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なんであたしがあんたの機嫌取んなきゃいけないのよ

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2017.01.15
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リリーのすべて

画家ってすごいな。
本質を見透かす力を持っているってのが画家の才能の一つだとは思うんですけど、見えすぎてしまうと人生が壊れてしまうことがあるんだなと思いました。

そして、レディレッドメインくらい華奢で可愛らしい顔立ちの男性でも、女装をすると男らしさが際立つというか。
首筋の太さとか、骨格で女性ではないことがぱっと見で分かってしまうものだな。
男性だということに気付かなかった!って女装クオリティには到達できないものですね。

女装した時の夫の活き活きした顔とか、心の中に持っている女性の面をデッサンで完全に表現するゲルダすごい。
毎日一緒に生活している夫だから、心がわかったっていうのもあると思いますけど、自分が画家で物事をよく観察してその本質を描くことを生業としているからたどり着いたんだなと思いました。
女性らしくしている時のリリーの顔が一番美しくて、絵画にする価値があるって確信が、ゲルダをキャンバスに向かわせるんだろうな。
絵画が真実すぎて、アイナーの中にあった女性の心は完全にリリーの形を取ることになったんだろうな。

本来の自分とか、本当はこうありたい自分が絵の中で完全に像になっているのを見て、リリーはアイナーでいられなくなったんだろうなと思うと、ゲルダの仕事は完璧だった。
結果的に夫であるアイナーを失うことになったけど、画家としての天分は発揮したってのが、才能の落とし穴みたいに感じました。
一人の人間の全てを暴くような絵を描くって画家としては人生をかけて達成したい境地でしょうけど。
そうした時に、暴かれた側の人間は解放されると同時に破滅するものなのかな。

夫が女性になる決意をしても、傍にいて支え続ける姿に心が打たれました。
女性として自由に行動したいと思ったリリーに「私は私の人生を生きる」って突き放された時と、献身的なゲルダの姿に「あなたの愛に値しない」と距離を置かれた時には、リリーの気持ちもわかるなーと思いました。
そしてゲルダの側からしたら、これを言われてしまったら、もうどうすることもできないって言葉でもあるな。

女装男子とか同性愛が許容される前の時代って過酷なんだな。
道歩いてて突然殴られるくらいの差別って辛すぎる。
そんな状況に身を置いてて、「神様が私を女に作って、お医者様が私の体を治してくださる」ってリリーが言った時なんか涙出た。





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Last updated  2017.01.15 18:59:05



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