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おもしろい笑い話を聞いた。
ある地方自治体での出来事なのだが。 だいたいどこの職場でも、同僚たちから小額の会費を集めて、オフィス用のコーヒーをまとめて注文したり、日本茶や飲用品など、いわゆる食料費に当てたりする。 悪い役所だと、このような食料費を公金の「裏金」から捻出したり、宴会の代金も「裏金」で処理してしまうのだが。 そこの職場では、そんなことはなくて、みんなから会費を集め、毎月の会費を積み立てて、宴会の費用や、食料費にしているのだという。 ところが。 その会計がものすごくズサンなものだった。 ただ、レシートや領収書がムチャクチャに整理されずに貼りつけてあるだけ。 しかも、そのレシートは私物の買い物と混ざって支払われている。 そこで新たに会計係になった人はビックリした。 「どうして、こんなメチャクチャな買い物がまかりとおっているのか」 好き勝手に買い物をしてきては私物の買い物が混じったレシートと引き換えに、立替代金の請求をしてくるモンスターのような人たちに、会計係は素朴に聞いてみた。 「これはいったい、どういうことなんですか」 すると、小モンスターの一人はせせら笑うように傲然と返答した。 「私たち、好きなものを好きなだけ買ってきていいからって、指示を受けているからよ」 会計係は沈黙した。 「そのように指示をしたのは、いったい誰なんですか」という質問までは勇気がなくて踏み込めなかった。 相手はモンスターズ・インクだ。 踏みつぶされても生き延びている。 指示しているのは不死身のフランケンシュタインだろう。 そこで曹操閣下の出番。 「こんなときはどうしたらいいでしょうか」 在庫を徹底的に調査して、使用量を調べ上げたらいい。 好きなものを好きなだけ買ってくるっていうんだから、必ず買ってきたものの中から自宅に持ち帰っている実例が浮かび上がる。 面倒だけど、これは動かない証拠だ。 そして、誠実な会計担当は苦労の末、ついに盗難の事実をつかんだ。 窃盗・横領の事実を押さえたら、警察に被害届を出せる。 刑事訴訟法には公務員は職務上、犯罪があると考える時は告発の義務がある、としている。 刑事訴訟は、何人でも、犯罪があると思料するときは告発することができ、また、告発するか否かは本人の自由である(239条1項)ということだが。 公務員については、「官吏又は公吏がその職務を行うことにより犯罪があると思料するときは告発しなければならない」と規定されており、告発が義務付けられている(239条2項)。 また、その「職務を行うことにより」とは、必ずしもその犯罪事実の発見そのものが職務内容であることは必要でなく、「職務執行に際して」と広義に解釈することが通説である。 つまり職務執行中に、たまたま犯罪行為を発見したり、目撃したとしても、告発義務は発生するのである。 聞いてみた。 「どういうことなのかね?」 会計係はいった。 「信じられますか?5人くらいの人たちで、日本茶を飲んでいるんだけど」 「茶筒の重さをはかったら、毎日40gも消えてなくなっているんです。すごい量でしょう?」 「えええっ?40gの茶葉っていったら、40人分のお茶が出るんだぜ。そんなバカなことがあるかね」 「そればかりじゃないんです。たった3日の間で、日本茶のパッケージが2袋もなくなっているんです。」 「そりゃあ間違いない。盗難だろうな」 「私もそうだと思って、これは紛失しているんじゃないかって、疑問を投げかけたんです。そうしたら、その人たち、そばで見ていても濃い日本茶をバカスカ飲みまくるようなことになって」 「通常の使用量だと言い張っているわけか(笑」 「でも3日でパッケージ1袋を使い切るなんて不可能でしたね。1週間かかっても、まだなくなっていませんよ。その他にも、クリーム・パウダーはなくなるわ、砂糖の袋は勝手に破られるわ」 「まるでポルターガイストの妖怪屋敷みたいだな。はっはっはっ」 しかし、会計係は笑わなかった。 「笑い事じゃないですよ。われわれの会費で、実際に使用する以上に、食品類がたくさん買い込まれて、それが次々盗難にあっているんですから」 このケース、首謀者はフランケンシュタインだが、吸血鬼ドラキュラのような仲間を子分たちに飼っているらしいな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 23, 2010 05:47:56 PM
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