような扱いです。 彼ら、彼女らの再生物語です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.04.03 13:34:53
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